www.youtube.com/watch?v=_3HxdtD4zRc(1分) |
広告は誰を対象に、どこに落とし込むのか、マーケティング担当者はいつも策を練っている。このようなCMが仮に大当たりの力作だとしても、ビデオ録画の「CMスキップ機能」を使われると日の目を見ることはない。
そこで最近活発になっているのが、映画やTV番組の中にさりげなく(あるいは露骨に)商品を挿入する「プロダクトプレイスメント(Product Placement)」という手法だ。この起源、源流については、いろいろと言いたい人がいる。
- ジャパニメーションの金字塔「AKIRA:アキラ」。「AKIRA:アキラ」はプロダクトプレイスメントの先駆者的存在でもあったと思います。金田の赤いバイクに貼り付けられたステッカー。「成田山」「Canon」「SHOEI」「HONDA」「CITIZEN」「Arai」「BMW」・・・は印象に残っています。思えばこれが「プロダクトプレイスメント」だったのか・・・と。(ソース:2006/10/21)
- 1966年のアニメ「ハリスの旋風」だ。主人公石田国松の通う学校の名「ハリス学園」が、提供するハリス製菓からとられていただけでなく、毎回国松がガムをかむシーンがあったのだ。(ソース:2004/11/10)
- 実際に用いられた最初のPPはスティーブン・スピルバーグ監督の「E.T.」。作中で、少女がE.T.にチョコレートキャンディをあげるシーンだと言われている。(ソース:2006/9/16)
- 初めてPPを起用した映画は1951年の名作アフリカの女王 だったと言われている。キャサリン・ヘップバーン扮するローズが、チャーリー(ハンフリー・ボガート)のGordon's Dry Ginのボトルを投げるシーンがそれである。(2005/5/31)
こういう商品広告はさりげないうちはいいが「わざとらしく」なると逆効果になる。
◆立てば困惑座れば欺瞞歩く姿は木瓜の花(2005/5/31)
数週間前テレビでトム・ハンクス主演映画キャスト・アウェイ をやっていた。他に何もやっていなかったので何気なく観ていたが、最初の10分くらいで嫌気が差し、私はテレビを消した。内容に興味がなかったというのもあるが、何よりも癪にさわったのが、映画中のしつこいFedExの宣伝である。ご存知ない方のために少し説明するが、この映画はFedExのビジネスマン(ハンクス)が飛行機事故にあい、無人島で遭難してしまうというストーリーである。
あーらら、こーらら、けーしちゃった、けーしちゃった。このブログ主のジョークは結構面白いので、以下にも引用。
中でも際立って酷いのが007シリーズのダイ・アナザー・デイ 。この映画で007はBritish Airwaysの飛行機に乗り、Omega腕時計を付け、Samsoniteのスーツケースを持ち、Sonyのコンピューターを使い、アストンマーティン車を運転する。映画というより2時間CMを観ているようである。<中略>とにかくしつこいPPのせいで観るに耐えない作品に仕上がってしまっている。これじゃジェームス・ボンド改め,「商業主義を愛したスパイ」である。ゴールデンアイ なんかじゃなくて「ゴールデンアド」である。ダイ・アナザー・デイ じゃなくて「バイ・アナザー・デイ」である。ロシアより愛をこめて じゃなくて・・・ヽ(゚Д゚ )モウイイカラ。
そもそも007シリーズ自体が、英諜報部MI6のイメージをよくする宣伝小説・映画だからね。で、消費者はこういう「わざとらしさ」に気づき始めているので、最近の映画『ダージリン急行』のように、居直りの露骨一色の路線もある。ルイヴィトンと全面的にタイアップしたこの映画では、プレイスメントどころか、ルイヴィトンの高級カバンが“主人公”だ。
もう1つのトレンドは、毎回同じセッティングのスタジオショーやドタバタ系コメディに、特定の商品をさりげなく置いておくこと。さらにそれをCGで編集すること。つまり、動きのない置物商品の場合は、あとから編集して画像を貼るだけでいい、ということだ。
マスコミの記事で警戒するべきは、いわゆるタイアップ記事がいっぱいあって、「1つの事例として・・・」と具体名で書かれるときは、しっかりとタイアップであったりする。これを「プロダクトプレイスメント記事」とでも呼んでおこう。
ともあれ、広告における商品の置きどころは、消費者にとっても非常にセンシティブで、「いかにも」の匂いがプンプンだったりするので、お気をつけあそばせ。

■おまけ:「逆プロダクトプレイスメント」というのもある (2007/4/12)
TVでパブリシティが出ていたが、「顔がいのちの〜♪」のCMでお馴染みの株式会社吉徳より、映画「スターウォーズ」に登場するダース・ベイダーの鎧飾りが発売されている。映画の中に登場した現実にはないアイテムを商品化することを「リバース・プロダクト・プレイスメント」というらしい。