2005年12月22日

冬至の聖婚神話:アマテラスの「あけおめ」儀式

『古事記』の中で、スサノオの狼藉の数々と、アマテラスの岩戸隠れは、文字通りに読んでしまうと凄まじいストーリーである。

1)スサノオは神殿に大便をまき散らした
2)機織女(はたおりめ)が機を織っているところに、皮を剥いだ馬を投げ込んだ
3)驚いた機織女が女陰に梭(ひ)を突いて死んでしまった
4)悲しんだアマテラスは天の岩屋戸に隠れた
5)巫女さんが乳房と陰部を出して踊ったら、みんな笑った
6)アマテラスのお出まし

ストーリーをあまり知らない方は、こちら または こちら でどうぞ。

これらはすべて、ありがた〜い話なのである。「大便を撒き散らす」とは、収穫の肥やしとなる豊穣のシンボルであり、「皮を剥いだ馬」はファロス(男根)で、新しい生命の「種」を意味している。「梭(ひ)を突く」は性交の暗喩だが、「梭=日」でもあるので、太陽神と日女(ひるめ)による聖婚である。「天の岩戸屋に隠れる」とは、太陽の力が弱まる冬至を意味している。

◆大和岩雄 『神々の考古学』(大和書房 1998)p107
『古事記』も『日本書紀』も、冬至祭の新嘗(大嘗)のとき、天照大神または天服織女・稚日女が、神衣を織っていたと書く。衣服を冬至祭につくる日女も太陽の処女であり、日本とインカでは同じである。したがって日本の天皇を「日の御子」というが、インカの皇帝も「太陽の子」という。

◆ソース同上 p267
 梭は機織の用具である。その梭で女陰を突いたという神話を、『日本書記』は正史だから体を傷つけたと書いたのだが、冬至の祭りの日に、日女の女陰を突いたという話だから、本当は太陽の光であるのを、神衣を織っていたときだから、梭にしたのであり、この話の原形も日神と日女の聖婚神話である。
 世界各地の日神(太陽)は男神なのに、わが国の日神が女性なのは、日女が日神に成り上がったからである。

◆ソース同上 p292
 中国や朝鮮の古文献には高句麗の始祖王東明(朱蒙)は、母の居た洞窟に射し込んだ日光によって生まれた日の御子だという神話がある。この話はエジプトの第五王朝の太陽の子誕生譚と同じだが、洞窟は太陽神殿である。インカ皇帝が太陽の子といわれているのも、エジプトのヘリオポリスの太陽神殿とインカのクスコやマチュ・ピチュの太陽神殿が、同じ性格をもっていたからである。日本の天皇も日の御子といわれているが、記・紀が書く日女が女陰を突く神話や天岩屋かくれ神話は、メソポタミア、エジプト、高句麗、インカの日の御子誕生神話と共通である。

アマテラスは冬至の日に死に、そして甦る。天の岩戸屋は神々の子宮である。女陰には生命復活・生成豊穣の不思議な力が備わっているのだ。

◆ソース同上 p245(要約)
  • ギリシャ神話では、巫女バウボーがデメテル女神を「女陰露出」で大笑いさせる。
  • ケルト神話では、都に突進する半神戦士クーフラインを、王妃率いる150人の「女陰軍団」が撃退。
  • ギリシャ神話で、怒った英雄ペレロポンをリキュアの女たちが「女陰」で撃退。
  • 沖縄と鹿児島に、邪気を吸収する女陰神話あり。
  • 1人の女陰は「笑い」を誘うが、大人数の女陰は「呪力」となる。

  • ◆ソース同上 p242
     アマテラスが隠れた岩戸屋の前で、ウズメは女陰を露出して踊っている。そして、神々を笑わせることで、その笑いにさそわれたアマテラスに、岩屋を開けさせており、アマテラスとウズメで死と再生の劇を演じているのである。古墳に女陰露出の埴輪が置かれてあるのも、墓の被葬者の再生を願ってであろう。

    そして、今日はおめでたい、あけおめ(=開けましておめでとう)の日なのでございます。

    みなさん、すがすがしい朝を迎えられましたか?


    ■アイルランドの聖婚劇場:New Grange Pictures
    ■フランスの冬至の儀式:カルナックの巨石群(Alignements)
    ■おまけ:伝次郎のカレンダー:「冬至(とうじ)」
     冬至の読みは「とうじ」。というわけで、湯につかって病を治す「湯治(とうじ)」にかけています。更に「柚(ゆず)」も「融通(ゆうずう)が利(き)きますように」という願いが込められているのです。
     5月5日に「菖蒲(しょうぶ)湯」に入るのも、「(我が子が)勝負強くなりますように」という、ゆず湯と同じ「願かけ」なのです。

    ■イギリスも「あけおめ」ました

    (イギリス時間 8時30分頃 = 日本時間 17時30分頃)
    posted by ヒロさん at 08:29 | Comment(4) | TrackBack(0) | 神話・宗教・民俗学
    この記事へのコメント
    TITLE: 再生の祭
    天皇の祭祀---収穫祭と大嘗祭と
    http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/r18-30.htm
    天皇霊について二三の事
    http://www8.plala.or.jp/furan/page064.html

    Hill of Tara
    http://www.mythicalireland.com/ancientsites/tara/
    Posted by えの at 2005年12月22日 09:42
    TITLE: アレの話
    胎内めぐり 茅の輪くぐり 道祖神 も アレですよぇ。

    あけましておめでとうございます。m(..)m
    Posted by Kawai Oyaji at 2005年12月22日 10:59
    TITLE: 御神体
    ほだれ祭
    http://www.tochio.net/hodare/
    しねり弁天たたき地蔵
    http://xxokapi.cool.ne.jp/syoka/koide/sinaribennten.htm
    Posted by えの at 2005年12月22日 11:48
    TITLE: 呪術師の仕事
    正しい性魔術
    http://www7.ocn.ne.jp/~elfindog/sexmagic.htm
    魔法で魚を釣る方法
    http://www7.ocn.ne.jp/~elfindog/fishing.htm
    Posted by えの at 2006年01月10日 23:27
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