Aさん:「ねぇ、ヒロさん。気がついた?」
ヒロさん:「なにが?」
Aさん:「さっきの彼女だけどさ、.....実は男なんだけど」
ヒロさん:「えっ?!....ウソでしょ!」
Aさん:「いえ、本当なの。結構肌の色つやもいいでしょ?」
ヒロさん:「えっ? えっ?....だってさ....」(と、彼女、いや彼のしぐさを思い出しながら、思考停止状態に)
こんな経験、みなさんもございませんか? 人間って、最初に人に会ったときに、無意識のうちに確認しようとするのが性別です。髪型、服装で判断しようとしますが、それでもわからないときは、胸のふくらみや体型に目をやりますよね。あとは紹介されたときの名前で「あー、これは女の名前だ」とか思っちゃっています。
ネット上のブログや日記になると、手がかりはほとんどなしです。ブログによっては性別表示があったり、写真を掲載しているところもありますが、それは少数派で、ほとんどの場合は、ハンドル名、文体、文中の「人間関係」などを手がかりに判断するしかありません。
私は昨年11月からブログ巡回を本格的に始めたのですが、お堅い系以外で最初に通い始めたのは「浮遊雲日記」。筆者のザキさんは「オリは許せん!」「なんじゃこら、アホクサ」のような表現を使うので、てっきり男性だと思い込んでいたのですが、ある日「オリみたいな主婦のオバカさんが....」という表現を発見して、「えっ! 女性だったの!」と、またもや思考停止状態に。
ブログのコメントの中で、最初に友人たちと盛り上がってしまうと、第三者から見ても「性別」はかなり自明になりますが、トラックバック(TB)や検索からコメントがつき始めたブログの場合、多くの人に読まれているにもかかわらず、「性別不詳」が続く場合があります。
新聞記者ブログで名を馳せた「ガ島通信」さんも、ほとんどの人は男性と思っていたようですが、ある時期から「ガ島さんは女性かもしれない」と探索する人たちも現れました。ヒマ人やね〜....でも、この「性別詮索」って、みんな興味あるんですよね。(結局、ガ島さんは男性という結論のようでしたが....)
ヒロさんが見ているブログは政治絡みのところが多いので、「こんにちは〜。ところで、あなた男?」のような質問はおいそれとできないし、相手の個人情報に関わることは敢えて尋ねないことがネット上のエチケットかと思われます。私がよく行くブログの執筆者の性別は、現時点のヒロさんの判断はこんな感じなんですが......
ブログ名 | ハンドル名 | 性別 | 根拠 |
ぼやきくっくり | くっくり | 女性 | 夫婦関係の記述から |
Irregular Expression | gori | たぶん男性 | 口調から |
殿下さま沸騰の日々 | 殿下(takkie) | 男性 | 顔も本名も割れている |
セカンドカップはてな店 | soreda | 女性 | 母親との会話から |
日々徒然 | FD3S | ほぼ男性 | 職業、口調から |
mumurブログ | mumur | 男性 | 電突の会話から |
園丁日記 | 枇杷 | 女性 | 「同じ女性として...」という表現 |
大空のサウラビ | サウラビ | 不明 | 手がかりなし |
一人でお茶を | nessko | 女性っぽい | ぬいぐるみマーク? |
(中国で強制閉鎖された)うねり | wowow | 不明 | 手がかりなし |
社怪人日記2005 | haruhico | 男性 | ハンドル名、記事内容から |
アジアの真実 | lancer1 | 不明 | 手がかりなし |
ブログの隅から隅までを徹底的に読めば、手がかりはたくさん出てくるのですが、ザッーと内容だけを追いかけているときに、無意識の性別判断の基準がどこにあるか、です。「男に違いない」「女なはずだ」と読んでいて、ある日突然裏切られた場合、じゃあ、自分の判断基準は何だったのだろう、と考え込んだことが、みなさんもありませんか?
私がブログを始めたころは、「記者ブログの炎上事件」が2件もありましたので、できるだけ個人情報は明かさない、性別も明かさないことを心がけました。「夫・妻」の部分は「配偶者」と書くなど、気を遣いました。性別がばれるような質問を受けたときも、返答せずに「スルー」しました。
性別をわざと偽ってコメントをする人もあります。例えばギャルたちが「エッチと食事はどっちが先か?」なんていう話題で(無防備に)盛り上がっているとします。その会話(=コメント)にそば耳を立てていた男性が「じゃあ、エッチとシャワーはどっちが先?」と質問したい場合、女性を装って会話に加わるってことも、ありますよね?(この辺は、パソコン通信のフォーラム歴が長い方が詳しいと思いますが....)
まあ、これは取材の知恵みたいなもので、異性の更衣室やトイレの会話を取材しようと思ったら、バカ正直に名乗るのも考えものです。「土佐日記」にも書かれています。「おとこもすなる日記といふものをおんなもしてみんとてするなり....」と。著者の紀貫之(きのつらゆき)は男ですが、当時の人たちはみんな騙されたのでしょうか。
日本のみなさま、よい連休をお迎えください。(電車、破壊工作には、気をつけてね)
■参考:映画「リング」は、主人公の性別を原作の小説と逆にした結果、信じられないほどの大成功を収めました。みなさんも、性転換しませんか?