2005年04月28日

ジェンダーフリーのブログを捜し求めて三千里

15年ほど前のことですが、友人の女性(Aさん)と待ち合わせたていたところ、「紹介したい友達がいるの」と、もう1人の女性(Bさん)を連れてきていました。喫茶店に行って、女3人で会話が盛り上がったのですが、Bさんは別の用事で先に帰ってしまいました。

Aさん:「ねぇ、ヒロさん。気がついた?」
ヒロさん:「なにが?」
Aさん:「さっきの彼女だけどさ、.....実は男なんだけど」
ヒロさん:「えっ?!....ウソでしょ!」
Aさん:「いえ、本当なの。結構肌の色つやもいいでしょ?」
ヒロさん:「えっ? えっ?....だってさ....」(と、彼女、いや彼のしぐさを思い出しながら、思考停止状態に)

こんな経験、みなさんもございませんか? 人間って、最初に人に会ったときに、無意識のうちに確認しようとするのが性別です。髪型、服装で判断しようとしますが、それでもわからないときは、胸のふくらみや体型に目をやりますよね。あとは紹介されたときの名前で「あー、これは女の名前だ」とか思っちゃっています。

ネット上のブログや日記になると、手がかりはほとんどなしです。ブログによっては性別表示があったり、写真を掲載しているところもありますが、それは少数派で、ほとんどの場合は、ハンドル名、文体、文中の「人間関係」などを手がかりに判断するしかありません。

私は昨年11月からブログ巡回を本格的に始めたのですが、お堅い系以外で最初に通い始めたのは「浮遊雲日記」。筆者のザキさんは「オリは許せん!」「なんじゃこら、アホクサ」のような表現を使うので、てっきり男性だと思い込んでいたのですが、ある日「オリみたいな主婦のオバカさんが....」という表現を発見して、「えっ! 女性だったの!」と、またもや思考停止状態に。

ブログのコメントの中で、最初に友人たちと盛り上がってしまうと、第三者から見ても「性別」はかなり自明になりますが、トラックバック(TB)や検索からコメントがつき始めたブログの場合、多くの人に読まれているにもかかわらず、「性別不詳」が続く場合があります。

新聞記者ブログで名を馳せた「ガ島通信」さんも、ほとんどの人は男性と思っていたようですが、ある時期から「ガ島さんは女性かもしれない」と探索する人たちも現れました。ヒマ人やね〜....でも、この「性別詮索」って、みんな興味あるんですよね。(結局、ガ島さんは男性という結論のようでしたが....)

ヒロさんが見ているブログは政治絡みのところが多いので、「こんにちは〜。ところで、あなた男?」のような質問はおいそれとできないし、相手の個人情報に関わることは敢えて尋ねないことがネット上のエチケットかと思われます。私がよく行くブログの執筆者の性別は、現時点のヒロさんの判断はこんな感じなんですが......

ブログ名ハンドル名性別根拠
ぼやきくっくりくっくり女性夫婦関係の記述から
Irregular Expressiongoriたぶん男性口調から
殿下さま沸騰の日々殿下(takkie)男性顔も本名も割れている
セカンドカップはてな店soreda女性母親との会話から
日々徒然FD3Sほぼ男性職業、口調から
mumurブログmumur男性電突の会話から
園丁日記枇杷女性「同じ女性として...」という表現
大空のサウラビサウラビ不明手がかりなし
一人でお茶をnessko女性っぽいぬいぐるみマーク?
(中国で強制閉鎖された)うねりwowow不明手がかりなし
社怪人日記2005haruhico男性ハンドル名、記事内容から
アジアの真実lancer1不明手がかりなし

ブログの隅から隅までを徹底的に読めば、手がかりはたくさん出てくるのですが、ザッーと内容だけを追いかけているときに、無意識の性別判断の基準がどこにあるか、です。「男に違いない」「女なはずだ」と読んでいて、ある日突然裏切られた場合、じゃあ、自分の判断基準は何だったのだろう、と考え込んだことが、みなさんもありませんか?

私がブログを始めたころは、「記者ブログの炎上事件」が2件もありましたので、できるだけ個人情報は明かさない、性別も明かさないことを心がけました。「夫・妻」の部分は「配偶者」と書くなど、気を遣いました。性別がばれるような質問を受けたときも、返答せずに「スルー」しました。

性別をわざと偽ってコメントをする人もあります。例えばギャルたちが「エッチと食事はどっちが先か?」なんていう話題で(無防備に)盛り上がっているとします。その会話(=コメント)にそば耳を立てていた男性が「じゃあ、エッチとシャワーはどっちが先?」と質問したい場合、女性を装って会話に加わるってことも、ありますよね?(この辺は、パソコン通信のフォーラム歴が長い方が詳しいと思いますが....)

まあ、これは取材の知恵みたいなもので、異性の更衣室やトイレの会話を取材しようと思ったら、バカ正直に名乗るのも考えものです。「土佐日記」にも書かれています。「おとこもすなる日記といふものをおんなもしてみんとてするなり....」と。著者の紀貫之(きのつらゆき)は男ですが、当時の人たちはみんな騙されたのでしょうか。

日本のみなさま、よい連休をお迎えください。(電車、破壊工作には、気をつけてね)


■参考:映画「リング」は、主人公の性別を原作の小説と逆にした結果、信じられないほどの大成功を収めました。みなさんも、性転換しませんか?
posted by ヒロさん at 05:45 | Comment(24) | TrackBack(0) | 言語学&コトバ遊び

2005年04月24日

ネット時代の英語学習法

昨日はロンドン行きの列車の中で「英語達人列伝」(中公新書/斎藤兆史著)を読んだ。明治時代の「英語の達人」たちがどのように英語を学んだのか、というプロセスを紹介した本だ。日本を代表する英語の名人、世界を股にかけたコミュニケーションの達人といったら、誰が思い浮かぶだろうか。

身近なところでは5000円札で樋口一葉にバトンタッチする新渡戸稲造であろうか。この人がお札になったときは人気が低かった。夏目漱石や森鴎外ならわかるが、誰、このオヤジ?というのが多くの人の反応であったように思う。という私もその1人だった。しかし彼の「武士道」を読んで、今まで日本人として彼を知らなかったことを深く恥じ入るにいたった。

英語で発信した言論人の「トップ3」といえば、新渡戸稲造、岡倉天心、鈴木大拙であろう(内村鑑三を入れる人もいる)が、「英語達人列伝」では、さらに以下の人物を挙げている。

  • 野口英世......細菌学者
  • 斎藤秀三郎......英語学・英語教育
  • 岩崎民平......英語辞書編纂
  • 西脇順三郎......詩人
  • 幣原喜重郎......政治家
  • 斎藤博......外交官
  • 白洲次郎......吉田茂の側近

  • 野口英世は1000円札で知名度アップだが、ほかの達人たちはどうだろうか。斎藤秀三郎は1度も海外に出たことがない英語の碩学で、彼の英語学校は日英同盟(1902)後の日本ではピカ1の人気を集めた。幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう)は、山東領有問題(第1次大戦後にドイツから割譲)で日本を盗人呼ばわりしていた中国を英語で論破した。白洲次郎は、戦後の吉田内閣の側近としてGHQ交渉の急先鋒となった論客。

    今の日本の政界に、幣原や白洲のような人物がいないのが残念だ。売国の宮沢喜一では話にならない。政界や外務省に若者の憧れになるような人物がたった1人いるだけで、日本の英語力は何もしなくてもレベルアップする。「あこがれ」のエネルギーは、恐ろしい力を秘めている。胸焦がれ、魂が揺さぶられるようなモノや出会いがあれば、それだけで現状変革のパワーになる。

    Web巡回をしていたら「ピースボートの通訳を目指して英語を勉強します!」と宣言している方がいたので、「もっといい目標を持ちなさい」とアドバイスしておいた。(あこがれと妄想を混同してはいけない) 「Japan Time」「Newsweek」で勉強している方もいるが、その紙誌に「恋愛感情」に近いものを感じていないのならば、やめた方がいい。お金と時間のムダである。

    こんな勉強法はいかが? 例えば、洋楽の中で大好きなアーチストがいるとしたら、その曲の歌詞をすべて書き出し、単語は全部調べ、ソラで暗証し、対訳があっても「私ならこう訳す」と挑戦してみるとか。村上春樹が好きならば、その英訳にいきなり挑戦してみるとか。ステップ・バイ・ステップとか、難易度別の選書とか、そんなものは関係ない。惚れたが勝ちじゃ〜。

    野口英世の時代に比べて、外国語学習の環境は格段によくなっている。ネット上に語学学習サイトは山ほどある。インターネットラジオはいくらでもある。毎日、世界中でいろんな人がいろんな面白いことを、これでもか、まいったかー、と書いてくれている。勉強するのに義理立てはいらない。自分が面白いと思うところに直行である!!

    たとえば、ヒロさんはこんなブログ検索をしてみた。

  • 「日本」のことを書いているブログがないかな....
  • 外国人で「剣道」やっている人いないかな....
  • 「ボサノバ」に関して情報交換したいな....
  • 「シュタイナー教育」を書いている人って、いるのかな....

    英語のブログを探したつもりが、中国語やポルトガル語にぶつかったり、というハプニングがあるかもしれない。ともあれ、気に入ったブログが見つかって、しばらく読むようになったら、いつかコメントに書き込んじゃおう。世界中でコメントのつかないブログがあふれてますよ! 初コメントが日本人からのヘンテコな英語だったりしたら、そのブログの管理人がビックリするだろうな〜。でも、トピックへの情熱があれば、文法のまちがいぐらいは問題なし!

    昔ペンパル、今ブログ。いい時代がきたね。

    ■注:英語のブログにコメントするときは、せめてワープロでスペルチェックをかけてから、コメント欄に貼りつけることをお薦めします。
  • posted by ヒロさん at 10:35 | Comment(8) | TrackBack(1) | Learning English

    2005年04月20日

    中国の反日と、これに連動する日本の反日と

    中国では1989年に「(第2次)天安門事件」が起こったが、これを境にして、中国の反日活動も、日本の「左翼」活動も、大きな変化を迎えるに至った。「反日」「左翼」の歴史的・倫理的・宗教的な考察では「isaの同時代フィールド・ノート」の右に出るものはいない。

    isaさんの論文のまとめ読み、お薦めします。

    isa:「左翼」という無意味(2005/2/28)
     80年代的な「優しいサヨク」とは何ものだったのか。それは私見では、イタリア共産党のアントニオ・グラムシを淵源の一つとする、政治闘争そのものよりも「文化」的な「ヘゲモニー闘争」を重視する一種の「軟派」であった。これは現在では大きく分けて「エコロジー」と「フェミニズム」に変貌している。

    isa: 80年代的で市民運動的な「優しいサヨク」はいかなる内的論理の変遷を経て90年代的な攻撃的「反日左翼」へと生まれ変わったか(2005/2/12)
     最後に確認しておかなければならないのは「反日」の中身である。松井氏(=バウネットの故松井やより)がここで振りかざしていたのは同時代的アジア搾取論だが、これは急速に力を失い、この後、「反日」思想は「過去」の戦争責任問題へとシフトしていくことになる。松井氏自身も、以後、このシンポジウムでは全く触れてはいなかった慰安婦問題などの「過去」に向かう。
     このような「反日」思想の「過去」への推移が、実は「中国」のイデオロギー変化に沿うものであったことにはしっかり留意しておく必要がある。つまり同時代的アジア搾取論は「第三世界」の(自称)リーダーとして革命を輸出していた文革時代のイデオロギーであり、これは日本資本を呼び込みたい「改革開放」の「中国」にとっては危険すぎる思想だった。なぜなら、もし同時代的アジア搾取論によって日本をアジアの搾取者だと規定してしまうと、現在の日本企業の「中国」進出までもが「侵略」ということになり、「反日」の矛先は「改革開放」そのものにまで向かうだろう。これは困る。だが国民統合に「反日」は必要だ。それなら「過去」の行為を問うという形での「反日」にしようじゃないか。というわけで、「中国」にとって、あるいは「韓国」や「北」にとっても、「反日」は「過去」に閉じこめられることになった。

    isa:反日イデオロギーの倫理(2005/4/16)
     つまりシナから見た日本が倫理的な最低人種である理由は、それが自分から「平面」的に「遠く」、かつ「以前に」シナを支配したことのみにあり、合理的な理由は何もない。日本は「遠く」、「かつて」シナを支配した、従って、靖国などという邪神を祀る野蛮国であり、自分たちはそんな野蛮人とは違うし、そんな野蛮人を教化し中華世界に導く義務さえある、それこそが中華に生きる「人間」の証しなのである、と。

    isa:日本の「左翼」は常に「外」との関係で蹉跌する(2005/3/6)
     当時の共産党のどこがムチャクチャだったかと言えば、コミンテルンの言うがまま天皇制廃止のスローガンを掲げ、本来の「左翼」の存在意義であるはずの労働者の権利擁護という原則をかなぐり捨てたことにある。<中略>現在の「左翼」もまた戦前の共産党と同じ「反天皇制(反日)」の袋小路に入ってしまったことは再三再四指摘してきた通りである。そしてこの場合、コミンテルンの役割を果たしたのが「中国」や「北」であること、もはや言うまでもないだろう。

    isa:「異様」な〈倫理〉と「反日左翼」の精神(2005/3/29)
     心配なのは防衛機序のタガが外れ、つまり日本人でありながら日本人であることを否定して、「異様」な「投資」を〈倫理〉にまで高めてしまった人々である。
    「家族よりも党を!」
    「国民よりも在日外国人を!」
    「国内よりもアジアを!」
     このような〈倫理〉を内面化してしまい、結果、その〈倫理〉を他人に押しつけるしかなくなった人々の行動こそが気がかりなのである。

    isa:「左翼」と「右翼」の「ユートピアン」としての「同一性」(2005/2/16)
     言うまでもなく現代的な「空間的ユートピアン」は「左翼」である。その「ユートピア」は「ソ連」「中国」「欧米」あるいは「スウェーデン」だったりと色々だが、要は「空間」的に到達できる「場所」であり、このことが「左翼」の言説に強烈な実証性を与えることになる。「この目で見てきたんだ」と。
     そして「右翼」が「時間的ユートピアン」であることは明らかだろう。昔は良かった、とまでは言わないが、「現在」の悪が「過去」を忘却したことにあると考え、伝統的な価値観の復活を訴える。<中略>
     さて、ここで考えたいのは、「左翼」と「右翼」の「差異」ではなく、その「同一性」である。つまり左右のどちらもが「ユートピアン」であるという、このどうしようもない「同一性」であり、見かけの「差異」はともかく、そのどちらもが「いま・ここ」に現存する自らの「パトリ(郷里)」を憎む精神病理的存在だということである。<中略>
     私はエマーソンの詩句「天国はいらない、故郷が欲しい」に倣って言いたい。「ユートピアンはいらない。『いま・ここ』を憎まない政治家が欲しい」


    ■追加1:証拠はないが、中国の天安門事件(1989年)と、朝日の従軍慰安婦(捏造)キャンペーン(1991年)は、「赤い糸」で結ばれているのではないか。

    ■追加2:「中国共産党の陰謀」ブログが登場! とてもよくまとまっています。
    409中国デモによる日中関係真相の考察(2005/4/18)

    ■中国公安当局によりブログ「うねり」を強制閉鎖させられた上海のwowowさん。弾圧にもめげず、gooに移転してレポートを継続中です。がんばれwowow!
    うねり:「中国当局によって封鎖されました」(2005/4/19)
    wowowさんの亡命&新天地ブログ(トップページ)→http://blog.goo.ne.jp/wowow_turk/

    ■追加3:中国に気を取られて、日本の国民的記念日の方を忘れてはなりません。4月20日の出来事なのに、なぜか「三五事件」と呼ばれているあの事件。絶対に風化させてはならないあの事件....(そもそも海の中なので「風化」しませんが....)
    大空のサウラビ:「 このキナ臭い空気はいつか来た道!」(2005/4/20)
    posted by ヒロさん at 07:37 | Comment(4) | TrackBack(3) | 中国情勢☆毛沢東

    2005年04月19日

    議会制民主主義というオカルティズム

    イギリスでは何の予告や前触れもなく、配線工事による停電がある。たいていは夜中の12時ころに起こるのだが、今日は朝10時から午後3時まで、電気が使えなくなった。おかげで、最近中毒状態のパソコンから離れて、本を読む機会に恵まれた。小杉英了(こすぎ・えいりょう)氏の書いた「シュタイナー入門」(ちくま新書)である。

    シュタイナーは、オカルティスト、霊能力者、主知主義的な哲学者、社会改革の実践者など、さまざまな顔をもっている。ドイツ神秘主義の霊性を深く見抜き、整理した人物でもある。日本で「オカルト」というと、ほとんどいい意味には使われないが、キリスト教が圧殺してきた「万物に魂がある」という見方や、「キリストと人間は同一化できる」といった異端思想などを含む。

    シュタイナーは徹底的に考える哲学者で、オカルティストでありながら、俗悪な亜流のオカルティズムを批判していた。彼が攻撃したのは「秘密主義」と「心霊術」だ。すなわち、人類の智恵としての神秘主義の儀式や手法は、万人に公開されるべきであり、一部のグループの専売特許であってはならない。また、霊媒を使った死者との交信や、霊的なものの物質化現象(エクトプラズマなど)は「異常現象」であり、「異常現象」からは、霊性の「本質」は見えてこない、という主張である。

    本を読んでいてなるほど思ったことは、シュタイナーが「議会制民主主義」の出生の怪しさを見抜き、危険なオカルティズムと見なしていたことだ。

    シュタイナーは、この政治システムに対して醒めていた。民主主義によって、人々の多様な意見が汲みとられ、実現されていく、などという幻想を抱いてはいなかった。このシステムが、実際には、既存の経済上の利益を代表する者たちによって議席が占領され、新しい社会形成を訴える者を法的に拘束する機能しか果たさない、という現実を、彼は繰り返し指摘した。(「シュタイナー入門」p163)

    イギリスの名誉革命、フランス革命、アメリカ独立は、18世紀にイギリスで生まれた近代的オカルト結社(フリーメーソン?薔薇十字会?)が推進した、という話はよく聞く。陰謀史観といわれるジャンルの本を読むと、ロスチャイルド家の暗躍もあまねく書かれてある。シュタイナーは、「議会制民主主義」もこのオカルト結社の産物として捉えている。

    代議制とは、近代的な錬金術である。1枚の投票用紙は、ぺらぺらに薄められ切り刻まれた金箔のようなものだ。それは確かに、国家意思の形成にまで連なっているかのような一片の輝きを見せる。しかし、結局のところ、集票のプロセスを通ることで1人ひとりの意志は溶解し、どろどろに溶けた金(きん)=金(かね)となり、投票者の意志とは関係のないところで用意された型に流し込まれる。(p164)

    「用意された型」の最大枠が国家だ。人々は、この国家形成に貢献する見返りとして「国民意識」を与えられる。統治システムに参加しているという錯覚によって、「国家」を支えているのは自分たち「国民」であるという自覚が生まれてくるのだ、という。

    国民国家のイデオロギーが醸し出す最高のうま味は、この統治システムを操作している結社が、人々の眼差しから見えなくなる、という点にある。だからオカルティズムなのだ。<中略>そして、この結社のメンバーが、実のところ国民意識などもっておらず、国境を軽々と越えて、グローバルなネットワークを結んでいることが、国民にはまったく見えない。この世に存在する最高位の権力主体は、国家だと思い込まされるので、国家を超えたものを想像できなくなるのである。(p166)

    「オカルト結社」というコトバに抵抗がある方は、政治システムの陰で暗躍する「特権階級」「財閥」「多国籍企業」に置き換えてもよい。

    昨今の中国の反日デモを見つめながら、国家、国民、ナショナリズムの意味について、考えずにはいられない。

    ■追加:中国・韓国の理不尽さが明らかになるほどに、わが日本の反省材料としたい。
    他人の限界を3つ指摘するよりも、自分の限界を1つ意識する方が、はるかに困難なのだ。もしも「進化」があり得るなら、それは、より困難な認識に方にこそ見出されるだろう。(p196)
    posted by ヒロさん at 08:21 | Comment(5) | TrackBack(1) | シュタイナー

    2005年04月18日

    日中歴史論争について、世界中の意見を聞いてみよう(BBC)

    BBC News では、一部のニュースに読者からのコメントを受け付けている。先週盛り上がったコメントは、中国反日デモで顕在化した日中歴史問題に関するニュースだ。

    東シナ海のガス田試掘決定で、中国は日本を非難。日本の歴史教科書問題をめぐって、中国では反日デモが起こっている。中国の温家宝首相は「日本は歴史と向き合え」という。この問題であなたの意見は?

    さて、これに対してどんな意見が集まっただろうか。(ヒロさんの「超要約」版です)

    ■注:(中)=中華系人、(日)=日本人、(外)=外国人
     薄ピンクにマウスポイントをあてると、英文がポップアップするよ。
    国・地域コメント内容
    香港ドイツを見習え。
    イギリスどっちも悪い。
    カナダ(中)過去を反省しないで常任理事国はムリ。
    日本(外)ベトナム&チベットの侵略で中国に謝罪させようか? 日本の過去を持ち出すなら、中国の過去と現在の両方を見てもらおうじゃねーか。ローマ帝国のイギリス侵略でイタリアにも謝らせようか?日本は中国と違って、過去60年間、平和に貢献してんだよ!
    イギリス日本のたった1冊の教科書で大騒ぎするな。結局は石油利権問題だろう。
    中国とにかく謝れ。
    中国自国民に対する弾圧はあったさ。でも他国を侵略して、何千人も殺しておいてシラを切る、なんてことはない。
    イギリスつけ込まれる日本は脇が甘いよ。でも一方の中国は危険な民族主義ゲームに突入だね。
    スペイン両方とも、ドイツの事例に学べ。
    香港(外)歴史問題で日本から譲歩を引き出すのは危険なギャンブルだよ。3千万人が死んだ「大躍進」の話になったら、どうするわけ?
    中国日本の若者に謝れとは言っていない。日本政府が謝るべき。
    南アフリカ(中)歴史問題をないがしろにする日本は、アジア諸国から信頼を得られない。
    イギリス中国は偽善者。「官製」反日感情と一緒に、おのれの人権侵害もぞろぞろと。日本はもう9回も謝ってんの。日本は中国の政治謀略にうんざりしているみたいだよ。
    インド日本はすでに謝罪済み。広島・長崎でも十分に苦しんだ。
    オーストラリア(中)中国の歴史教科書が歪んでいるからって、日本に抗議できないわけじゃない。南京を世界に知らしめたるわい!
    イギリス(日)日本の教科書には十分に戦争のことがかかれてますけど。批判されてる教科書も普通ですけど。イギリス版の教科書だったら「アヘン戦争は香港併合の口実だった」のように書かないはずでしょう。
    カナダ常任理事国になりたいなら、戦勝国全部に謝れ。北方領土にこだわって、いまだにロシアと友好条約も結んでいないじゃないか。
    イギリス台湾・チベットなど、中国に日本を責める資格があるかい! でもまあ今回は日本を責めよう、その後で中国だ。
    イギリスどっちもどっちです。
    ボスニア謝罪の問題じゃない。日本軍が25万人以上を殺害した南京虐殺をウヤムヤにしようとしている。日本の新しい世代がこれを認識しないことは危険!
    イギリス(中)デモをする気持ちはわかるが、もっとマトモなやり方あるだろうに。
    トルコ日中貿易が拡大しているこの時期にね〜。いいことないっす。
    ポーランド言っていることは正論だが、どの口が言う正論だ!
    香港天安門事件の始まりも反日ナショナリズムだった。「中共と日本の両方が歴史認識を改めろ」が正しい。
    アメリカ悪循環の始まりだ。中共は国内問題の目くらましでデモを利用し、日本の右派はタカ派路線の推進で中国問題を利用する。
    イギリス日本と台湾は中共のいいカモにされている。
    アイルランド日本は東アジアにおける過ちを改めるべき。
    アメリカ(中)平均的な日本人は日本国家の残虐行為を知っているし、反省している。でもアジアの隣人に対する政治家の態度にはビックリだ。
    カナダ世代を超えても、謝るべきは謝るべき。しかし暴動で事態は解決しない。
    アメリカ中国はまず自分の人権侵害を改めよ。
    イギリス中国人には愛国者が多いのは確か。日本はドイツに学べ。
    アメリカ中国の反日は軍事ナショナリズムの表れにすぎない。対中投資をする日本は、それなりに評価が高いということ。常任理事国拡大の話はいまの世界情勢を反映するもので、1945年のそれじゃない。
    日本(外)歴史は勝者が書く。アメリカのメキシコ&ハワイ侵略を認める人間がどれだけいるか?
    アメリカ歴史を見直さないと日本は孤立し、経済に影響が出る。
    シンガポール日本はなぜ教科書を改めない?中国人が靖国参拝を許せるわけがない。
    日本(外)3人の子供がいるが、1980年代の中国共産主義に影響された偏向教科書で学んでしまった。日本のプライドも独立心もない。結果的に子供はみんな中国嫌いだ。
    イギリス(中)「Rape of Nanking」を読んだことがあるか?この問題で中国が立ち上がらないことの方が恐ろしい。
    日本小泉は隣国との関係を破壊した。歴史に直面せよ。
    中国(外)日本は国際的信頼に値しない。中国政府が100%クリーンと言う人はいないが、過去の過ちを認め、数百万の人民を貧困から救った。
    日本(外)教科書は関係ない。経済覇権のポジション争いだ。本当の争いは、エネルギーと漁業権をめぐる領土問題だ。
    カナダ常任理事国枠で中国の焦りがある。中共の殺戮について誰も言わないのはなぜか。
    アメリカ(中)民主国家の韓国まで日本に抗議している。歴史改竄は長年の日本の野心の表れ。
    台湾「謝罪を繰り返せ」というのは簡単だが、そこから友好関係は生まれない。
    アメリカ歴史とはノンフィクションだ。日本は歴史をフィクションに入れるつもりか。
    アメリカ(日)日本では戦争問題で「平和学習」をするのは常識。中国は日本の教育状況を知らない。
    日本韓国と中国の反日運動はお門違い。日本は十分過ぎるほどの謝罪、経済援助、補償を続けている。日本にはっきりモノを言われるのが恐いのではないか。
    中国教科書はただのきっかけ。過去60年間、日本政府は過去に向き合わなかったのが悪い。
    日本中国の歴史認識は、日本への悪意を感じさせる。歴史の見方は一様ではない。小泉が言うように、前に進むことだ。
    韓国日本が17回も謝った?私が1度も聞いたことないのはなぜ?謝罪のふりした言い訳だろ。
    マレーシアほかのデモは弾圧されるのに、反日デモがOKとは、面白い。
    マレーシア(中)謝罪が17回でも170回でも、言行不一致なら意味がない。
    アメリカ日本も悪いだろうが、中国が日本の教科書に文句をいうのは、大欺瞞もいいところ。
    中国我々中国人は日本に怒りを覚える。中共の悪事を理由に、日本が歴史を隠蔽していいわけがない。
    アメリカ(中)日本が自分のことを棚に上げて、広島・長崎の原爆でアメリカに謝罪を迫れるんかい!
    オーストラリア(日)中国のやり方には賛同できないが、日本政府は正式に謝罪するべきだ。禍根は未来に残さない方がいい。
    日本中国の文句は即刻無視。中共の日常的な悪事は、日本の歴史的な悪事をはるかに凌ぐ。
    日本中国に日本の教科書内容を変える権利はない。
    香港デモは多少攻撃的だが、これは自発的な行為であり、日本の残虐行為がいかにひどかったかを物語っている。
    アメリカ日本に反省させるなら、もっとソフト路線を取るべきでは?日本に拒否権つき常任理事ポストを渡さないための明らかな政治ゲーム。
    香港戦争犯罪は過去の世代のものだが、日本政府がいま公式謝罪ができないと、問題は30〜50年も続いていく。
    イギリス中国は人道への脅威。チベット、ムスリム、自国民への弾圧をやめよ。デモは本物なのか、操り人形なのか?
    シンガポール若い世代は歴史から学び、同じ過ちを避ける。日本はドイツのように歴史を直視せよ。
    アメリカ国連常任理事会の目的は何なのさ? 過去の行為をウヤムヤにする国は、常任理事に値しない。
    日本韓国と中国が、自分の歴史観を真実がごとく強弁している。
    香港中国侵略では日本を問い詰めるべき。だが、現在のデモは中国の地政学的な事情による。
    シンガポール中国の方が殺した数が多い、という問題ではない。侵略を認めない国から受けた屈辱の問題だ。
    日本(外)中韓との関係を修復する上で日本はもっと正直になれ。昔のことだから許されるという理屈は容認できない。
    中国戦争の被害者として、歴史問題で日本に要求する権利がある。隣人に信頼されない国が、世界から信頼されるはずがあるまい。
    ニュージーランド日本の若い世代には正しい歴史知識が与えられるべきだ。歴史をないがしろにすることは、被害国へ侮辱であるばかり、日本にとっての損失となる。
    マレーシア(中)反省しないのであれば、日本製品は使わない。SonyをやめてEmersonにしたが、今後はToyotaをやめてHyundaiにする。
    アメリカパールハーバーを覚えてるか? 常任理事国なんてとんでもない。
    台湾中国の教科書を読んだことあります? 第1次・第2次大戦で、すべての国が中国に悪事を働いたことになっている。
    カナダドイツは過去を直視したが、日本はしていない。
    アメリカ歴史を書くのは勝者だ。今回の件では、アジアの反共のために、アメリカは日本を「勝者」にする必要があったのだ。
    アメリカ一体いつになったら祖先の罪を赦すのだ?人類は、過去の行為と和解できないのか?
    カナダ西側諸国は日本の罪は赦してもいいが、ユダヤ人のホロコーストは赦さないという。ダブル・スタンダードだ。
    日本日本近代史の犯罪行為を次の世代に教育するべきだ。日本文化には醜い側面がある。なぜそれほどまでに常任理事会に入りたいのか?
      
      

    これで全コメントの最初の4割くらいだ。投稿のすべてが掲載されるわけではなく、英語の質、賛否バランス、内容の斬新さ、地域バランスなどを考慮して、BBCが選択的に掲載している。ヒロさんが勝手に(中)(日)(外)と区別はしてみたものの、内容と人名から推定できるだけで、実際のところはわからない。

    何事も100人ぐらいの意見を聞けば、賛否のパターンもわかるというもの。この手のデータベースは、英語フォーラムに殴り込みをかけるために必要なので、試作してみました。皆様からのご意見をお待ちしています。


    ■追加1:国際人を目指して英語の勉強は結構だが....選んでください、学校は。
    左巻きの学校→聞け、良心の声(筑紫女学園短大英文学科)

    ■追加2(2005/4/20):要約ではなく、忠実な翻訳で読みたい方は、こちら↓。
  • アメリカ学研究所:「他国は歴史教科書問題をどう見ている? part1」(2005/4/13)
  • アメリカ学研究所:「他国は歴史教科書問題をどう見ている? part2」(2005/4/15)
  • posted by ヒロさん at 07:18 | Comment(19) | TrackBack(3) | 中国情勢☆毛沢東
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