2009年07月18日

怪しい血糖指数=グリセミック・インデックス(GI)の読み方

ある食品を食べたときに血糖値がどの程度変化するのか、その目安として開発されたのがGI(glycemic index 血糖指数)だ。ダイエット業界では、この数値の少ないものが腹持ちがよく、インシュリン分泌に負担をかけない食事として推奨する。ブドウ糖溶液や食パン・白米などを基準値(=100)に取り、摂取後2〜3時間における血糖値の総変化量を計算する。

あるGI一覧表を見ると、グラニュー糖110、蜂蜜88、メープルシロップ73、果糖22となっている。健康関連の本でも、砂糖(ショ糖)は「血糖値の上げ下げが最も激しい」として槍玉に上げられている。

一方、砂糖が血糖値を激しく上げるというのは“俗説”だと反論するサイトや書籍では、ブドウ糖100、ショ糖65、蜂蜜60、果糖15というGI値を紹介する。一体どちらが正しいのか?

両者は計算方法がまったく違うのだ。前者は@ブドウ糖溶液100ccを摂った場合を基準値とし、対象となるA食品100gの摂取でこれを比較している。後者はBブドウ糖50gの摂取を基準値とし、C糖質が50gになるように対象食品を摂取したときと比較する。

そもそも「@ブドウ糖溶液100cc」というのは、いったい何%濃度のブドウ糖溶液なのか。グラニュー糖(ショ糖)100gといえば、角砂糖20個ぐらいだが、これを一気に食べれば、血糖値の急上昇はまちがいない。が、ブドウ糖100gのパワーはもっとすごい。血糖値の上昇ではブドウ糖>ショ糖>果糖という順序は揺るぎない。

糖質の同等量で比較した場合、比較のために摂取する食品の量は多くなる。肉はそもそも比較が困難だ。野菜は大ボリュームになる。50gに近い摂取で済むのは小麦粉や餅米を使った砂糖&ブドウ糖液たっぷりのお菓子などに限る。この方式の比較では、ニンジンはショ糖よりも数値が高く、スナック菓子はダントツでトップランナーになる。

「GI値」は実に怪しい数値だ。定義や計算方法がまちまちだ。データ収集にあたっては、栄養学科の学生がアルバイトで被験者となることが多いという。そんな学生たちを基準に幅広い年令層や体格差・体質差をカバーできるのか。また、血糖値の変化ではなく、インシュリンの変化を調べないと意味がない、という批判もある。

以上を理解した上で、GI値の比較を楽しみたい。ネットにころがっているGI表には「トンデモ」もたくさんある。

  • ショ糖を110とする一覧表
  • ショ糖を60前後とする一覧表
  • 両者を混成したトンデモ一覧表の例 (氷砂糖100、ショ糖59、えっ!)


  • posted by ヒロさん at 21:28 | Comment(1) | TrackBack(0) | サイエンス+数学
    この記事へのコメント
    TITLE: 確立されていないGI値
    http://orthomolecule.jugem.jp/?eid=889 (2010/3/20)
     『GI値についてしらべると、まず驚いたものが日本人の食材にたいする確立されたGI値がないことでした。発表されているGI値で微妙に差があることや、日常の食生活に応用できないようなものであること、さらに調理方法などでも大きく変わることなどでもどのように応用したら良いのか困りました。
     そこである年、日本GI値研究会というところへ参加しました。GI値についてだけを扱う、ある意味マニアな学会です。そこで感じたことは、GI値を決めるための被験者に低血糖症の方々が多く含まれていて、その方々を除外していない可能性が高いことに気がつきました。そして被験者の数が少ないのでデータとすると個々の発表で差が出てしまうことも仕方ないのかもしれないと思いました。
    被験者が栄養学を学ぶ若い女子学生であるので、無反応性や乱高型の低血糖症の方がかなり含まれていると予想できました。』
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2010年03月23日 21:32
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