2006年04月12日

唐軍と米軍のGHQ:1280年を隔てたシンクロニシティ

岡田英弘 『世界史の誕生』(ちくま文庫)が、後漢の大学者・鄭玄(じょうげん)による「天道サイクル=1320年」という説を紹介している。神武天皇が前660年に即位したという「捏造」は、西暦660年の百済滅亡から1320年を遡ったもの、という見方だ。

ウィキペディア:辛酉(しんゆう/かのととり)
  • 那珂通世は、『緯書』にある鄭玄の注に、1260年に一度(干支一周の60年(1元)×21元=1260年=1蔀)の辛酉の年には大革命がある事から、推古天皇9年(601年)がその年に当たり、この年の1260年前である西暦紀元前660年に神武天皇が即位したものとの説を立てた。
  • また、別に1320年(60年×22回=1320年)周期説もあり、その場合は辛酉の3年後甲子年が革令(甲子革令)の年であり、白村江の戦いの翌年西暦664年(甲子)を基点として、西暦紀元前660年とされる。

  • 辛酉の年の「601年」を起点とした1260年周期説に従うと、日本は明治維新を前にした「1861年」から新しい時代が開けたことになる。尊皇派や日本原理主義者たちをくすぐる「神国日本論」である。

    一方、岡田英弘は660年の百済滅亡を重視しているが、翌年「661年」はやはり辛酉の年であり、これを起点とした1320年周期説に従うと、日本は「1981年」から新しい夜明けに向かっていることになる。この直後に起こった、明治維新にも匹敵する事件とは何だったのだろうか。(1982年の教科書書換え?まさか!)

    この2つの中庸路線ではないのだろうが、1280年を隔てた「シンクロニシティ」を指摘している人がいる。

    室伏志畔『白村江の戦いと大東亜戦争―比較・敗戦後論』(同時代社)では、663年の「白村江の敗戦」と1945年の「大東亜戦争の敗戦」を起点とした、美しいほどの「鏡映しのパラレル」を描き出している。

    ◆『白村江の戦いと大東亜戦争―比較・敗戦後論』p26、p60の要約
            白村江の戦い      十五年戦争     
    主体倭国日本国
    対戦国新羅+唐中国+米国
    王権弱体化する古代王権神がかり的天皇制
    戦争300年間の倭と朝鮮の動乱
    660年 百済滅亡
    1931年 満州事変
    1941年 大東亜戦争
    敗戦663年 白村江で唐&新羅に敗れる
    664年 唐使・郭務宗の到着
  • 筑紫都督府の設置
  • 倭国解体政策=親百済派の追放
  • 1945年 無条件降伏
    1945年 連合軍マッカーサーの到着
  • 皇居前にGHQ
  • 民主化路線=旧支配層の追放
  • 第1展開670年 新羅と唐が交戦
    672年 郭務宗の帰国
  • 壬申の乱
  • 天武は新羅と同盟
  • 1950年 朝鮮戦争の勃発
    1952年 アメリカから独立
  • 旧支配層の復権
  • 日米安保体制
  • 反動百済派クーデター=天武朝滅ぶ安保闘争・学生運動
    棚ボタ日本国の誕生高度経済成長
    総括『日本書紀』『国民の歴史』、新しい教科書
    注)郭務宗(かくむそう)の「宗」は、正しくは「リッシン偏(小)+宗」。

    「十五年戦争」というコトバでわかる通り、左翼史観なお方である。歴史捏造の大事件として『日本書紀』と『国民の歴史』を対比しているあたりは、私も少しめまいがする。『国民の歴史』の西尾幹ニは、『日本書紀』の藤原不比等に匹敵する超人あるいはフィクサーということになる。(「つくる会」の内紛の原因はこれか?)

    しかしである。谷沢永一『聖徳太子はいなかった』(新潮新書)が、「古代史に政治の視点を持ちこんだのは、羽仁五郎門下の北山茂夫はじめ、左翼史家のお手柄である」(p37)と言っているように、彼らの対極にある、「皇室御用達」学者たちの欺瞞を明らかにしてきた功績にも注目してみたい。

    注目すべきは「郭務宗(かくむそう)」と「筑紫都督府」である。白村江の戦いで敗れた日本は、超軍事大国・唐のGHQに8年間占領されているのだ。

    ここでいう「日本」だが、それは九州王朝の「倭」のことであり、近畿地方を支配していた勢力は、その「派出所」または「まったくの別王朝」ということになる。

    かつての「邪馬台国論争」や「騎馬民族論争」は、結局よくわからなかった私だが、聖徳太子、遣隋使、筑紫都督府、そして『古事記』(=偽書)から、掘り下げていくと、6〜7世紀の謎解きはかなりエキサイティングである。
    posted by ヒロさん at 08:37 | Comment(14) | TrackBack(0) | 日本史・世界史
    この記事へのコメント
    TITLE: 渤海国
    第1展開の所で、
    1949年 国共内戦で国民党敗北
    1949年 台湾に中華民国
    668年 高句麗滅亡
    668年 満州に渤海国
    渤海国は高句麗の遺民等によって建国された。

    日本と満州は兄弟国だった!! 幻の日本・渤海同盟
    http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/history/honbun/nichiman.html
    Posted by えの at 2006年04月12日 09:48
    TITLE: 古事記
    「『古事記』とは何か---和銅年間に挿入された「近代日本の聖典」」萬遜樹
    http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/r18-90.htm
    『712年の『古事記』撰上はなかったし、『古事記』は勅撰でもない。天武・持統朝期に成った「原-古事記」がオホ氏に伝わっていて、これを平安期になって、ある動機からオホ氏の主張を盛り込んで最古の書物として仕立て上げたのが多人長で、『古事記』の有名な序も彼の手になるものである。』
    Posted by えの at 2006年04月12日 15:28
    TITLE: 古代史とイデオロギー
    >「『古事記』とは何か---和銅年間に挿入された「近代日本の聖典」」萬遜樹
    http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/r18-90.htm
    『(注)戦前と戦後の史学をつないだのは、「左翼」だと誤解された「右翼」津田左右吉の学業であった。戦後左翼歴史学は彼の「紀記批判」を継承することで、表向き戦前と絶交し、かつ裏では明治以来の戦前史学と野合しており、ともに「日本」という舟に乗る者であることをいみじくも露呈している。』

    古代史の議論は、左右のイデオロギーで単純化することはできないですね。マルクス主義史観の学者の中にも、「記紀」の批判派と肯定派がいる。「日本的霊性・神性」を語る原理主義者の中にも、天皇を中心に置く人たちと、渡来した天皇以前の「古神道」に重きを置く人たちがおりますので。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2006年04月12日 20:31
    TITLE: 偽書
    歴史系『偽書』の史的展開
    http://www.ceres.dti.ne.jp/~alex-x/shosai/gisi-001.html

    物部氏の『先代旧事本紀』を偽書とするのであれば同時期(9世紀前半)成立の多氏の『古事記』も偽書の要件に該当します。
    Posted by えの at 2006年04月12日 22:46
    Posted by えの at 2006年04月14日 10:11
    TITLE: 本土決戦施設
    水城
    http://chikushi.fku.ed.jp/tanbou/mizuki.html
    「よみがえる倭京(太宰府)─観世音寺と水城の証言─」古賀達也
    http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/kaihou50/koga50.html

    東京湾要塞跡と本土決戦陣地跡
    http://www.internet-ex.com/npo/digest/index.html
    Posted by えの at 2006年04月14日 22:55
    TITLE: 遷都計画
    鬼無里村東京
    http://www.netpro.ne.jp/~mixdown/hihoukan/hihou/tokyo/tokyo.html
    http://www.naganoken.net/vilkinasa/kinasamura5.htm
    富本銭再発見
    http://www.town.takamori.nagano.jp/ka-fuhon.htm
    『天武天皇と信濃の関係。『日本書紀』によると、天武天皇が信濃に副都建設を計画したり行宮を造ったとあり、当時信濃が重要視されていたことが想定されてます。』
    牙笏
    http://www.togakushi-jinja.jp/tenji/04.html
    『第41代持統天皇(在位686−697)は天武天皇の妃であります。信濃に離宮を建設しようと計画された天武天皇に次いで信濃に関心を寄せられたものと思われます。』

    松代大本営
    http://www.aswe.jp/shashi/histry/MATU/
    Posted by えの at 2006年04月15日 09:35
    Posted by えの at 2006年04月16日 12:34
    TITLE: 「日本書紀を読んで古事記神話を笑う」天語人
    http://www3.point.ne.jp/~ama/
    Posted by えの at 2006年04月17日 10:29
    TITLE: 『藤原不比等に匹敵する』野心家?
    >『国民の歴史』の西尾幹ニは、『日本書紀』の藤原不比等に匹敵する超人あるいはフィクサーということになる。

    オワダヒサシ君。身震いするのは私だけだろうか?
    筋金入りの共産主義者なのではなかろうか。
    立憲君主制の「日本」を解体し、なにものか得体の知れぬ「共和制(国家)」へ志向している勢力のサークルの一翼を担ってはいないだろうか。
    そう思えてならない昨今である。
    >さあ、それにしても、である。平成の日本は女帝問題をあまりに安易に考えているのではあるまいか。誰が仲麻呂か、どこに道鏡がいるのかは知らないが、この時期はしばらく深々と天皇の歴史を覗きこんだほうがいい。
    http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1132.html
    (第千百三十二夜【1132】2006年4月13日 里中満智子『女帝の手記』)

    ■川口外務大臣談話 国際司法裁判所裁判官選挙における小和田恆氏の当選について(平成14年10月22日)
    ttp://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/14/dkw_1022.html
    ■「国際司法裁人事の背景」、『軍縮問題資料』2003年1月号
    ttp://www.geocities.jp/kawabe_ichiro/column/200301.html
    Posted by アカ日のお里 at 2006年04月24日 20:16
    TITLE: パックスアメリカーナ
    稼ぐのが日本の役割。:割り切って実利主義者として生きる。
    http://www.apaman-plaza.co.jp/ap_tetsujin_detail.shtml?6373035-0=0:m:100141
    『日本は今後望むと望まないにかかわらず米国債を買って幕府の財政を支えなければいけないのです。この貢献こそが米国を中心とした世界秩序における日本の存在価値なのです。(中略)
    米国のやる事が善か悪か、そういう論議は不毛です。敗者には発言の機会さえ与えられないのです。当分の間割り切って実利主義者として生きる事です。 』
    Posted by えの at 2006年06月17日 01:07
    TITLE: フォース・トランスフォーメーション
    米軍グアム移転費用日本側負担額は9,400億円?!
    http://wearenippon.jugem.jp/?eid=32
    Posted by えの at 2006年06月17日 09:06
    TITLE: 米軍再編、日本負担3兆円
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060427-00000000-san-pol
    『ローレス米国防副次官は二十五日、国防総省で記者会見し、在日米軍再編にかかる日本側の負担は、少なくとも計二百六十億ドル(約二兆九千八百億円)に上るとの見通しを示した。』
    Posted by えの at 2006年06月17日 15:13
    TITLE: 「日米永久同盟」長尾秀美
    「日米永久同盟:アメリカの『属国』でなにが悪い!」
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334933726/
    書評:日米永久同盟
    http://newglobal-america.tea-nifty.com/shahalexander/2006/05/post_0081.html
    Posted by えの at 2006年06月20日 18:23
    コメントを書く
    お名前: [必須入力]

    メールアドレス:

    ホームページアドレス:

    コメント: [必須入力]

    認証コード: [必須入力]


    ※画像の中の文字を半角で入力してください。

    この記事へのトラックバック
    ×

    この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。