2006年03月20日

開かれた「皇室」の基礎知識1=敬称・幼名・いみな

「女性天皇」「女系天皇」の議論は、紀子様のご懐妊により、ネットでもひとまず収束のようである。ほとぼりが冷めたころに、やおら腰をあげるのが「ヒロさん日記」なので、本日はトリビアなお勉強である。

■■ 親王・内親王 ■■

現在、「親王」と呼ばれる人が6人いる。

  • 皇太子徳仁(なるひと)親王・・・・天皇の長男(今上天皇の子)
  • 秋篠宮文仁(ふみひと)親王・・・・天皇の次男(今上天皇の子)
  • 常陸宮正仁(まさひと)親王・・・・天皇の弟(昭和天皇の子)
  • 三笠宮崇仁(たかひと)親王・・・・天皇のおじ(大正天皇の子)
  • 三笠宮寛仁(ともひと)親王・・・・天皇のいとこ(大正天皇の孫)
  • 桂宮宜仁(よしひと)親王・・・・天皇のいとこ(大正天皇の孫)

    訂正:高円宮憲仁(のりひと)親王は2002年に逝去・・・・天皇のいとこ(大正天皇の孫)

  • 「親王」は男の皇族につけられる敬称のようなものだが、適用範囲を知らなかったので、調べることにした。「天皇から数えて3世までの男子」という説明がよくがあるが、もっとわかりやすくいうと「元天皇または現天皇の、子供または孫」ということ。お父さんかお祖父さんに天皇がいる人のことである。女子の場合は「内親王」になる。(ただし皇籍を離れた場合は除く)

    ひいお祖父さんに天皇がいる場合は、男子は「王」で女子は「女王(にょおう)」になる。まあ、あまり使う機会はないと思うが、「○○王」(ラーメン王、盗塁王etc)と自称する人がいたら、「ひょっとしたら、皇族の方ですか」と気を遣ってみることにする。

    ■■ 宮家と幼名 ■■

    皇室・皇族の呼び方でやっかいなのは、「〜宮」が2つの意味で使われていること。1つは「○○家」という「宮家」であり、もう1つは「幼名」である。「宮家」は本籍を分籍するようなもので、苗字のかわりにもなる。

  • 現在の5つの宮家・・・・「秋篠宮」「常陸宮」「三笠宮」「桂宮」「高円宮」
  • 世継ぎなしで断絶した宮家・・・・1995年「秩父宮」、2004年「高松宮」(いずれも昭和天皇の弟)
  • 1947年にGHQが解体した宮家・・・・「伏見宮」「閑院宮」「山階宮」「賀陽宮」「梨本宮」「北白川宮」「東伏見宮」「久邇宮」「朝香宮」「東久邇宮」「竹田宮」

  • 一方、浩宮(ひろのみや)のような幼名は、皇族ならば誰でももらえると思いきや、さにあらず、天皇あるいは皇太子の子供に限定である。ということで、秋篠宮の長女(眞子)と次女(佳子)に「〜宮」という幼名が存在しない。

    幼名や諱(いみな)をつけるときの出典由来だが、あいかわらず中国の古典がよく使われている。

    第124代(昭和)天皇の新宮以降の称号と名前
    敬宮(としのみや)愛子(あいこ)の出典は、「孟子」の「離婁章句下〈りろうしょうくのげ〉」の「孟子曰(いわ)く、君子の人に異なる所以(ゆえん)の者は、其(そ)の心を存するを以(もっ)てなり。君子は仁を以て心を存し、礼を以て心を存す。仁者は人を愛し、礼有る者は人を敬す。人を愛する者は人恒(つね)に之(これ)を愛し、人を敬する者は、人恒に之を敬す」で、「人を愛する者は、他人も常にその人を愛し、人を敬〈うやま〉う者は、他人も常にその人を敬うものである」との意味」である。

    ◇◇昭和天皇の子供の場合
  • 東久邇成子(長女)・・・・照宮(てるのみや)成子(しげこ)・・・・『易経』
  • 久宮(次女)・・・・久宮(ひさのみや)祐子(さちこ)・・・・『易経』
  • 鷹司和子(三女)・・・・孝宮(たかのみや)和子(かずこ)・・・・『礼記』
  • 池田厚子(四女)・・・・順宮(よりのみや)厚子(あつこ)・・・・『易経』
  • 今上天皇(長男)・・・・継宮(つぐのみや)明仁(あきひと)・・・・『明治天皇詔』『易経』
  • 常陸宮(次男)・・・・義宮(よしのみや)正仁(まさひと)・・・・『孟子』『礼記』
  • 島津貴子(五女)・・・・清宮(すがのみや)貴子(たかこ)・・・・『万葉集』

  • ◇◇今上天皇の子供の場合
  • 皇太子(長男)・・・・浩宮(ひろのみや)徳仁(なるひと)・・・・『中庸』
  • 秋篠宮(次男)・・・・礼宮(あやのみや)文仁(ふみひと)・・・・『論語』
  • 紀宮(長女)・・・・紀宮(のりのみや)清子(さやこ)・・・・『万葉集』

  • ■■ 諱(いみな) ■■

    「裕仁」などの諱(いみな)は、男子では「〜仁」が圧倒的で、女子はすべて「〜子」と決まっている。「昭和天皇」などの諡(おくりな)に加えて、この諱(いみな)まで覚えている人は、かなりの皇室オタクである。私は次の7人ぐらいにしておきたい。

  • 初代 神武天皇・・・・武仁(たけひと)
  • 121代 孝明天皇・・・・統仁(おさひと)
  • 122代 明治天皇・・・・睦仁(むつひと)
  • 123代 大正天皇・・・・嘉仁(よしひと)
  • 124代 昭和天皇・・・・裕仁(ひろひと)
  • 125代 今上天皇・・・・明仁(あきひと)
  • 126代? 皇太子・・・・徳仁(なるひと)
  • posted by ヒロさん at 07:56 | Comment(15) | TrackBack(0) | 日本史・世界史
    この記事へのコメント
    TITLE: 重箱の隅、でございます。
    憲仁さまは、既に故人でいらっしゃって「現在…」に入れるのは、どうかと。
    もしお元気でいらしたら、皇統問題をどうお考えか、お聞きしたかったような気がします。発言なさるかどうかは別ですが。

    また曽祖父が天皇でいらっしゃって、皇族のお生まれの方のうち女子は
    「王女」じゃなく「女王」かと。

    でもって、これは「じょおう」じゃなくて「にょおう」と読むんだそうですよ。
    目の前に、のどかな平安朝の世界が見えてしまいそうです。
    Posted by るびい at 2006年03月20日 14:01
    TITLE: 重箱をご丁寧に・・・
    いやはや、大変なまちがいを2つもご指摘いただきました。訂正いたします。お勉強ブログで、申し訳ございません・・・。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2006年03月20日 18:32
    TITLE: 比較になるものは必要なのかなと
    しばらくは日本の皇室の解説が続くものと思われますが、明治政府が強く意識したヨーロッパの王族システムってそのうちに出てくるのでしょうね。
    オランダでは4/30がQueen's Dayという祝日なんですが、第二次大戦後に即位した前女王の誕生日でして、亡命したり、お家が断絶したり、オランダからベルギーが分離独立して新しい王族が赴任(っていうのかなぁ)するってどういう風にやったのかも参考になりそうです。
    Posted by Kawai Oyaji at 2006年03月21日 10:05
    TITLE: 平安時代
    >目の前に、のどかな平安朝の世界が見えてしまいそうです。

    早良親王
    http://www.linkclub.or.jp/~mcyy/kyo/makai/sawara/sawara.html
    悪路王の首像をみる
    http://osaka.yomiuri.co.jp/katati/ka50328a.htm
    Posted by えの at 2006年03月21日 10:37
    TITLE: 陰陽道に頼った呪いの都・平安京
    平安時代が平和だと思ったらおおまちがい。逆説の日本史・えの不動明王を怒らせてはいけません。鎮魂のお祈りをしましょう。ナウマクサマンダ・バザラダン・センダマカロシャダ・ソハタヤ・ウンタラタ・カンマン・・・・・

    >悪路王の首像をみる http://osaka.yomiuri.co.jp/katati/ka50328a.htm
    「アルテイ」はすでに演劇になっているんですね。楽しみ、楽しみ。宮崎駿の『もののけ姫』は、終わり方(=デウス・エクス・マキナの手法)はいまいちでしたが、蝦夷アルテイの末裔(=アシタカ)を取りあげた点は、画期的でした。
    http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31016543
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2006年03月21日 11:24
    TITLE: 江戸の総鎮守
    神田明神(平将門)にほうに「縁」があるので不動明王の真言はおやめください。
    成田山と平将門の永久戦争
    http://kumokiri.net/kumo/kumo2.html
    Posted by えの at 2006年03月21日 14:02
    TITLE: 確かに確かに
    平安朝は、そういう時代でもありましたね。
    皆様、ご指摘、かたじけのうございます。

    でもって、
    「のどかな、七段飾りの世界が、見えてきそうです」と訂正。
    あの中は、さすがに凄まじい権力闘争なぞないと…思いたい…
    Posted by るびい at 2006年03月21日 19:57
    TITLE: 平将門様
    >神田明神(平将門)にほうに「縁」があるので不動明王の真言はおやめください。
    神田明神(平将門)の

    怨霊シリーズ(1) 「長銀破綻と将門怨霊」三宅善信
    http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/r12-16.htm
    Posted by えの at 2006年03月21日 20:52
    TITLE: 金光教の三宅善信
    レルネット主幹の三宅善信は、金光教ではありませんか!!!!
    現代の世情を宗教学・神話学・民俗学から縦横無尽に斬る、現代日本の碩学。
    このコラムシリーズはすごいぞ!!
    http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/index-3.htm

    三宅善信制作番組が「スカパー!」で大好評
    http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/sky00.htm
    『文字化けした歴史を読み解く―われわれは日本のことをどれだけ知っているのだろうか』 三宅善信対談集
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893369377/503-5152373-7954317
    三宅善信は、同志社大学神学部で、佐藤優の1年上の先輩
    http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/4fab59d041498039f58566a4bf8153cc
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2006年03月21日 23:39
    TITLE: アテルイ様です
    ×アルテイ ○アテルイ (お恥ずかしい)

    東北王朝のアテルイ様です。「蝦夷」を「熊襲」とバカにしたサントリーの皆様、アテルイ様の祟りをお忘れなく。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2006年03月22日 07:00
    TITLE: 阿弖流為(アテルイ)の涙
    岩手県水沢市 黒石寺 薬師如来坐像(国重文)
    http://www.yamagata-net.jp/usr/yamagu2/bukkyo/page/A0002.html
    Posted by えの at 2006年03月22日 19:14
    TITLE: 池上四郎(秋篠宮紀子妃殿下曽祖父)
    は会津藩士池上武輔の第4子
    http://kingendaikeizu.net/akisinomiyakikohi.htm
    http://www4.airnet.ne.jp/soutai/07_douzou/02_i/ikegami_shirou.html
    親王殿下(皇孫殿下)は会津藩に「縁」浅からず。
    Posted by えの at 2006年09月07日 11:51
    TITLE: 会津鶴ケ城
    保科・松平氏時代(1643〜1868)
    http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/j/kanko/history/rekisi_new/hosina.html
    保科正之が残した会津藩の家訓
    http://www7a.biglobe.ne.jp/~jigenji/kakin.htm
    白虎隊記念館 池上四郎籠城少年隊員(12才)(後大阪市長)
    http://www.db.fks.ed.jp/txt/20042.001/html/00002-03.html
    Posted by えの at 2006年09月08日 00:27
    TITLE: 悠仁親王殿下のお印に「高野槇」
    http://www.koyasan.or.jp/info/news/cont/060914.html
    Posted by えの at 2006年10月16日 14:08
    TITLE: 皇室の御守刀
    http://www.choshuya.co.jp/prince/royal_sword.htm
    『平成十八年九月六日午前、秋篠宮妃の紀子様新宮悠仁様をご出産。同日天皇陛下から新宮様に護身の印である「守り刀」が贈られた。「賜剣(しけん)の儀」である。守り刀は刃長八寸五分(25.7cm)の白鞘入の短刀で赤地錦袋に納められている。短刀の作者は、今回は重要無形文化財保持者の天田昭次刀匠である。』
    Posted by えの at 2006年10月16日 22:33
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