『雑詩 其の一』
人生無根蒂|人生は根蒂無く
飄如陌上塵|飄として陌上の塵の如し
分散逐風轉|分散し風を追って転じ
此已非常身|此れ已に常の身に非ず
落地爲兄弟|地に落ちて兄弟と為る
何必骨肉親|何ぞ必ずしも骨肉の親のみならん
得歡當作樂|歓を得ては当に楽しみを作すべし
斗酒聚比鄰|斗酒 比隣(ひりん)を聚(あつ)む
盛年不重來|盛年 重ねて来たらず
一日難再晨|一日 再び晨(あした)なり難し
及時當勉勵|時に及んで当に勉励すべし
歳月不待人|歳月 人を待たず
作者は陶淵明(365〜427)。高校のときにやった漢文の読み下しは全然おもしろくなかったけれど、関西弁で訳してみると、なかなか味わいがある。
◆陶淵明の『雑詩其の一』、現代関西弁訳 (「えごいすとな思想」サイト)
『時間は待ってくれへんのやから』
人のイノチは根もヘタもないねん
支えになるようなモンはないねん
道ばたのホコリみたいに
風の吹くままアッチャコッチャ飛んでいくだけや
自分の姿でいるんでさえ出来へんのや
この世界に落ちてき仲間やから
みんな兄弟みたいなもんや
肉親だけやて限定したない
うれしいコトあったら
楽しみつくそやないか
ご近所さんを呼ぼうや
酒はいっぱい準備しヨ
若い時間は二度とない
一日に二回の朝もない
チャンスはちゃんとつかもうや
時間は待ってくれへんのやから
人のイノチは根もヘタもないねん
支えになるようなモンはないねん
道ばたのホコリみたいに
風の吹くままアッチャコッチャ飛んでいくだけや
自分の姿でいるんでさえ出来へんのや
この世界に落ちてき仲間やから
みんな兄弟みたいなもんや
肉親だけやて限定したない
うれしいコトあったら
楽しみつくそやないか
ご近所さんを呼ぼうや
酒はいっぱい準備しヨ
若い時間は二度とない
一日に二回の朝もない
チャンスはちゃんとつかもうや
時間は待ってくれへんのやから
最近、いろんな音楽活動に首を突っ込んでいると「音楽で元気を送る」とかみんな言ってるけど、そんなもの凄いパワーがあるんだったら、親子・兄弟・夫婦・友だち・元カレのシコリやわだかまりも吹っ飛ばせるよね? どうせ、あと数十年でこの世から消える兄弟姉妹なんだから、つまらんケンカはやめて、楽しく、仲良くいきましょ。
原文の「勉励」は「勉学に励む」という意味ではなく「行楽に精を出す」(上記訳では「チャンスはちゃんとつかもうや」)が正解。まじめな私は過去35年間、刻苦勉励、刻苦勉励、と騙されちゃいましたよ。歳月は人を待たない、だからこそ、酒飲んで、歌うたって、おおいに遊びましょうぞ!
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