2007年10月27日

リンドン・ラルーシュが提唱する「A=432」のヴェルディ・ピッチ

シュタイナー学校の1〜2年生は、コロイ製のリコーダーやライア(小型ハープの一種)を使うことが多い。ペンタトニック(5音階)と「A(ラ)=432Hz」が特徴的だ。コロイのHPでは「太陽の音のチューニング(sun tone tuning)」という神秘的な言葉を使っている。

私はこの9月から子供のビオラレッスンに同席しているが、先生の使うチューニング・フォーク(音叉)も「A=432Hz」だ。これは作曲家ヴェルディが提唱したことから「ヴェルディ・ピッチ(Verdi tuning)」と呼ばれるもので、イタリアでは1884年に「A=432Hz」が法制化されている。

現在の「A=440Hz」は1939年のロンドン会議で国際標準となったものだ。432Hzは微妙に8Hzだけ低いが、これにこだわる理由は何であろうか。

ビオラの先生に言わせると、ミツバチの巣の前で440Hzを鳴らすとハチが攻撃的になり、432Hzでは穏やかになるという。432Hzを元にした音階は自然の調和音で、黄金比率や天体の運行とも関係があるという。本当だろうか。(ちなみに「sun tone tuning」で検索すると、惑星の周波数やチャクラの波動まで登場する)

さて、この「ヴェルディ・ピッチ」を現代に復活させようとしているのは、政治家・哲学者・社会活動家のリンドン・ラルーシュ(Lyndon H. LaRouche)だ。国際金融財閥を痛烈に批判する論客で、1976年以来8度にわたり米大統領選に出馬している。おそらく国策捜査であろうが、1988年に郵便詐欺と脱税で懲役15年を言い渡されたが、1994年に保釈され、現在も政治活動を続けている。(参考:ビデオはこちら日本語のサイトはこちら

リンドン・ラルーシュの妻が設立したシラー研究所(Schiller Institute)では、このヴェルディ・ピッチを「科学的ピッチ(scientific pitch)」と呼んでいる。1988年のミラノ署名運動を皮切りに「Aを432Hzに戻す」運動を続けているが、この「科学的」の意味合いがいまひとつわからない。若干関連がありそうに思えるのは以下のような説明だ。

現在、ピッチの高音暴走が続いている。ウィーン交響楽団とベルリン交響楽団は「A=448Hz」を採用しているが、ヴェルディの「A=432Hz」と比べて、半音の2/3ほど高い。バロックピッチの「A=415Hz」と比べると全音近く高い。つまり、かつての「ド」を「レ」で演奏していることになる。

これはとりわけ、オペラ歌手にとって大きな負担だ。かつてオペラは冬場の催しだったが、冷房の効いた夏場のホールで高音域を出す場合は、声帯を痛めないように細心の配慮がいる。

「A=432Hz」では「C=256Hz」となる。1715年のクレモナ製ストラディヴァリウスを検査したところ、このバイオリンが最大の共鳴を示すのは259Hzだという。この259Hzは「C=256Hz」に近い。楽器は製作当時の低いピッチを想定して作られているので、当時のピッチで演奏すると、倍音の数と量が一段とふえて、響きが大きく変わるという。

「256」という数字はコンピュータでもお馴染みの2の乗数だ。ハ長調の主音で、音階でも「ドレミファソラシド」と最初と最後を飾る「ド」が、2の乗数になるのは美しい。つまり「ド」の音は、1秒間に256、128、64、32、・・・、4、2、1回振動する音になる。

このことに自然の神秘と調和が感じられるかどうか。

■参考:
  • ライアーは432ヘルツ
  • NYT:As Pitch in Opera Rises, So Does Debate(1989/8/13)

  • posted by ヒロさん at 16:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ♪音楽たのしいなぁ

    2007年10月25日

    農業到る処「聖山」あり:モンサントの強欲な遺伝子組み換え戦略

    欧州では遺伝子組み換え(GM=genetically modified)作物への風当たりが強い。私の住む村はシュタイナーのバイオダイナミック農法(自然農法の1つ)が盛んなところなので、当然GMには全面的に反対している。さて、日本での危機感はどんなものか。

    ◆共同通信:「組み換え菜種、各地で自生 11府県、在来種と交雑の恐れ」(2007/10/5) (ネットソース:「遺伝子組み換え食品」2006-2007)
      特定の除草剤に耐性を持たせた米化学品大手モンサント社などの遺伝子組み換え菜種が、千葉や大阪、福岡など全国11府県で自生していることが、各地の生協などが今年実施した2件の調査で5日までに分かった。
      港での陸揚げ時や輸送途中で種子がこぼれ落ちて育ったとみられる。熊本県と鹿児島県では今回初めて見つかり、拡散が進んでいる実態がうかがえる。三重県内では国道付近の畑のあぜや水田でも確認され、耕作地に侵入しつつある現状も明らかになった。
      遺伝子組み換え菜種は、在来品種と交雑する「遺伝子汚染」の危険性や、近縁の白菜やカブ、高菜などと交雑する恐れが指摘されている。<中略>
      調査結果を総合すると、見つかったのはいずれも除草剤耐性の組み換え菜種で、モンサント社の品種が10県で、バイエルクロップサイエンス社(ドイツ)のものが10府県で見つかった。

    遺伝子組み換え種子を開発する企業には、モンサント(Monsanto)、バイエル・クロップサイエンス(Bayer CropScience)、ダウ・アグロサイエンシーズ(Dow AgroSciences)、パイオニア・ハイブレッド(Pioneer Hi-Bred)、シンジェンタ・シーズ(Syngenta Seeds)、デュポン(DuPont)などがある。それぞれが開発する種子と特性はこちらの表を参照のこと。

    遺伝子組換え作物は1996年にアメリカで大豆の栽培が始められて以降着々と普及してきた。2004年の時点で、アメリカで生産される大豆の85%、菜種(カノーラ)の85%、綿の75%、トウモロコシの50%を占める。とりわけ圧倒的な市場シェアを持つのが大豆・菜種・綿の90%以上を独占するモンサント社だ。

    日本では2001年から納豆・味噌・豆腐・醤油などに「使用」「不分別」「不使用」の表示が義務付けられるようになった。ただし「不使用」の定義は「遺伝子組み換え原料の混入が5%未満」であり、EUの0.9%と比べて基準が甘い。「遺伝子組み換えしていません」の表示があっても混入していないことを意味しない。

    日本の大豆消費は2003年統計で96%(517万トン)を輸入に頼っており、うち75%(386万トン)はアメリカから輸入している。あなたが今朝食べた納豆にもモンサントの大豆が入っている可能性は濃厚だ。

    日本:「有機」大豆製品に遺伝子組み換え原料が含まれていることが検査の結果明らかに(2003/6/3)
    日本の政府関係者は最近の検査で、「有機」醤油製品の30%に遺伝子組み換え原料が使われていることを検出した。政府が検査した80の製品のうち、25製品に遺伝子組み換え大豆が含まれていた。豆腐はその中でも最も汚染の疑いがあり、遺伝子組み換えテストでは、20もの製品に陽性反応が認められた。納豆製品も5製品が汚染されていることが確認された。(just-food.comより)

    アメリカの大豆の80%がモンサント製だ。わが社の製品が混入したことをもって「汚染」とは何ごとか、とモンサントは言うかもしれない。しかしながら、環境活動家にとってモンサントという会社そのものがろくでもない存在なのだ。

    この会社の最初の開発商品は人工甘味料サッカリン(1901年)で、続く商品はひたすらコカコーラに貢ぐカフェインとバニラ香料の製造。1940年代からは甘味料アスパルテームやPCB(ポリ塩化ビフェニール)を開発。1960〜70年代には、ベトナム戦争向けにダイオキシン含有の枯葉剤「オレンジ剤」を生産。そして80年代からは遺伝子組み換えに精を出している。

    遺伝子組み換えといっても、大豆の味がおいしくなるとか、産量が2倍に上がるとか、そのような代物ではない。ベトナム戦争でダイオキシン含有の「枯葉剤」を撒き散らした経歴からもわかる通り、モンサントのお得意は植物を枯らせることにあり、汎用性除草剤「ラウンドアップ」などを製造している。モンサントの遺伝子組み換えの主目的は、この除草剤の影響を受けない大豆・菜種・綿を開発することにあった。

    つまりモンサントの商売の基本は、自分たちの「除草剤(ラウンドアップ)」を売るために「除草剤に耐性の高い種(ラウンドアップ・レディー)」を抱き合わせで売りつけることにある。大豆・菜種・綿そのものの産量が上がるわけではないが、除草の手間が大幅に省けることで、生産コストの引き下げに貢献できるという理屈だ。

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    北米の大豆・菜種・綿の種子市場をほぼ独占したモンサントだが、独占にいたる手法があまりにもえげつない。遺伝子組み換えの種には特許があるが、このような種は近所の農家に混入したり、輸送中に道端に転げ落ちたり、花粉によって遠くに飛ばされることもあり得る。このような混入の経路やいきさつは一切問わず、混入が確認されると「金を払え、さもなくば訴える」と脅したてる。

    安田節子のGMOコラム「モンサント社の訴訟作戦」(2003/7/29)
      7月始め、東京で講演したモンサント社と戦うカナダの農民パーシー・シュマイザー氏によると、北アメリカで、農民に対してモ社が起こした訴訟は550件にものぼるといいます。
      モ社は、組み換え種子の特許権を最大限に活用する戦略を展開しています。それは、遺伝子組み換え種子を一度買った農家には、自家採種や種子保存を禁じ、毎年確実に種子を買わせる契約を結び、そうでない農家には突然特許権侵害の脅しの手紙を送りつけるというものです。
      その手紙は、特許のある組み換え作物が、農家の畑に存在することが確認された(農家からいえば、汚染を受けたことになるのだが)ので、賠償金を払わなければ訴訟に持ち込む、という内容になっている。
      このような脅しを受けている農家が、米国国内では推定400人ほどいるといいます。(CropChoice.com News)汚染を受けた被害者は農家のほうなのだから、裁判で戦えば勝てるのではないかと常識的に思うのですが、ほとんど法廷に持ち込まれることはないといいます。農民のほとんどは、モンサント社との裁判を簡単に諦め、示談金を払うしかないからです。
      巨大企業モンサント社に対抗して裁判闘争を始めた場合、まず弁護士費用が大きな負担になります。シュマイザー氏の場合、これまでに弁護士費用だけで2700万円を使っているといいます。
      さらに米国国内の場合、モンサント社の特許使用契約書にある条項によって、モンサント社は本社があるミズーリ州の法廷に持ち込めます。このため、何千マイルも離れた地域の農民に、巨額の法的手数料が追加されることになるのです。

    モンサントは不正使用通報(密告)の専用ダイヤルを設け、「モンサント警察」という私立探偵まがいの調査員を各地に派遣していた。種子の不正使用が見つかると「○○万ドルを払え、さもなくば訴訟を起こす」「この手紙のことを口外してはならない」という高圧的な書状を送付していたという。支払いに同意すると「モンサント警察の向こう3年間の査察調査を受け入れる」などの条項を呑まなければならない。

    シュマイザーさんは花粉による混入を主張したが、混入の経路を問わず「種子を使用した責任はある」とされ、1審と2審で敗訴、1998年以降の売上全額の支払いを命じられている。だが、2004年5月に結審した最高裁判決では「5対4」で敗訴したものの、売上支払いとモンサント側弁護費用の支払いは免除され、経済的な破綻は免れた。

    裁判所の解釈によれば、モンサントの種(ラウンドアップ・レディー)はモンサントの除草剤(ラウンドアップ)と併用してこそ意味があるのに、シュマイザーさんはこの除草剤を1度も使用したことがない。よって、特許の「不正使用」で利益を得ておらず、売上を賠償金として支払う義務はない、というものだった。

    シュマイザーさんはその後、世界各地で講演しているが、とりわけアフリカなど法整備や農民保護が未熟な地域を狙ってこのような特許商法が使われることを「新植民地主義」として警鐘を鳴らしている。

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    GM拡大戦略には陰り出てきている。除草剤ラウンドアップに耐性をもつGM小麦の開発も進めていたが、採算が見込めないため2005年に中断を決定している。

    モンサント、近々のGM小麦開発計画復活はない 利益本位の農業バイテク開発に疑念
      モンサント社は、同社のラウンドアップ除草剤に耐性をもつラウンドアップ小麦を6年間にわたってフィールド実験、多額の資金をその開発に注ぎ込んできた。それは、巨大多国籍種子企業のGM種子による世界種子市場、従ってまた世界の農業生産・食料供給システムの制覇という当初の野望の実現のカギを握ると見られている。しかし、中心的食料作物の遺伝子操作に対する世界中の消費者の警戒が高まるなかで、その開発計画の中断に追い込まれている。カナダと米国での商業栽培許可申請を取り下げた。副社長は、「来年には復活させる?それは高度にありそうにない」と語ったという。

    しかし、2006年8月にデルタ&パイン・ランド社(Delta and Pine Land)を買収したことで、再び世界中から警戒されている。この会社は1998年3月に米農務省と共同で「ターミネーター種子」の特許を取得している。(参考:2002年にはシンジェンタとデュポンもターミネーター特許を取得

    「ターミネーター特許」とはシュワルツネガーの映画よろしく、マスコミがセンセーショナルにつけた名前で、作物遺伝発現の抑制に関する特許だ。簡単にいえば、収穫した種は食用にはできるが、植えても発芽しないという技術を指す。

    崩された安全性、遺伝子組み換え食品(1999)
    簡単にいうと、種子を死滅させる毒性タンパクを作る遺伝子を組み込み、さらにその遺伝子が2回目の発芽の前に働くようにコントロールするためにいくつもの遺伝子を組み込んだものということになる。

    ターミネーターを使えば、農民は例外なくモンサントから毎年種子を買うしかない。収穫の種を翌年のために保存するという数千年の農習慣を破壊し、農民を飼い殺しにできる。さらに、この毒性タンパクなるものが果たして安全なのかどうかもわからない。

    モンサントに対する米FDA(食品医薬品局)の許認可は杜撰だ。アメリカで安全と謳わて、カナダで禁止されているものもある。欧州はさらに厳しい。(参考:オーストリア、モンサントのGMナタネの輸入を禁止(2006/1/23)

    日刊ベリタ:遺伝子組み換え問題(2007/10/04)
    フランスの専門家ら モンサント社の殺虫遺伝子トウモロコシで腎臓や肝臓に悪影響(河田昌東)
      殺虫遺伝子トウモロコシMON863は、動物の腎臓や肝臓に悪影響をおよぼすとするフランスの専門家らの論文が公表されました。EU委員会が市民の反対を押し切って2006年に認可したことをきっかけに、モンサント社の申請書を再検討した結果、明らかになりました。この組み換えトウモロコシは、02年に日本でも認可されています。(『消費者リポート』特約)


    Reporters Blow Whistle on FOX News(10分)
    モンサントはさらに、牛の乳の分泌を促進する牛成長ホルモンを開発・販売しているが、このホルモンを安全性に疑問を投げかけたTV調査番組に圧力をかけた実績をもつ。

    FOXニュースの調査系番組『Investigator』のレポーター(Steve Wilson/Jane Akre)が、モンサントから要求を受け入れ、放映を8ヵ月引き延ばた末に、83回のスクリプトの書き直しで番組を骨抜きにしたFOX経営陣を告発している。

    余談だが、ルパート・マードックのFOXニューズは、アメリカのTV局の中でもやらせ報道・歪曲報道の最先端をいく会社で、ブッシュ政権のネオコン派のためのテレビと言ってもいい。経営陣の指示に従わず辞めさせられたジャーナリストなどがビデオ「Outfoxed:Rupert Murdoch's War on Journalism」で内情を暴露しているのでこれも面白い。タイトルは「FOXに騙された:ジャーナリズム(を破壊する)ルパート・マードックの戦い」といった意味だ。

    FOX番組『Investigator』のレポーターによれば、モンサントの牛成長ホルモンの毒性チェックでは、ラットを使った90日の実験しか行っておらず、問題のホルモンが人体に吸収される可能性があるといっている。

    さて、モンサントはこの牛成長ホルモンでも訴訟で忙しい。

    WIRED VISION:牛乳の「人工ホルモン不使用」表示は不当か(上) (2003/9/18)
      このホルモン剤を使わないという選択が、競争力をつける1つの道だと考える酪農家も多い。業者によっては、rBSTを使わない牛乳を特別価格で引き取るからだ。また、rBSTが人体に安全だという調査結果があっても、「100%天然」の製品を選ぶ消費者は増えている。
      rBSTを使わない酪農家たちは、自分の製品にはっきり表示したいと考えている。しかしモンサント社の幹部たちは、「rBST不使用」という表示は誤解を招くだけでなく、消費者をだます不正行為だと主張する。同社は最近、このような表示をした乳製品メーカーを訴えている
      メイン州のオークハースト・デアリー社は自社の牛乳に「酪農家の誓い――人工ホルモン不使用(写真)」と表示した。これに対しモンサント社の訴状は、この表示はオークハースト社の牛乳がrBSTを投与された牛の乳よりも優れているという印象を与え、モンサント社の事業を不当に損なうものだと述べている。

    ■■■■■■十■■■■■■  

    悪い評判ばかりが多いモンサントは、日本におけるコメの遺伝子組み換えも今のところ中断している。が、お隣の中国やフィリピンではバイエル製とみられるGMコメが出回っているので、要注意だ。

  • Greenpeace:中国産、違法遺伝子組み換えコメ、欧州で見つかる(2006/09/05)
  • 日刊ベリタ:比で遺伝子組み換えの米国産のコメが流通(2006/11/29)
  • エブロ・プレバ社(スペインの食品加工会社)、米国産米の輸入を停止(2006/10/16)

    ■参考:世界のGM地図
    右の地図はGM作物が席巻している地域。北米は完全に「支配下」に入っている。南米も盛んだが、アルゼンチンなど特許料の支払いを拒否している国もあるので、ビジネスとしておいしいかどうかわからない。一方、不気味なのはサーズ(SARD)であれなんであれ、何が起こっているわからない中国だ。

    ■モンサントの由来
    創業者の妻の旧姓モンサントに由来する。モンサントは「聖なる山」の意味。

    ■今日の格言(せいざん=墓場)
    「じんかん、いたるところせいざんあり」
      人間はその気になれば何処ででも死ねるということ。また、そうであるから故郷を離れ世界に雄飛するのに躊躇してはいけないということ。

    「のうぎょう、いたるところせいざんあり」
      GM種子は、その気になれば何処ででも環境を破壊することができる。また、そうであるから儲けられるうちに世界中で種をばらまいて、訴訟を仕掛けまくって儲けることに躊躇してはいけない。後は野となれ、山となれ。

  • posted by ヒロさん at 08:08 | Comment(4) | TrackBack(2) | サイエンス+数学

    2007年10月19日

    イギリスの離婚率、オーストリアの離婚メッセ

    グリム童話には継母(ままはは)がよく登場するが、イギリス人と子供の話をすると継子(ままこ)が数多く登場する。こちらが特に詮索したわけでもないのに、「あの子は娘じゃなくて、まま娘なの」(She is not a daughter but a step-daughter.)とわざわざ説明してくれたりする。

    イギリスはヨーロッパの中で離婚率が高いかどうか。こちらのデータではヨーロッパではロシアが断トツで、ウクライナ、チェコ、ベルギー、デンマーク、フィンランドに続いて、イギリスが後を追う。(参考:主要国の離婚率の推移グラフ

    一方、経済社会データランキングを引用した以下の記事では、以下のようになっている。

    超絶世界最長夫婦 長続きの秘訣は「ケンカしないこと」
    イギリスの離婚率は52.7%。結婚後平均約11年で離婚に至っているという。ちなみに日本は離婚率33.1%で、離婚に至るまでは平均約10年。最多離婚率の国はベルギーで59.8%、平均最短離婚年数の国はアメリカで約7年。(経済社会データランキング)

    中学の父兄会に行くと、過半数は離婚経験者となる。イギリスのシュタイナー学校でもこの数値は経験的に正しい。

    地球はとっても丸い:「離婚率世界第二位のスウェーデンの家族は複雑です」
    スウェーデンの離婚率は、2000年のデータによると実に54%で、OECD加盟国中第二位(一位はベルギーの60%)。

    OECD加盟国では、ベルギーが1位で、スウェーデンが2位となっている。統計の取り方によって数値はさまざまだが、北欧・プロテスタントの国で別れる率が高く、南欧・カソリックの国では低いことはまちがいない。

    世界の離婚率 / 離婚-コラム
     ドイツ、フランスは日本と大体同じくらいの離婚率です。
     意外に離婚率が高いのが紳士の国イギリスで約3%となっており、EU諸国の中でも高くなっています。イギリスは女性の社会進出が進み経済的に自立した女性が多く「何も無理してまで」と考える人が多いようです。逆にシニア世代の離婚率は低くなっています。
     北欧諸国の離婚率は全般的に高いと言われており、大体日本とイギリスの中間くらいです。やはり社会福祉が進んでいるため女性が自立できる環境が整っていることが離婚率を押し上げる原因と考えられます。また医者や教員などの仕事を持っている女性の離婚率はさらに高くなっています。
     意外なのはイタリアです。伊達男が初対面の女性に対して「僕は君を愛するために生まれてきたんだ」とささやくお国柄、さぞかし離婚率も高いと思いきや、0.7%前後とダントツの低さになっています。

    大恋愛のあとに、末永く連れ合いたい方はイタリア人がいいかもしれない。イギリス(52.7%)は特に断トツではないが、ベルギー(59.8%)といい勝負で、日本の1.5倍程度と考えていいだろう。

    離婚絡みで最近ちょっと驚いたのはオーストリアのニュースだ。いろんなテーマのメッセがあるとはいえ、離婚メッセがビジネスになっているとは!

    ドイツニュースダイジェスト:世界初「離婚メッセ」開催
     英国52.7%、ドイツ44.3%、フランス 40.9%、日本33.1% ──。さてこの数字は何を指しているのだろうか。各国の内閣支持率?いえ、ずばり答えは離婚率なのであ る(「経済社会データランキング2000年」より)。欧州ではほぼ2組に1組が離婚するというこのご時世、機は熟したと言わんばかりにオーストリアで今月末、世界初の「離婚メッセ(見本市)」が開催されることになり話題を呼んでいる。
     メッセといえば、IT、車、観光、アートに食と、分野は星の数ほどあるけれど、「離婚」をテーマにしたものは前代未聞だ。主催者であり、この妙案を思い付いたのは、なんとこれまで「結婚メッセ」を手掛けていたというアントン・バルツさん。オーストリアの離婚率は48.9%、首都ウィーンに限ればなんと65.9%に上るというから、とっても「おいしい市場」に目を付けたというわけだ。
     「新たな人生を始めよう(Starte Neu)」と名付けられたこのメッセ。会場には弁護士や公証人、仲介人、そして精神科医までがずらりとブースを張り、離婚の際の複雑な手続きから心のケアまで、しっかり面倒を見てくれる。でもそれはあくまで第1ステージにすぎない。タイトルにもある通り、このメッセの売りは、忌まわしい過去を振り切り、輝ける未来に向けて第一歩を踏み出そうとしているバツイチさんたちのお手伝いをすること。第2の人生のパートナーとの新生活の準備を早くも着々と進めている人のために、不動産業者や車の販売ディーラー、旅行会社までが至れり尽くせりのサービスを提供してくれるというから驚きだ。
     「でも、今この世で誰よりも会いたくないエックスに会場でバッタリ鉢合わせってなことになったら最悪……」なんて不安がよぎっている方、その心配はご無用。メッセは週末に行われるが、土曜は「男性デー」、日曜は「女性デー」とキッパリ分けられている。
     ウィーンを皮切りに年内は計3カ所での開催が予定されており、参加はもちろんオース トリアだけでなく、どこの国からでも大歓迎。 未来のパートナー探しに利用してみるのも悪くないかも? www.scheidungsmesse.at

    年内の今後の予定は、ウィーンでは10月27日−28日、オーバーエスターライヒでは11月17日−18日。関心のある方はオーストリアに直行!

    posted by ヒロさん at 08:22 | Comment(1) | TrackBack(0) | イギリス見聞録

    2007年10月16日

    日本テレビが「ツインタワー崩壊の疑惑を追え」を放映

    Googleビデオのリンクがいつまで持つかわからないが、昨日10月15日のゴールデンアワーの時間帯に、日本テレビの「世界まる見え!テレビ特捜部」(ビートたけし司会)が、ツインタワー崩壊疑惑の番組を放映した。

    私は最初、てっきりテレビ朝日だと思っていたのだが、放映したのは読売系の日本テレビだ。アメリカ政府に対して忠犬ハチ公を演じてきた読売グループがこのような番組を放映したことは、日本の保守派にも徐々に変化の波が押し寄せている証とみる。



    2006年9月に日本で開かれた「911真相究明会議」では、週刊金曜日に加えて、水と油の関係なはずの扶桑社もスポンサーとして参加し、時代のさきがけをみた。

    最近になって、池田信夫ブログで「CIAと岸信介」が話題に上るようになっている。中国・朝鮮・ロシアを批判するが、アメリカだけは護符のように妄信している多数の右派ブログも、そろそろ目覚める時間だ。

    ■参考:
  • ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報:『WTC制御解体について日本でゴールデンタイムで特集される』(2007/10/16)
  • ヒロさん日記:『WTC1、2、7の制御解体を示す「911 Mysteries」』(2006/9/17)
  • 阿修羅:『オーストリアで8月に放送された「911 MYSTERIES」』(とかげのおっさん)(2007/9/27)
  • 池田信夫 blog:『CIAと岸信介』(2007/9/4)
  • 池田信夫 blog:『CIAが「統治」した戦後の日本』(2007/9/27)

  • posted by ヒロさん at 10:39 | Comment(14) | TrackBack(1) | 911真相究明

    泣く子も黙る、ラララとベロベロバーの研究

    関西では「泣く子も黙る」という中古ピアノ買取・販売のタケモトピアノのCMだ。2年前に「ピアノは日本人として常識のたしなみ」のコメントで教えてもらった話だが、いままで1度も見たことがなかったので、鑑賞してみることにする。

    www.youtube.com/watch?v=_JWqH6BxBdU(29秒)


    私の配偶者(関西人)によると、このCMは90年代初頭よりえげつなく繰り返されているのでうんざりだという。が、北日本・東日本・海外の方は初めての人がいるかもしれない。一見月並みなCMだが、エーンと泣いている赤ちゃんを一発で黙らせる山口組並の効果がある。TV番組「探偵!ナイトスクープ」が取り上げて話題になったが、この番組で解析を担当した日本音響研究所によると、

    1)財津一郎の「ピアノ売ってちょーだい」が440Hz付近で、
    2)音楽の途中でリズムが変わり、音がランダムで飽きさせない、

    などがポイントだ。

    440Hzは音階では「ラ」にあたり、時報の音や、オーケストラの調律にも使われる不思議な「波動」だ。赤ん坊の泣き声はこの周波数に近い。また、角田忠信(かどただだのぶ)の研究では、この周波数は右脳と左脳の機能を反転させる「スイッチ」にも関係しているとか、いないとか。

    こんなCMを使わなくても、子供あやしが上手なお父さん・お母さんは、440Hz前後のうわずった声で赤ちゃんに話かけているだろうし、次から次へと変幻自在のベロベロバーに長けていることだろう。しかし、わたしゃ音痴で一本気というご家庭では、このCMがきっかけとなって開発されたベビー用品を買ってしまうかもしれない。

    ITmedia +D LifeStyle:赤ちゃんがケロっと泣きやむスイッチの秘密 (1/2) (2006/5/23)
    ぬいぐるみのボタンを押すと、ぐずっていた赤ちゃんがケロっと泣きやむ――画期的なベビー用品「赤ちゃんけろっとスイッチ」をタカラトミーが発売する。にわかに信じがたい話だが、その効果が本当なら赤ちゃんのぐずり泣きに悩まされている全国のパパ・ママにとっては朗報だろう。

    2006年にタカラトミーが発売したという「赤ちゃんけろっとスイッチ」で、ディズニーにキャラクターなどに仕込まれている。途中で急に曲のテンポが変わったり、合いの手のように動物の鳴き声が入ったりするという。

    ただし・・・

    ITmedia +D LifeStyle:赤ちゃんがケロっと泣きやむスイッチの秘密 (2/2)
    「たとえば、生理的な要因で赤ちゃんが泣いている場合には、まず原因を取り除いてあげることが大切です。空腹やおむつの汚れで泣いている赤ちゃんに音楽を聴かせても効果が薄いことは、モニター調査の結果からも明らかです。まずは赤ちゃんをだっこするなどのコミュニケーションを大切にして、それでも原因が分からずに困ったときはスイッチを押して、赤ちゃんのご機嫌を直す“きっかけ”にしてもらいたいですね」。

    この手の音楽を車の中の赤ん坊に聞かせ、自分は3時間パチンコへ・・・みたいことはやらないように。掃除機や洗濯機の音で泣き止むという赤ちゃんもいるそうなので、440Hzの「ラララ」ばかりが癒しの音楽ではない。

    ■ラララの話
    私が大学のときに大枚をはたいて買ったリコーダー(デンナーモデル)は、「ラ=415Hz」と半音低いバロックピッチになっているので、ピアノやギターとの共演ができない。フルートの前身のトラベルソーという楽器を調べると「ラ=392Hz」のベルサイユピッチもあった。さらに時代を遡ると「ラ=466Hz」のルネサンスピッチもある。現在、オーケストラの調音ピッチは少しずつ上がっており、N饗は「ラ=442Hz」で、ベルリンフィルは「ラ=446Hz」だ。

    ■これは面白い!
  • 絶対音感にすぐれた人はラの音だけ間違えやすい (サイエンスものおきば)

    ■絶対音感は女性が優位
    絶対音感にみる音楽認知の傾向と問題(pdfファイル)
    絶対音感の出現率が女性は40%、男性が10%で実に4 倍に及ぶ。これを単なる「幼児期の学習経験の差である」と答えるのはたやすい事であるが、ここ数年来、脳研究がMRI(magnetic resonance imager)等の最新の診断装置により、生きて活動している状態を観察できるようになり、男性と女性では左右の脳を繋ぐ「脳梁」の太さの違いから思考パターンや認知のレベルに影響を与えているとの報告を聴くと、今後は脳の性差も考慮に入れて音感を見てゆく必要があると思われる。

  • posted by ヒロさん at 09:27 | Comment(3) | TrackBack(0) | ♪音楽たのしいなぁ
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