イギリスのインデペンデント紙が9月19日付で報道したため、ニュースは広がった。提訴日は不明だが、米ペンシルバニア州のトリビューン・デモクラット(Tribune Democrat)紙がすでに9月9日付で報道していることから、911の10周年を狙った真相究明派による提訴であろう。ロイズ保険は2008年時点で85のシンジケートから構成されており、訴えを起こしたのはイギリス南部のブライトンを本拠とするシンジケート「3500」だ。同シンジケートは911テロ関連で、2億1500万ドルの保険金を支払っていた。
訴えられていたのは、サウジ赤十字、ジェダに本拠を置く国営商業銀行(National Commercial Bank)、ラジ・バンキング&インベストメント(Al Rajhi Banking and Investment Co.)、コソボ・チェチェン救援のサウジアラビア合同委員会(SJRC: Saudi Joint Relief Committee for Kosovo and Chechnya)など。とりわけ、最後のSJRCは、1998〜2000年に国連援助を偽装しながら7400万ドルの資金をアルカイーダに流していたとされる。
これと連動するかのように、ジャーナリスト2人がマイアミ・ヘラルド紙とBrowardBulldog.orgに、フロリダ州でテロリストを支援していたと見られるサウジアラビア人一家が、911の2週間前に国外逃亡を図ったという記事を載せている。

911テロ後に容疑者に関する報道が次々に始まり、怪しんだ隣人やコミュニティーのセキュリティ担当がFBIに通報。当時、捜査を担当したFBI捜査官の話によれば、モハメド・アタなど12人のハイジャック犯と通話した電話記録があり、コミュニティ通過ゲートにも、モハメド・アタやジアド・ジャラーが問題の娘夫婦の自宅を訪ねた記録が残されているという。
彼らの失踪の時期は、モハメド・アタらがハイジャックしたとされる航空機のチケットを購入した時期とほぼ一致している。ハイジャック4機を操縦したとされる4人のうち3人がフロリダ州ベニスの飛行訓練センターに通っているが、このセンターは失踪夫婦の自宅から約15キロに位置している。
2004年大統領選の民主党候補にもなったフロリダ州選出のボブ・グラハム(Bob Graham)元上院議員は、当時FBIがサウジアラビア関与の捜査情報の提供で非協力的な姿勢を示したことを指摘すると同時に、「サウジアラビアの深い関わりに関して、新たな調査を開始するドアが開かれた」とマイアミ・ヘラルド紙に語っている。
以下は、この事件を取り上げたMSNBCの報道番組。マイアミ・ヘラルド紙に記事を書いたジャーナリストAnthony Summers とボブ・グラハム元上院議員が登場する。
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