イギリスの監視カメラ網はものすごい。ロンドン市だけで50万台の監視カメラがあり、ロンドンで仕事や生活をする人は、1日平均300回はこの監視カメラに映っている計算だという。イギリスの法律では、断りなしに撮影するとプライバシー権の侵害にあたるため、「監視カメラで撮影してます」という但し書きが至るところにあるのだという。(参考記事:WSJ:Watch on the Thames (2005/7/8))
わが家の同居人の情報によると、イギリスのNational Rail(イギリス国有鉄道)の新型車両には、1車両あたり3つ以上の監視カメラがついているらしい。2年前までは走行中も手動でドアが開く、危険な車両がいっぱいだったが、ここ1年で車両の近代化が一気に進んだことは、私も把握していた。しかし「車内の監視カメラ」には気づかなかった。今度ロンドンに行くときに、車中ならび市街の監視カメラに、注意してみたい。
ロンドン・テロでは、しっかりとカメラが捕らえてくれたのだが、4年前の「911テロ」では、どうしてハイジャック犯の映像がただの1つも出てこないのか。セキュリティの厳しい空港では、搭乗ゲート付近に必ず監視カメラがあるはずである。これに加えて「搭乗者リストの中から、犯人が割り出された」という発表がただの1件もないのは、どうしてなのか?
(■追加:主犯モハメド・アタの監視カメラ映像はあるが、ハイジャック機に搭乗したときのものではない。ペンタゴン突入組の監視カメラ映像は、2004年7月にAP通信にリークされた。本文下の追加項目を参照のこと。)
フライト | 出発地 | 激突 | 乗員&乗客 | ハイジャック犯 |
AA-11 | Boston | 8:45 WTC-1 | 乗員11人 乗客76人 搭乗リスト | 5人(写真) |
UA-175 | Boston | 9:05 WTC-2 | 乗員9人 乗客46人 搭乗リスト | 5人(写真) |
AA-77 | Washington | 9:39 Pentagon | 乗員6人 乗客50人 搭乗リスト | 5人(写真) |
UA-93 | New York | 10:03 Shanksvills | 乗員7人 乗客26人 搭乗リスト | 4人(写真) |
搭乗リストの中に犯人の実名はない。このリストから犯人が除かれているのか否かも不明のままだ。犯人たちは、一体どんな名前を使って航空機に乗り込んだのか?
この問題に絡んで、情報公開法に基づき、ペンタゴン墜落機(AA77便)の検死結果の情報公開を請求した人がいる。(Autopsy: No Arabs on Flight 77)
2002年4月3日のこの公開請求に対する回答(2003/6/20)では、AA77便に搭乗していた「58人」の検死が行われた(2001/11/16)ことが明らかにされている。しかしながら、表中にもある通り、搭乗リストに記載されている「56人」(乗員6+乗客50)とは食い違っている。差分の「2人」がハイジャック犯ということなのだろうか?
回答文には検死体で身元が確認された名前が載っている。搭乗リストには存在しない、新しい名前「Robert Ploger」、「Zandra Ploger」、「Sandra Teague」が登場している。一方、搭乗リストにあった乳児「Dana Falkenberg」は、遺体が確認できなかった、としている。
すなわち、新たに3人が増え(+3)、幼児1人が未確認(−1)となって、全体で2人増えた(+2)ことになる。この検死の中でも「アラブ人」は確認されていない。その後、搭乗リストが訂正されたという話もない。アメリカ政府やFBIは疑問には何も答えない。飛行機には本当にテロリストが乗っていたのか、という疑問が起こってくるのも当然である。
911テロが発生してから48時間後の2001年9月13日、FBIはハイジャック犯19人の顔写真と名前を発表している。その2週間後(2001/9/27)、19人の顔写真はFBIのHP上に公開され、その後変更されていない。(表中のリンクを参照のこと)
ところが、2001年9月20日に早くも「物言い」がついている。ブッシュ大統領との会談後、サウジアラビアのファイサル(al-Faisal)外相は、「19人のうち、4人は無関係で生存している」と発表した。3日後の9月23日、BBCは5人目のWaleed Al-Shehri容疑者と、6人目のKahalid Al-Midhar容疑者が生きていると報道した。
BBC News:Hijack 'suspects' alive and well (2001/9/23)
Saudi Arabian pilot Waleed Al Shehri was one of five men that the FBI said had deliberately crashed American Airlines flight 11 into the World Trade Centre on 11 September.<中略>Now he is protesting his innocence from Casablanca, Morocco.
He told journalists there that he had nothing to do with the attacks on New York and Washington, and had been in Morocco when they happened. He has contacted both the Saudi and American authorities, according to Saudi press reports.<中略>
And there are suggestions that another suspect, Khalid Al Midhar, may also be alive.
【訳】サウジアラビアのパイロット、ワイード・アル・シェフリ氏は、9月11日にアメリカン航空11便を世界貿易センターに激突させた5人の1人として、FBIから名指しされた。その彼がモロッコのカサブランカで無実を訴えている。当日はモロッコにいたため、NYとワシントンのテロとは無関係だ、と報道陣に語った。もう1人の容疑者ハリド・アル・ミダル氏も生きているらしい。
He told journalists there that he had nothing to do with the attacks on New York and Washington, and had been in Morocco when they happened. He has contacted both the Saudi and American authorities, according to Saudi press reports.<中略>
And there are suggestions that another suspect, Khalid Al Midhar, may also be alive.
【訳】サウジアラビアのパイロット、ワイード・アル・シェフリ氏は、9月11日にアメリカン航空11便を世界貿易センターに激突させた5人の1人として、FBIから名指しされた。その彼がモロッコのカサブランカで無実を訴えている。当日はモロッコにいたため、NYとワシントンのテロとは無関係だ、と報道陣に語った。もう1人の容疑者ハリド・アル・ミダル氏も生きているらしい。
サウジアラビアのナエフ内相は、2001年9月23日に「19人のうち、7人のサウジアラビア人は無関係であり、消息も確認した」と発表している。さらに約1年後、主犯のモハメッド・アタも生存している、という報道まで現れた。
Gardian:Father insists alleged leader is still alive (2002/9/2)
The father of Mohammed Atta, the alleged ringleader of the September 11 attacks, said in an interview published yesterday that his son was still alive.
"He is hiding in a secret place so as not to be murdered by the US secret services," Mohammed el-Amir Atta, 66, told the German newspaper Bild am Sonntag. He also vehemently denied that his son - believed to have flown the first plane into the World Trade Centre - had taken part in the atrocities, blaming them instead on "American Christians". <中略>
"As I saw the picture of my son," he said, "I knew that he hadn't done it. My son called me the day after the attacks on September 12 at around midday. We spoke for two minutes about this and that."
"He didn't tell me where he was calling from. At that time neither of us knew anything about the attacks."
【訳】主犯格モハメッド・アタの父親は、ドイツ紙『ビルト・アム・ゾンターク』に、息子は生きている、と語った。「アメリカのシークレット・サービスの暗殺を恐れ、秘密の場所に隠れている」と明かし、息子が世界貿易センターへのテロに関与していない、アメリカのキリスト教徒の責任だ、としている。「息子の顔写真を見たときに、犯人は息子ではない、とわかっていた。事件の翌日9月12日の日中に息子から電話があり、2分間話をした。どこから電話してきたのかは、わからない。そのときはお互いにテロのことを知らなかった」という。
"He is hiding in a secret place so as not to be murdered by the US secret services," Mohammed el-Amir Atta, 66, told the German newspaper Bild am Sonntag. He also vehemently denied that his son - believed to have flown the first plane into the World Trade Centre - had taken part in the atrocities, blaming them instead on "American Christians". <中略>
"As I saw the picture of my son," he said, "I knew that he hadn't done it. My son called me the day after the attacks on September 12 at around midday. We spoke for two minutes about this and that."
"He didn't tell me where he was calling from. At that time neither of us knew anything about the attacks."
【訳】主犯格モハメッド・アタの父親は、ドイツ紙『ビルト・アム・ゾンターク』に、息子は生きている、と語った。「アメリカのシークレット・サービスの暗殺を恐れ、秘密の場所に隠れている」と明かし、息子が世界貿易センターへのテロに関与していない、アメリカのキリスト教徒の責任だ、としている。「息子の顔写真を見たときに、犯人は息子ではない、とわかっていた。事件の翌日9月12日の日中に息子から電話があり、2分間話をした。どこから電話してきたのかは、わからない。そのときはお互いにテロのことを知らなかった」という。
主犯格のアタ容疑者の場合は、1年後の父親による述懐なので差し引いて読まなければいけないが、事件の12日後(2001年9月23日)までに7人の生存が確認され、1人の生存が憶測されている。にもかかわらず、FBIもアメリカ政府も犯人を訂正しない。日本のマスコミでも完全な素通りではなかったか。
最初に貿易センターに突っ込んだ「AA11便」の場合は、5人ではなく、2人でハイジャックしたことになってしまった。万が一、主犯格のアタが生きているとなると、あの壮大なテロ事件の幕開けとなった最初の1機目は、たった1人でハイジャックされ、乗務員11人を押さえ込みながら、NY貿易センターに向かったことになる。
警察(FBI)発表を鵜呑みにしてはいけない。
追加(2006/8/5):「犯人の生存発表」の意味するところは、盗まれたIDが使われたということだ。よって「顔写真の犯人がいない」ことを意味しない。もちろん「顔写真のハイジャック犯がいる」という証拠もなにもない。
■追加1:「Al-Shehri」という名前がやたらと多いが・・・
最初に突入した「AA11便」に2人の「Al-Shehri(Shihri)」があるが、彼らは兄弟だ。
Arab News:Al-Shihri says sons missing for 10 months (2001/9/17)
Muhammad Ali Al-Shihri added that he did not know that his sons, Wael and Waleed, had traveled abroad, although he said that he had lost track of them some months ago.
Muhammad Ali Al-Shihri added that he did not know that his sons, Wael and Waleed, had traveled abroad, although he said that he had lost track of them some months ago.
■追加2:主犯Atta(アタ)の空港映像について
初出日時は不明だが、FBIのHPに、主犯Attaのポートランド空港映像がある。WIKIPEDIAの拡大映像はこちら。主犯AttaとAl-Omoriは一緒に行動し、ポートランドで1泊し、当日朝6:00に「ポートランド→ボストン」便に乗り、7:45に「ボストン→ロサンゼルス」AA11便に乗り、ハイジャックしたことになっている。
FBIは前日のポートランドでの動き、ならびポートランド空港での映像は公開しているが、肝心のボストン・ローガン空港での映像がない。ローガン空港の朝は混み合ってはいるが、犯人の2人は額に汗を流しながら、ギリギリで搭乗したことになっている。映像は必ずあるはずなのだが。
■追加3:ハイジャック犯の搭乗映像の初出は2004年7月21日
AP通信は、事件の2年10ヵ月後になって、ペンタゴン突入組のワシントン・ダレス空港搭乗の映像を入手した、という記事を掲載した。このような映像が3年近く、どうして公表されないのか。AP通信の記事は、「The 9-11 Commission Report」が発表される前日のリーク報道であり、政治的な臭いが漂っている。
■追加4:アタの父親は「息子は無関係」の前言撤回? CNNの印象操作記事?
CNN:Atta's father praises London bombs (2005/7/20)
El-Amir said the attacks in the United States and the July 7 attacks in London were the beginning of what would be a 50-year religious war, in which there would be many more fighters like his son.
El-Amir said the attacks in the United States and the July 7 attacks in London were the beginning of what would be a 50-year religious war, in which there would be many more fighters like his son.
■参考サイト: