2006年11月25日

「うるさい日本」の私が感じる、イギリスの騒音事情

London Net:Livingstone Bans Music on Buses(2006-11-23)
  DON'T play music out loud on buses. That's the message being plugged by Ken Livingstone following lobbying led by The Music Free Bus Campaign.
  MP3 players with headphones are okay, but not so phones which play music out loud out of annoyingly tinny little speakers.
  At first, it seems MFBC would have been satisfied if buses featured posters asking passengers not to disturb others with their music, but the London Mayor has gone much further and is now in favour of an "absolute prohibition on playing music from a mobile system."
  Livingstone says those caught playing music out loud will be asked to leave the bus and children and teenagers told to hand over their free bus passes.
  The position on singing on buses is as yet unclear, but in most cases probably wouldn't constitute "music" in any case.

ロンドン市長が「バスで音楽を禁止する」意向を発表した。ここのところ外出先や乗り物で必ずといっていいほどMP3を使っている私としては、えっ!と驚いたが、よく読むとこういう話である。

  • 「バスでスピーカーから音楽を流す」のがダメなだけで、「ヘッドフォーン」による鑑賞はOK。
  • では「歌を歌う」のもダメかと突っ込まれたので、それは「音楽」の定義に入らないという。
  • 市長の背後には、「Music Free Bus Campaign」という、うるさいバスが許せない人たちがいる。

    ちなみに市長の名前は、漢字にすると「生石」さん。英語の名前はいったん漢字に変換すると、末永く憶えている私である。諺にも Livingstone gathers no moss というやつがあったような。

    イギリスではバスは10回ぐらいしか乗っていないのでわからないが、携帯をプレーヤーにしてガンガンやっている人を今まで見たことがない。が、苦情が多いということは、そういう輩も若者を中心にいるということだろう。

    バスや電車では「音楽」よりも「携帯電話」のマナーが悪い連中が多い。着信音でバカでかい音楽を流したあとに、大声で延々と5分以上も話しているのがたくさんいる。口元を手で押さえるとか、周りの人に気兼ねして体の向きを変えるとか、そんな「気配り」は1度も見たことがない。

    このような携帯マナーを除けば、イギリスは概ね「うるさい日本」に比べてとても静かである。

  • 商店街の店頭でスピーカーの音楽が流れていない。
  • パブ、レストラン、デパート、スーパーで音楽はほとんど流れていない。
  • 電車では「次は○○」というぐらいで、うるさいアナウンスがない。
  • ゴミの収集車には「音楽」なし。
  • 選挙の「よろしくお願い致します」の車がない。

    これはイギリスというよりもヨーロッパ全体の状況と思われるが、いかがでしょう。とても静かなので、道路では救急車・パトカーの音が目立つし、乗り物ではマナーの悪い携帯がとてもうるさく感じられる。

    日本では街や乗り物もうるさいが、子供たちの保育園や幼稚園があまりにもうるさいので、ビックリしたことがある。小さなグランドに不釣合いな、運動会の大きなスピーカー音。子供にビデオを見せるときの、あまりにも大きなボリューム。昼ごはんのときの「絶叫」するようなゴハンの歌。

    子供は大声で元気なのがいいとか言っているが、「ボリュームの大きさ」で子供の意識を引きつけようというワンパターンで、姑息なやり方である。テレビを多く見ている子は、声が必要以上に大きい。

    いま小さい子供を育てている方々。テレビをやめませんか? 大人がテレビやビデオをどうしても見たければ、大人だけの個室で見ればよい。「リビングにテレビがある」という20世紀の残像的な家庭風景は、私としては大いに疑問である。

    さて、話をロンドン「生石」市長に戻すと、「バスの音楽を絶対禁止する」と息巻くのなら、ついでに「乗り物での携帯電話の禁止」と、罰金1000ポンドも宣言してほしいところである。

    イギリスの罰金は何でも1000ポンド(23万円)。夏の水不足のときに庭でホースを使って放水すると、罰金1000ポンド。テレビの受信料を払わずにテレビを見ていると、罰金1000ポンド。道路で立ちションをすると、罰金1000ポンド。私の身近では、この1000ポンドの痛手に遭った人は、いまのところ1人も知らないが・・・。(ちなみに私の住んでいる州では、駐禁の罰金は60ポンド)


    ■つぶやき:
    自宅に案内電話がかかってくる、いわゆる「テレマーケティング」は、イギリスで結構うるさい。「おめでとうございます!あなたに1000ポンドが当たりました!」という録音音声や、「モバイルやインターネットを新しいプランに乗り換えませんか」という勧誘、「去年は何回海外旅行に行きましたか」という旅行業界のアンケート、など。


  • posted by ヒロさん at 23:23 | Comment(16) | TrackBack(0) | イギリス見聞録
    この記事へのコメント
    TITLE: 民報で
    イギリスの民放では深夜にクロスワードを電話を通じて視聴者に答えさせて
    6000ポンドとかいう番組をやっていましたが
    あれってなぜかNYからかけてきている人もいました。

    やらせでしょうか。
    Posted by アルルの男・ヒロシ at 2006年11月27日 00:50
    TITLE: たしかにうるさい
    うちの子の保育園の運動会もやかましかったです。

    子供を誘導するのにスピーカーでガナる必要なんかないだろうに。
    日本の幼児教育はどうしてこうもポリシーというか哲学がないんだろうかと
    つくづく思います。

    シュタイナーのような幼児教育の思想の中心となる人物がいないからですかね。

    子供を遠くの(いくぶんましな)幼稚園に登園させざるを得ないのは大変です。
    Posted by totoro at 2006年11月27日 11:58
    TITLE: 枝雀の落語
    たしかに テレビを 子どもから遠ざけたいとおもっていますが、仕事を終えて夜に帰る拙者が(日中家庭にいないのに)、家庭で君臨〜する妻と母親の存在を、虫できる筈もない。
    苦々しく思ってはいても、子どもがTV番組の体操のお兄さんをみて、一緒になって喜び踊っているその姿をみると、拙者も参加してしまう♪ 楽しいぞ。

    しかし、未だ2才になったばかりの我が息子には、喧しいTVはもとより、TVゲームからも遠ざけたいとおもっているが、日本で現世に生まれたからには それも難しいことなのかいな。

    ・・で、いくぶんましな幼稚園 っつーのは、℃の程度増しなの? 50歩200歩?
    Posted by レレレのおやじ けんた at 2006年11月28日 13:45
    TITLE: 転載のお願い
     はじめまして、ディーガン(Deegan)と申します。このメールを突然送ったご無礼をお許しください。

     私は「拡声器騒音を考える会」という市民グループの代表であり、唯一の外国人メンバーでもあります。このグループは日本の街に氾濫している拡声器音を少しでも減らそうと活動しています。 この会は関東、関西と九州地区とに分けてあり、関西と九州のそれぞれの地区代表もいます。総数50人ぐらいの小さな組織です。なかなか大きなことができませんが、会の存在そのものが大きな心の支えとなっている人もかなりいるようです。私もこの会を見つけたお陰で日本に永住する決意が出来たほどです。
     主な活動はスピーカー騒音を発生している側に苦情を寄せたり、時によってはインタビューに行ったりすることです。そしてそれらの結果を年に一回発行する機関誌(AMENITY)に掲載することです。このAMENITYは主にメンバーや関心のある方、または音を出している側(鉄道会社、選挙管理委員会、学校など)にも発送しています。
     今は次号のAMENITY25号を作るためのネタ集めをしている最中ですが、文章の提供者を確保するのにいつも苦労しています。今回は「『うるさい日本』の私が感じる、イギリスの騒音事情」をたまたま見つけて、これもいいなと思いました。英国人である私にとっては当たり前の内容ですが、日本人の中ではイギリスの選挙運動のときにスピーカーが使われていないことを知らない人が未だにいます。不思議に思う日本人すらいます。
     そこでお願いがあります。この文章のすべてもしくは一部をAMENITY25号用に転載させていただけないでしょうか。ご住所を教えていただければAMENITYのバックナンバーを差し上げますのでご安心できます。
     ちなみに「うるさい日本の私」の著者である中島義道さんは我々の会のメンバーです。
     何分、よろしくお願いします。

    〒198-0063東京都青梅市梅郷5-1033-2
    TEL: 0428-76-2264
    FAX: 0428-76-2265
    メール: christopher_john_deegan@ybb.ne.jp
    Posted by C.J.ディーガン at 2007年01月02日 17:21
    TITLE: ディーガンさんを応援します
    http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/high/high03.html (引用)
     中島義道さんの『うるさい日本の私』をお読みになったことはありますか? 新潮文庫版には、その内容がこのように紹介されています。
      「バス・電車、デパートから駅の構内、物干し竿の宣伝まで、けたたましくスピーカーががなりたてる、この日本──。いたるところ騒音だらけ。我慢できない著者は、その“製造元”に抗議に出かけ徹底的に議論する。が、空しい戦いから浮かび上がったのは、他人への押しつけがましい〈優しさ〉を期待する日本人の姿だった。日本社会の問題点を意外な角度からえぐる、「戦う大学教授」の怪著。」
      「どう考えてもヘンだ」「おかしい」と思っても私たちはなかなか行動に移さないものですが、中島さんはひるまず諦めず「うるさい」ものと徹底的に戦います。しかし、この本の素晴らしさは、その行動が抗議だけで終っていないところです。なぜ日本人が騒音を「聞き流している」のか、その理由をまた徹底的に考え分析し明らかにしている点が、この本を「怪著」に終らせていません。
      「考える人」では、「醜い日本の私」と題し、現在の日本に溢れている電柱、看板、広告塔、横断幕、といった醜い、美しくないモノを中島さんが徹底的に考えます。私たち日本人が気づかずに受け継いできた古来からの日本人の心性が明らかになる「恐るべき」連載と言えるでしょう。

    -------------中島氏の言葉--------------
      かつて『うるさい日本の私』(新潮文庫)を刊行したとき、多くの人から「あの『うるさい』は『日本』と『私』のどちらにかかるんですか?」と面白半分(冷笑的)に尋ねられたが、いつも「両方にかかるんです」と答えてきた。「うるさい日本のうるさい私」である。今回のタイトルを見て、さすがに「この『醜い』はどちらにかかるんですか?」と問う勇気ある人もあまりいないだろうから、前もって答えておく。「両方にかかるんです。醜い日本の醜い私です」。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2007年01月02日 18:40
    TITLE: 転載の許可
    私を応援します。・・ということは文章を使わせていただいてもいいと考えてよろしいでしょうか。
    先日申し上げたように会の機関誌AMENITYを郵送してもいいです。イギリスであってもそう高くありませんし、さほど時間もかかりません。
    ちなみに会のホーム・ページは次のとおりです。
    http://homepage1.nifty.com/shobo/

    最近、中島氏は「醜い日本の私」という本を出しました。まだ読んでいませんが、注文しました。今回は騒音よりも景観を問題にしているようです。
    それではよろしくお願いします。
    Posted by C.J.ディーガン at 2007年01月04日 13:09
    TITLE: 騒音、景観、空気汚染のゆくえ
    どうぞご自由にお使いください。みなさまも「拡声器騒音を考える会」を応援しましょう。

    http://homepage1.nifty.com/shobo/
    『2006年11月22日の神戸新聞によると芦屋市が、歩きたばこ禁止とともに、夜間の花火、騒音にも過料/罰金を科す方向のようです。』

    ほぅ、芦屋市は「歩きたばこ」も「夜間花火」も禁止ですね。欧州では今年、各地で禁煙法が次々と施行されます。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2007年01月06日 04:39
    TITLE: 転載の許可をいただきました
    転載の許可をいただき、ありがとうございました。また、拡声器騒音を考える会を応援してくださり、感謝いたします。これでファイトがますます出そうです。
    Posted by C.J.ディーガン at 2007年01月06日 23:50
    TITLE: 私もうるさいの嫌い
    東京の各市にスピーカーが設置されて、夕方音楽を流している。

    夕方の時間を知らせる放送だそうな。

    子供の下校時刻の案内も1日2回やっている。

    ここまでする必要あるのか疑問。
    Posted by 柿の種 at 2007年12月02日 18:50
    TITLE: 東京調布
    うちの調布でも 学校の下校時間の案内やってましたが(時間はズレていて) そういえば
    終わってます(笑)
    だれか苦情いったのでしょうか
    元気がでましたので これからは苦情をたくさん言っていこうと思います
    Posted by ST at 2010年07月24日 14:59
    TITLE: 「静かな街を考える会」
    「拡声器騒音を考える会」は「静かな街を考える会」に変わりました。
    http://sky.geocities.jp/bunka_so_on/index.html
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2010年07月24日 20:12
    TITLE: イギリス人の方が千倍ヤカマシイDEATH!!!
    愛愛 御免なすって。
    自称、日本歴史上最高予言家のサワキカスミと申します。
    01年7月〜05年8月までロンドンのグロスタロード駅付近のフラット、ハマースミ近くのフラット、     ハムステッドの一軒家に住んでいたのですが、(05年1月〜7月はNZ・豪)
    ロンドンの公共の空間においては日本よりたしかに静かではあります。

    が、それぞれの私生活の居住空間では騒音爆音出し放題で、
    ロンドンに住む人々の超身勝手・超個人主義には大憤激、呆れ果てておりました。
    (私は日本人の中でもとりわけ怒りんぼなので、やつらが鳴らす音楽爆音にその都度大声怒声で
    音楽再生の中止を警告したものです。延べにすると50回以上。)

    イギリス人、狂っています。日本人にあれほどのクレイジーな人間、どこにもいませんよ。
    日本であ〜いう手合に1人も会った事無いですよ。長年『日本人』をやってきて。

    公共空間の騒音と居住空間での爆音、どちらがはた迷惑か?
    断然、後者に決まってます!! 

    DEATHから、あっしといたしましては「ジョーダンじゃない!! イギリス人のほうが千倍ウルサイ!!」と
    宣明させていただきやす。

    愛、御免なすって!
    Posted by サワキカスミ at 2010年08月27日 22:47
    TITLE: 「日本の選挙はうるさい!」
    http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1617905.html
    「日本の選挙はうるさい!」 立候補者のマイクを奪い怒鳴った英国人を逮捕
    埼玉県警所沢署は23日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、英国籍で自称英会話教師のエドワード・ジョーンズ容疑者(34)=東京都荒川区西日暮里=を現行犯逮捕した。
    逮捕容疑は23日夕、同県所沢市東所沢5丁目のJR東所沢駅前歩道で、演説中の所沢市議選立候補者が持っていたマイクをつかみ、「日本の選挙はうるさい」などと怒鳴って妨害した疑い。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2011年04月24日 14:56
    イギリスがうらやましいです。
    私はいわゆるポップスと呼ばれるような音楽が好きではないのですが、
    スーパーなどで大音量で流れているとどうしても耳に残ってしまい、とても不快です。
    スーパーは自分で静かな店へ行けば(そういった店も少ないですが)、
    一番困るのが街中の薬局やディスカウントストアです。店内のBGMとしてではなく、「外に向けて」大音量の音楽を流している。非常に不愉快です。
    しかし大半の日本人はそういった音楽についてあまり気にしていないようで、
    おそらく「気にする方が少数派」という日本では、法改正などは難しいような気がします。
    Posted by ヘロー at 2012年07月02日 15:14
    上のコメントのものです。
    脱字がありました。
    「スーパーは自分で静かな店へ行けば(そういった店も少ないですが)」
    の後に「いいですが」が抜けていました。すみません。

    正しくは「スーパーは自分で静かな店へ行けば(そういった店も少ないですが)いいですが」です。
    Posted by ヘロー at 2012年07月02日 15:17
    耐え難きを耐え、忍び難きを忍びとはこういうことか
    Posted by くんに at 2016年01月22日 18:23
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