◆So-net blog 世界史の授業:「今年の二次試験の問題」(2006/2/27)
京大の一問一答の単答問題に関しては、明らかに東大より難しかったです。こりゃ厳しいと思ったのは、U−Bのn(湖北)、o(国民革命)、14(段祺瑞)、W−Aのb(飼料)、W−Cの16(クロンシュタット反乱)といったところです。 W−Aのb「飼料作物」とは具体的にはカブのことで、ノーフォーク農法をさしています。ノーフォーク農法について、山川の『用語集』では「18世紀にイングランド東部ノーフォーク州で始まった新農法」とありますが、山川の『詳説世界史研究』では「17世紀後半から、イギリスでは東部を中心に、冬に家畜用飼料としてカブを栽培するノーフォーク農法が普及した」とあります。
モンゴルの「国民革命」、清朝の「段祺瑞」、ロシアの「クロンシュタット」は、ウィキペディアにも載っているが、「ノーフォーク農法」はさすがに載っていない。わたしゃ、てっきり「フォークを使わない耕作法」なのかと思ってましたよ。
◆月報野菜情報−今月の野菜−2005年11月
○世界のかぶ18世紀にイギリスのノーフォーク地方で、穀物に根菜類や牧草をまじえた耕地を四区に分けた栽培が実施され、コーク氏によってノーフォーク農法として各地に広められました。
この農法は、中世以来の三圃制に代わる新しい農法で、休耕地に飼料用かぶとクローバーを植えて家畜の飼料として、土地の無駄をなくすというものです。現在もヨーロッパでは飼料用としてかぶが多く栽培されているそうです。
また、かぶはやせ地でも育つことから救荒作物として世界各地で作られていますが、特にロシア、トルコ近郊、インドで盛んに栽培されているそうです。
要するに、農業で儲けるためには「株の売買」が、おっと、ちがった、「カブの栽培」が大事ということだ。ノーフォーク(Norfolk)はこちらの地図でわかるようにイギリス南部の右端の海岸沿いにある。
では農法の基本事項のお勉強から。
なぜこんなことを調べているかというと、イギリスの小学高学年の歴史副読本(近代史)を入手して読み始めたところ、なんと、最初の1ページ目からつまづいてしまったのである。大英帝国の発展の第1ページは、農業革命と「囲い込み(enclosure)」から始まっているが、これを小学高学年に教えるのは、ちょっと厄介だ。
◆ウィキペディア:囲い込み
囲い込み以前のイギリスにおける農業は他の西欧諸国と同様、開放耕地制、混在地制、三圃制により成り立っていた。
三圃制においては冬期に飼料が不足するため、一年を通じて家畜を飼育することが不可能であった。そのため、いくつかの家族が集まり犂耕集団を形成し、耕地内を移動しながら共同で犂耕と播種を行ったが、全耕地での作業終了までに二ヶ月近い時間を要したため、作業時期による収穫の不公平を避けるべく、土地が入り組み、順番にそれぞれの土地を耕していける混在地制が採られていた。
収穫から次の播種までの期間、耕地は共同の放牧地とされたが、これは農村における共同権として農村における共同体成員に認められた権利であった。こうした土地の共同利用は慣習に従って規定され、違反者は厳しく罰せられることもあった。共同利用される土地はお互いの持つ耕地の他に、村落周辺の荒蕪地も存在した。この荒蕪地において、共同体成員は薪や芝、泥炭などの燃料を無料で手に入れる事が可能であった。
三圃制においては冬期に飼料が不足するため、一年を通じて家畜を飼育することが不可能であった。そのため、いくつかの家族が集まり犂耕集団を形成し、耕地内を移動しながら共同で犂耕と播種を行ったが、全耕地での作業終了までに二ヶ月近い時間を要したため、作業時期による収穫の不公平を避けるべく、土地が入り組み、順番にそれぞれの土地を耕していける混在地制が採られていた。
収穫から次の播種までの期間、耕地は共同の放牧地とされたが、これは農村における共同権として農村における共同体成員に認められた権利であった。こうした土地の共同利用は慣習に従って規定され、違反者は厳しく罰せられることもあった。共同利用される土地はお互いの持つ耕地の他に、村落周辺の荒蕪地も存在した。この荒蕪地において、共同体成員は薪や芝、泥炭などの燃料を無料で手に入れる事が可能であった。
「三圃制」を行っているころは、農村はコミュニティであり、共同作業があり、共用地が存在していた。土地は「開放」されており、厳密な境界線も引かれていなかった。
1560年ごろ、戦禍を逃れてやってきたオランダ移民たちは、ノーフォークに住みついて、カブの栽培を開始した。カブは荒地でもよく育ち、家畜の飼料になる。家畜の冬場のエサを確保し、肥料としての「糞」もゴッソリと集めることができれば、休耕地も不要にできる。
18世紀になると、このカブを使った「ノーフォーク農法」が農業革命を引き起こす。ノーフォーク農法は、英語で「Norfolk Four Course System」と呼んでいる。4つの土地をローテーションで休みなく回す方法であり、3つのローテーションと比べて、1)さらに広い土地、2)自前持ちの家畜、が必要となる。大規模農業の到来である。
その結果、「共用地」を廃止して、大規模農法に向くように土地の区画整理と再配分をやろうよ、ということで起こったのが「囲い込み運動」である。コミュニティの崩壊と私有制の加速である。私有地の境界線がわかるように「生垣(ヘッジ)」を義務づけたので、今日のイギリスの農村も生垣だらけになったというわけだ。
「カブ」の話から始まって、「ヘッジ」ファンドでオチがついたことにしよう。金持ちは愛人の「囲い込み」も派手にやっているしなぁ・・・(ブツブツ)
■そういえば、イギリスの有機農業界でも有名な「福岡正信」
ヨーロッパの人たちって、カブをどうやって食べるんですか?
カブを加熱すると、触感がニンニクやジャガイモっぽくなるのが、子供の頃は
好きじゃなかったです。今は平気だけど。
葉っぱの部分も食べてます? 葉っぱは塩もみして細かく切って混ぜご飯にする
のが好きなんだよなぁ。
イギリス人は、カブや大根はサラダでも食べるし、煮付けで食べることもあります。ただし、葉っぱは誰も食べないんですよ。ビタミンCがいっぱいなのにねぇ。
二圃 にほ
三圃 さんぽ(さんほ゜)
という読みのほうが普通だと思います。たぶん。
「圃」は畑の意味で、音は「ほ」。
ということは、いっぽ、にほ、さんぽ・・・ですね。訂正しておきます。
「田ん圃」は当て字かもしれないけれど、「たんぼ」ですね。
”囲い込み運動”中学、高校と謎の運動でした。詳しく知らなくても、試験で困らないのが難で。自分でも少し頑張って調べた事もありましたが、ここまで解りませんでした。「なぜ、今更土地を囲い込む必要があるの?」と、それが謎で。「そういうことだったんですねー」と納得しました。うちも農家なのに、恥ずかしい。イギリスでは小学生が知ってるんですか。”教育”の何たるかはこういうところに差を生むかもしれませんね。
ヒロさんのおかげで長年の疑問が解けました。ありがとうございます。