なぜなのか。オーニシは乱射の件で4月18日に記事を書いている。Choe Sang-Hunと共同執筆という形で。
◆NYT:「South Koreans React to Shooting in Virginia」By CHOE SANG-HUN and NORIMITSU ONISHI(2007/4/18)
In 1994, when a 23-year-old South Korean student named Park Han Sang returned home from the United States and stabbed his parents to death and burned their bodies, many South Koreans deplored what they saw as a case of a young Korean spoiled by American pop culture.
Commentaries along those lines have not been much in evidence this time. Instead, Internet bloggers and newspaper columnists put blame on Americans’ relatively easy access to firearms. Private ownership of guns is banned in South Korea.
【訳】1994年のこと、アメリカから帰ってきたパク・ハンサン(23才)が両親を刺し殺して埋める事件があった。このとき多くの韓国人は、アメリカのポップカルチャに毒された青年の末路を嘆いた。
今回の事件ではこの手の論評はあまり見られず、ブロガーや新聞コラムニストはアメリカの銃社会を非難している。韓国では拳銃の所有が禁止されているのだ。
最後は韓国擁護、アメリカ非難で終わっている記事だ。日本を徹底的にこき下ろすオーニシは、韓国・中国の話になるといつもこの調子になので、その点はいわゆる「斜め上」でも予想の範囲内だ。
問題はそこではない。ニューヨークタイムズがデータベース検索から「オーニシ」をどうしてはずしたのか、だ。
- バージニア乱射のチョ・スンヒは、8才のときに韓国からアメリカに移住した。
- NYTのノリミツ・オーニシは、3才のときに市川(日本)からカナダに移住した。
あるいは、共同執筆のチュエ・サングン(Choe Sang-Hun)も韓国人または韓国系なので、「韓国人の記者」に注目が行かないように配慮したものか。そう思って「CHOE SANG-HUN」で検索をかけるとバージニア乱射関連で彼の記事はちゃんと出てくる。しかし、ここでもオーニシと共同執筆した4月18日の記事は検索されない。
そればかりか、「South Koreans React to Shooting in Virginia」とタイトルで検索しても表示されない。記事のキーワードで検索しても検索されない。つまり、問題の記事はNYTのあらゆる検索から除外されてしまったのだ。
データベースの入力のケアレスミスだろうか? おそらくそうではあるまい。日本を無差別乱射する英雄記者オーニシの出自は、ニューヨークタイムズにとっても開けてはならない「パンドラの箱」であるに違いない。
■つぶやき:「オーニシ」=「チュエ・サングン」という可能性も疑われたが、チュエ・サングンはKorea Herald(韓国の英字新聞)、AP通信韓国支局を歴任し、現在はニューヨークタイムズ(あるいは子会社のインターナショナル・ヘラルドトリビューン)に記事を書いている。