小学低学年ですでに暗記を終えた人たちとカルタ取りで張りあってもしようがない。私の関心は以下のようなものだ。
例えば、清少納言の『枕草子』は知っていても、
夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
は知らなかったりする。鳥の鳴きまねで函谷館(かんこくかん)を開けさせた史記のエピソードを思い出したり、ついでに「貴方は今夜、鶏が鳴く前に、三度私のことを知らないというであろう」というマタイ伝を連想したりする。「大坂」と「逢ふ坂」のような掛け言葉は、ハイハイそうですか、と受け止めてあげる。
天気のよい日に目の前のベランダに干してあるシーツを見ると、「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」(持統天皇)が髣髴とされる。百人一首には雪、かささぎ、霜、白菊、白雪など、やたらと白いイメージが多い。
百人一首には番号が振られてある。100首をいつでも取り出せるようにするために、連想用の「番号イメージ」を用意する。
このような数字連想用のキーワード(イメージ)を使って、上の句の最初の5文字が出てくれば、あとは何とか思い出せることが多い。「ワイシャツ」から「秋の田の・・」、「ワニ」から「春すぎて・・」、「ワサビ」から「あしびきの・・」が引き出せるように何からのイメージ連想する。
想起訓練は多いに越したことはない。ゆっくりとスクワットでもするときに、数字を数えるついでに「01→ワイシャツ→秋の田の」を思い起こす。歌全体を思い出すのは時間がかかるので、カードをパッパッとめくるように、最初の5文字だけをハイスピードで言えるようになればOK。
外を散歩するときは、見かけた車のナンバープレートでランダムに練習ができる。「62-05」という数字を見たら、「62→浪人→夜をこめて・・」、「05→ワゴン→奥山に・・」と歌全体を想起する練習をする。
『奇跡の百人一首』の著者は小学校の校長先生で、学校を挙げて暗証に取り組んでいる。上述のような記憶術は使っていないが、まったく何も見ないで100首を全部詠み上げる目標時間を7分に設定している。これは厳しい!
学校で大会があったので、高校まではほぼ100首覚えていました。
「むすめふさほせ」とかは意味なく未だに覚えています
(今確認したら「むすめせ」しか出てこない)。
それにしても7分って、100*31/7/60=約7字/秒だから、
1首5秒で7分途切れずに詠み上げなきゃいけない。
小学校から覚えるのはいいことですが、雅もへったくれもないですね。
>(今確認したら「むすめせ」しか出てこない)。
む・す・め、だけははずさないところがサスガです!
『奇跡の百人一首』の富山の小学校では、
7分以内が名人級
10分以内が特級
何も見ないで詠めるのが、歌が10首ごとに10〜1級
始めの5文字を読んで聞いて、残りを詠めるのが11〜20級
にしてます。頭脳活性化の訓練ですので。味わうのは、中学・高校でよろしいのでは?
小学生に以下の歌の意味をしみじみと解説されたりすると、怖いですねぇ。
嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
春の夜の 夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
名にしおわば 逢坂山のさねかづら 人に知られで くるよしもがな
http://www.asahi-net.or.jp/~BH3H-SMJY/zuiso/d354.htm
『蜀山先生 狂歌百人一首』
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/kyouka100i.html
>http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/kyouka100i.html
008 わが庵はみやこの辰巳午ひつじ 申酉戌亥子丑寅う治
066 眼と口と耳と眉毛のなかりせば はなより外にしる人もなし
えのさん、恭賀新年。横隔膜にしみじみと 狂歌は響く春爛漫の日々・・・。