2009年04月25日

セックスと嘘とDVD・・・スクリプト付きでお楽しみあれ

高校英語の授業で『Spirited Away(千と千尋の神隠し)』を使ってみた。

パパ ― Look, Chihiro, there is your new school. It looks great, doesn't it?
ママ ― It doesn't look so bad.
千尋 ― It's gonna stink. I liked my old school.

車の中で交わされる冒頭の会話だが、「stinkって何ですか」という質問が入ったので「これはsmellと同じで臭うって意味ですけどね・・・」と説明しようとすると、別の生徒から「stinkっていうのは子供が使う用語で、『しょぼい』みたいな意味のはず」といきなり先取り解説が入った。私は「no good」程度で説明するつもりだったが、いきなり「しょぼい」と来たか。帰国子女の多いクラスは恐るべし。

英語の最良の勉強法は、自分の大好きな映画またはドラマを英語と日本語で交互に見るに尽きる。2時間の映画の場合、アクションシーンが多いと会話を聞き取る練習としては効率が悪い。そこでお勧めできるのは、20〜25分ものの連続ドラマだ。

チョコレート好きの私が気になっていたのは『Sex and the City』。このTVドラマが映画化されたときに、イギリスでもチョコレートとタイアップで広告キャンペーンが張られた。子供がやってきたときに、このチョコの包み紙をそそくさとゴミ箱にしっかりまるめて捨てたのを覚えている(笑)。

ドラマのシーズン1を「Gyao」(映画・ドラマの無料視聴サイト)で見たあとに、YouTubeにころがっていた全シリーズをゲットした。

最近は便利になったもので、ほとんどすべてのスクリプト(台本)をネットでチェックすることができる。例えば、ドラマの中で「(彼を)じらしてるのよ」という字幕が入ったが、英語で聞き取れなかった。「じらす」は「play hard to get」がよく使われるが、もっと短い“何か”だった。

そこで Sex and the City Transcripts というサイトで調べると、「I'm a trailer」の訳と判明。映画の予告編の意味でよく使われる単語だが、本番は見てのお楽しみというわけだ。このサイトはオーディオも完備していおり、ドラマを1本見た後に、ここで音声だけを流しながら、スクリプト全文を目で追いながら復習することもできる。

こういった総ざらいの“復習”は、20分番組でこそできる芸当だ。40分ものになると、時間がかかりすぎて少々厳しい。2時間映画では、よっぽど暇でない限り不可能だ。

日本語吹き替え版のあるDVDを買えば、日本語の会話や英語の字幕も楽しむことができる。「Our smugness is a little premature.(得意になったつもりが、少々早計だった)」の部分が、「詰めが甘かった」という簡潔な名訳になっていたりと、感心することしきり。

『Sex and the City』は、コラムニスト、画廊アーティスト、弁護士、PR会社社長という30代半ばの女性4人が繰り広げる下ネタコメディ。ウィットと皮肉の会話が満載で、バブル崩壊前のニューヨークのさまざまな実写シーンを楽しむことができる。友人と見る場合は同性同士で見た方が無難かも。

下ネタをもっとカムフラージュしたい人は『Friends』がいいかもしれない。これは10年間続いた人気のシットコム(sitcom=situation comedy)で、観客を模した合成の笑い声が入る。以前『Full House』を購入したときに、この笑い声が馴染めずにシットコムはボツだったのだが、『フレンズ』には私の好きなジェニファー・アニストン(Jeniffer Aniston)が出演しており、見ている間に気にならなくなった。

思えば、マイケル・J・フォックスの『Family Ties』もシットコムだったが、マイケルのことが大好きだったので合成の笑い声は気にならなかった。『Family Ties』もすでにDVD化されている。

もう1つの私のお薦めは『Gilmore Girls』。主人公に扮するローレン・グラハム(Lauren Graham)が弾丸のようにしゃべりまくり、暴力的なシーンは皆無なので、ほのぼのと楽しめる。7シーズン続いた母娘のドラマだが、日本語化はこれからだ。

posted by ヒロさん at 21:19 | Comment(5) | TrackBack(0) | Learning English

2009年04月20日

スペイン語で読みたい、ジョー・ローリングの奇跡の物語

“ハリポタ”は1作目の「賢者の石」を映画で観ただけで、特に原作を読みたいと思ったことはなかった。だが最近、スペイン語教師もやることになったため、スペイン語のブラッシュアップもかねて『Harry Potter y la piedra filosofal』を手許において読んでいる。

これは図書館から借りている本なので、もうじき返却しなければならない。どこかにただのネットソースがないものか・・・と検索していたら、スペイン語版6冊のpdfファイルを発見した。スペイン語を勉強している人は、こちらと、こちらと、こちらと、こちらと、こちらと、こちらでお楽しみあれ。

離婚して生活保護を受け、子供の学費にも苦労していたジョー・ローリング(Joe Rowling)。1995年に『賢者の石』をほぼ完成させたが、パソコンすら持っていなかった。2つの出版代理人に原稿を送る際に、コピー代の費用を惜しんで、まったく同じものをタイピングで複製したというから驚きだ。秘書時代に鍛えたタイピング能力の賜か。

彼女の資産が100億円を超えた話は過去に聞いていたが、現在は何と1000億円を突破しているという。苦渋の時代の彼女に学費4000ポンド(60万円)を貸した友人は、その後、ローリングから5000万円の家をプレゼントしてもらった。情けは人のためならず。

posted by ヒロさん at 22:22 | Comment(1) | TrackBack(0) | Viva Español

2009年04月16日

「Site-R」接近による撃墜と、WTCのナノサーマイト爆砕

911テロ真相究明で新たな進展と思われるものを以下にまとめる。

■ユナイテッド93便の撃墜

軍事基地内でユナイテッド93便の撃墜命令が出される会話を聞いたという証言。入隊前に訓練を受けていた女性による告発的な証言で、2009年2月に録音インタビューされ、この4月に「Elizabeth Nelson: What really happened to Flight 93」としてスクリプトが全文公開された。

興味深い点が3つある。

  • 軍事基地の館内テレビ(CCTV)で、WTCに1機目が突入するときの映像がリアルタイムで流れていたということ。ブッシュ大統領が記者会見で、衝突映像がテレビで流される以前に「衝突映像を見た」とうっかり漏らしてしまったが、この謎のコメントはこれで説明がつく。

  • 衝突後10分以内に、基地内の全兵士に「武器を取れ」という命令が出されたこと。各基地は即座に、テロ攻撃の臨戦体制に入ったことを意味する。

  • 基地司令官と思われる人物が、電話でユナイテッド93便を撃墜する旨を話し合っていたこと。問題の航空機が「Site R」に向かっており、ここが攻撃されば米軍全体の機能が麻痺するためだという。Site-Rとは、メリーランド州とペンシルバニア州の州境付近にある「代替国家軍事指令センター(AJCC:Alternate Joint Communications Center)」のことで、核戦争などの非常事態時に“第2のペンタゴン”として機能する。この周辺は飛行禁止区域だ。

    ■WTCはナノサーマイトで爆破されたとする論文

    1年半以上の慎重な分析を続けた結果、WTCの崩落粉塵から「ナノサーマイト」の痕跡が見つかったという本格的な論文だ。タイトルは「Active Thermitic Material Discovered in Dust from the 9/11 World Trade Center Catastrophe」で、爆発物の写真もある。


    A danish scientist Niels Harrit, on nano-thermite
    in the WTC dust (English subtitles)(10分)
    これを受けて、デンマークの「TV2 News」が論文執筆者の1人(Niels Harrit)をスタジオに呼んでこの説を紹介し、話題が広がっている。

    TVアンカーマンが「今まで陰謀説は数多くあった。今回の説はどこが違うのか」と“陰謀論”扱いをしたのに対し、Niels Harrisは「世界中で数多くの人たちが陰謀説を追求してきた。最大の陰謀説は政府発表説だ。17人がハイジャックしたという物証がどこにあるのか」と切り返した。彼は、2年前にWTC7の崩落映像を見てから、本格的に真相究明に取り組み始めたという。「これはSmoking Gun(状況証拠)ではなく、Loaded Gun(実弾の物証)だ」と強調している。

    犯罪直後の現場で拳銃から「煙り」が立ちこめていれば、この拳銃は怪しい。だが、我々は実際の爆発物そのものである「実弾」を見つけたのだ、というわけだ。

  • posted by ヒロさん at 23:36 | Comment(6) | TrackBack(0) | 911真相究明

    2009年04月08日

    光のどけき春の日に、平泳ぎスクワットと蒸しタオル腹筋

    数日前にバスケットボールをプレイする夢を山ほど見た。あまりに激しいプレイだったので、目が覚めてからも息が切れていたほどだった。で、以前に「スクワットに賭ける青春、あるいは老後の人生」でも書いたように、徹底的に夢日記を記録し、夢分析した結果、私がバスケットボールの夢を見るときは例外なく、潜在意識からの「運動不足ですよ〜」というメッセージであることがわかった。

    現在、目を癒すための「蒸しタオル」をほぼ毎日やっている。固めに絞った濡れタオルをきれいにたたみ、電子レンジで2分弱のチンをして、目に当てるというものだ。以前は、熱湯を使っていたが、電子レンジの方が簡単だ。

    この電子レンジの待ち時間の間に、必ずスクワットをすることにしている。以前は20回程度で息切れだったが、森光子が80回近くを1日2回もやっていると聞いて、私も奮起した。

    スクワットにもバリエーションがあり、「ランジスクワット」とか、「相撲スクワット」とか、「カエルスクワット」とか、いろいろある。注目すべきは腕の置きどころだ。頭の後ろに置いたり、前に置いたりとやり方はいろいろあるが、腕が遊んでいるのが気になっていた。別途に腕振り運動をやってもいいが、なかなか時間がとれない。

    そこで思いついたのが、平泳ぎスクワット。水泳の平泳ぎのつもりで、伸びるときには垂直方向に腕を思いっきり伸ばし、空気を掻きながら身を縮めてスクワットを行う。水泳を長く続けている人は、肩こりに縁がないという話をよく聞く。私がデスクワークで肩が凝りやすいので、自分の部屋ですぐにできる「平泳ぎスクワット」は行けるなと直感し、数日前より続けている。

    ・・・と書いている間に、電子レンジで蒸しタオルができあがったので、横になってこのタオルを目に上に置く。目が温かいなぁ、気持ちがいいなぁと感じるだけだが、ただ寝ているのはもったいない。そこで、蒸しタオルの最中は必ず、腹筋運動をすることにしている。サイクル腹筋が私にはよさそうだ。

    この蒸しタオルは起床後にするとなかなかよい。目がスッキリして、視力がほんの少し上がる。零戦のパイロットは視力を上げるために日課としてやっていたとか。腹筋体操が終わったら、「ありがたいなぁ、ゆたかだなぁ、しあわせだなぁ」とほのぼのとした気持ちに浸る。起き上がる前に、タオルで目の周辺をマッサージし、目ヤニもお掃除、ついでに顔も拭いて、洗顔の代わりにしてしまう。

    というわけで、早起きとスクワットと蒸タオルは三文の得、一石数鳥。

    ■さらに百人一首も
    私は百人一首の通し番号を(記憶術のタグとして)使い、百首のすべてをすらすらと言えることを課題にしている。そこで、ときおり数字を数えるかわりに、上の句5字を言いながら泳いでいる。秋の田の(01)、春過ぎて(02)、足びきの(03)、田子の浦に(04)、奥山に(05)、かささぎの(06)・・・・と数えながら、満開の桜を眺めながら泳ぐ。風をそよぐ(98)、人もをし(99)、ももしきや(100)まで泳ぎ切れましたら、ご喝采。

    posted by ヒロさん at 01:10 | Comment(3) | TrackBack(0) | 視力回復への道

    2009年04月03日

    4割打者を消滅させた、プロ野球の偏差値問題

    イギリスに滞在中に生物学者グールドの英書は何度か手に取ってみたが、難解な言い回しに辟易し、冒頭で撤退せざるを得なかった。だが、日本語で入手した『フルハウス−生命の全容』は「四割打者の絶滅」という取り付きやすいテーマのおかげで何とか読むことができた。

    オリックスに登場したイチローは「打率4割」がささやかれたが、彼の最高打率は2000年の「.387」、次が1994年の「.385」だった。これが日本プロ野球の最高打率だろうと今まで思っていたが、さにあらず。最高はランディ・バース(阪神)が1986年に記録した「.389」だったとは!(Wiki:首位打者)

    アメリカの大リーグでは4割打者は19世紀末にもたくさんいたが、20世紀に入ってからは8選手による13回のみ。最高は1901年のナップ・ラジョイ(Nap Lajoie)で「.426」、最後の4割打者は1941年のテッド・ウィリアムズ(Ted Williams)で「.406」だった。(Wiki:4割打者)

    1941年以降に4割打者がピタリと消滅した理由について、さまざまな憶測が流れてきた。外的要因としては近代野球を取り巻く商業主義が挙げられた。

  • 1)試合の移動が多く、過密スケジュールになった (電通のおかげで、炎天下で戦うことになった日本サッカーを思い出せ!)
  • 2)ナイターが増えた (すなわち、打者にとってボールが見えにくくなった)
  • 3)多すぎる広報活動とマスコミの詮索主義 (記者会見に気を遣う松井がかわいそう)

    だが、何を言うか。交通手段は発達し、宿泊施設は近代的になり、クーラーまであるではないか。ナイターのおかげでダブルヘッダーも減り、涼しくプレーができる。マスコミなんて、イチローみたい無視すればいいじゃないか、との反論もある。

    いや違う。打率が上がらないのは、ピッチャーや守備の技術が向上したからだ。つまり野球の内部要因を指摘する人もいる。

  • 1)投手の能力が向上 (スライダーは打者に脅威、さらにリリーフ専門投手まで登場)
  • 2)守備力の向上 (昔のような薄っぺらいグラブじゃないぞ)
  • 3)管理野球の向上 (科学的野球、コンピュータ分析、乱数表、野村の狸おやじ)

    さて、どうだろう。投手や守備も向上したかもしれないが、バットやピッチングマシンなど打撃力も向上したはずだろうし、科学的野球は打者にも有利だろう、と反論される。

    で、これを調査したグールドの結論は、投手・守備も打撃力も一貫して向上している。1880年〜1920年は野球の黎明期であり、守備のフィールディング技術も低く、投手力も打撃力もバラつきが大きかった。つまり、標準偏差(バラツキ)が大きかったということだ。

    変異・偏差・バラツキが大きいもの同士を掛け合わせると、結果は富士山のようにすそ野の広い山型になりやすい。試験そのものに慣れていない生徒(たとえばシュタイナー学校の生徒)が試験に取り組む。その中で、先生の出題傾向をいち早く見抜いた生徒が1人だけいたとすると、テストの4割打者になって、偏差値92のような記録を残すかもしれない。

    だが黎明期が終わり、ゲーム全体の技術的要素が向上してくると、バラツキは減少し、統計的分布は富士山型から釣り鐘型に近づいていく。グールドの分析によると、ベスト打率は1920年以降に頭打ちになったが、ワースト打率も底上げになって平均に接近している。つまり、右も左も圧縮されて、釣り鐘状になったという分析だ。

    技術向上で「人間の限界」に接近すればするほど、標準偏差(バラツキ)は小さくなり、「末広がりの山」から「釣り鐘」に変化していく。失策率はわずかならがも年々下がっているので、プロ野球の単純ミスはどんどん減っている。技術を上げながら、標準化・科学的分析が進み、「遊び」「変異」「意外なこと」が減ってきた結果というわけだ。(サッカーの場合はどうなんだろう?)

    で、これが生物学や進化論とどう関係あるのか興味がある人は、グールドの本を読んでみてね。

  • posted by ヒロさん at 19:01 | Comment(4) | TrackBack(0) | サイエンス+数学
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