「ヒロさん日記」は全く筆が滑らない。新聞記者をやっても5W1Hだの、逆ピラミッドだのと、パターン化した「定型文」に慣らされるばかりで、あまり文才には関係ない。「取材」に強くなると思いきや、記者クラブや役所の発表ものばかりが多い。まして「整理部」に回された暁には、ひたすら紙面レイアウトと見出し付けばかり。(私はやらなかったが)
この9ヵ月ブログをやってみたが、「筆が滑りまくる」感覚は1度もない。苦手な科目の期末レポートを書かにゃいかんな〜、調べないとさっぱりわからん、という感じである。リンクをつけたり、字を大きくしたりにこだわっていると、「執筆」というよりも「編集」である。
「hypergraphia」という言葉がある。医学用語にすると「書字運動亢進」というお堅い用語だが、書き出したら「もう、どうにも止まらない」になる症状のことだ。創造的に筆が乗る人もいるが、自己脅迫的に、書くのを止めると気が狂いそうになる人もいる。紙がなくなると、トイレットペーパーにも、手や腕など自分の体にも書き始めるという。
Wikipedia:Hypergraphia
Hypergraphia is an overwhelming urge to write. It is not itself a disorder, but can be associated with temporal lobe changes in epilepsy and mania. Neurologist Alice Weaver Flaherty, in her book The Midnight Disease: The Drive to Write, Writer's Block, and the Creative Brain, describes its relationship to writer's block and to compulsive reading or hyperlexia.
この話は神経学者 Alice Weaver Flaherty の研究と著作が波紋を広げているのだが、彼女は2回双子を出産したが、いずれのときも、出産10日目に突然「書き狂い」が起こって、止まらなくなるという経験をし、薬物投与でこの「異常な亢進」を抑えている。
このような「hypergraphia」は、脳の側頭葉の電気回路が、過剰放電になったり、ショートを起こしたときに発生するようで、病理的には「癲癇(てんかん)」や「躁状態」と関係があるという。癲癇作家の代表例はドストエフスキーで、ほかにもバイロン、ダンテ、モリエール、ペトラルカ、エドガー・アラン・ポー、テニソンを上げる人もいる。
日本のブログやHPでは、「書狂」の名声が高いのは「きっこの日記」あたりか。おしゃべりのように話は飛びまくり、支離滅裂と思いきや、字数は「4〜5千字」というストッパーが効いているので、理性は働いている。この理性を働かせるストッパーの役割が「前頭葉」だそうだ。
「創造性」という話では、「前頭葉」と「側頭葉」の連携がポイントらしい。とにかく何でも話をつなげまくって、次から次へと言葉や連想が浮かぶときは、側頭葉が「舞い上がり」の状態にあるときで、これを制御して「理屈」を追加したり、不要なものを「捨てる」作業をする冷静な編集部が「前頭葉」というわけだ。
ということで、文章に限らず、音楽や美術を含む「創作熱」は、この「側頭葉=前頭葉」の最適モデルで説明できるという話。創造性に関しての「右脳=左脳」のモデルは、最近は相手にされていないらしい。日本では根拠もない「右脳信仰」がはびこっているので、これはいずれ取り上げてみたい。(たとえば七田眞など)
脳内連想で「意外な2つのもの」が結びつくと「ヒラメキ」になるのだろう。以前も1度紹介したが、漢字の「熟語」とカタカナの「外来語」をランダムに結びつけると、どこかで必ず吹き出すくらいに面白い。椎名林檎の最新アルバムタイトル案自動作成システムで、F5キーを何度も押してみよう。
ソフトバンクの孫正義は、3つの単語をランダムに抜き出して、画面にポップアップ表示するというプログラムを「発想の練習」として、自作していた、とどこかで読んだことがある。マスコミや出版社の入社試験にも「三題話」というのがあって、一見関連性の薄い「3つの単語」を上手に使って、1つのストーリーをつくるというもの。
エクセルのマクロを使える人なら、こんな感じになるかも。
Sub Three_stories()
Kazu = [A1].End(xlDown).Row
Rnd1 = Int(Rnd() * Kazu) + 1
Do
Rnd2 = Int(Rnd() * Kazu) + 1
Loop Until Rnd1 <> Rnd2
Do
Rnd3 = Int(Rnd() * Kazu) + 1
Loop Until Rnd3 <> Rnd1 And Rnd3 <> Rnd2
MsgBox Cells(Rnd1, 1) & Space(3) & Cells(Rnd2, 1) & Space(3) & Cells(Rnd3, 1)
End Sub
★手順:エクセルのモジュールに上記のコードをコピーする。ワークシートのA1セルから下方向に単語を10個程度入力。あとはマクロを起動。メッセージボックスに3つの単語がランダムにポップアップする。
Kazu = [A1].End(xlDown).Row
Rnd1 = Int(Rnd() * Kazu) + 1
Do
Rnd2 = Int(Rnd() * Kazu) + 1
Loop Until Rnd1 <> Rnd2
Do
Rnd3 = Int(Rnd() * Kazu) + 1
Loop Until Rnd3 <> Rnd1 And Rnd3 <> Rnd2
MsgBox Cells(Rnd1, 1) & Space(3) & Cells(Rnd2, 1) & Space(3) & Cells(Rnd3, 1)
End Sub
★手順:エクセルのモジュールに上記のコードをコピーする。ワークシートのA1セルから下方向に単語を10個程度入力。あとはマクロを起動。メッセージボックスに3つの単語がランダムにポップアップする。
どんなに書いても書いても、いくらでもネタが出てくる「筆が滑りまくりのブロガー」たちは、このような「単語」「引き出し」「問題意識」がどっさりとあって、意外な項目同士が、ピーンと糸で繋がってしまうのかもしれない。
連想と編集の達人&超人である松岡正剛の千夜千冊になると、自己リンクだけでもすごい。松岡正剛は、連想訓練として「イメージオンリー」の連想を推奨しているが、おそらく、日本語では「ダジャレ」のような「音韻の類似による連想」がすでに過剰になっていることを意識しての、ご推奨かと思われる。
■つぶやき:今日は少しだけ筆が滑った。しかし「前頭葉」がしっかりと編集して、文章は4割を削ぎ落としてしまった。「hypergraphia」になってみたい気もするが、その場合、今の3倍ぐらい危ないことを書きそうなので、コメント欄は閉じた方がよいかも。
■参考:Harvard Gazette: The brains behind writer's block
私の場合、連続エントリが続くときは投稿日は分けていても、
大体一気に書いている事が多いです。その代わり書けない時は書けません。
まー大体、「起承転結」みたいなものを覚えていればその場その場とかは
なんとかなるとは思いますが。でも私のは創作的ではなくて編集系統だと思います。
それと「あ、これで書けるか」というのは大体寝る前に来ます。
なので一晩寝ておいて、忘れていたらそれまで。覚えていたら書くこともあります。
だって所詮、素人。
そんな素人のために最近は「天声人語」を誰でもかけるスクリプトもあるようです。
■便利な!天声人語風メーカー ver.2.1
http://taisa.tm.land.to/tensei.html
>椎名林檎の最新アルバムタイトル案
何回かリロードしたら「仏滅ジャイアンツ」と出ました。
>たとえば七田眞など
楽しみにしています。
ウチは面白いニュースがあるかどうか(それを面白いと感じられるかどうか)に左右されますね。長文のテーマは結構あるのですが、週末にまとめて書くだけの余裕がないのでタイミングを外しまくってます(非国民の天皇家と一夫多妻制、小泉政権と某長編漫画との類似点etc.)。
キッコのどうのこうのって、あういう人がしゃべるとVerbal diarrheaってアメリカではいいますが。
あれは週刊誌の記者集団の共同作業で、ヘアメイクを自称する写真のブスい女は広告塔のダミーだという見方が一般的ですね〜w
ジャーナリストは、ちゃんと取材をして正確な情報に基づいて文章を書かないと訴えられてしまう可能性が高いですからね。
その点、素人のブロガーは気楽なものでしょう。実名は出さないし、よほど悪質な場合を除き、妄言を垂れ流してもとがめられることはない。(せいぜい個人のブログが炎上するだけです。)
万が一筆の滑りがもとで逮捕されるような人間が続出すれば、前頭葉が自然とブレーキをかけるようになるんじゃないでしょうか?(2ちゃんねるあたりでも「ソースは?」って聞かれますからねぇ。)
>あういう人がしゃべるとVerbal diarrheaってアメリカではいいますが。
子供たちは「おなら」のことを「bum burp」(尻ゲップ)と言って喜んでいますが、「verbal diarrhea」(しゃべり下痢)という言葉もあるんですね。でも使うとトラブルになりそうな・・・・。
>あれは週刊誌の記者集団の共同作業
週刊新潮の記者もいるんですか? きっこは社民党支持らしいので。共同作業にした場合、文体と人格をある程度統一させる「最終編集者」の手腕が大切ですね〜。
>万が一筆の滑りがもとで逮捕されるような人間が続出すれば、前頭葉が自然とブレーキをかけるようになる
お気楽個人ブログよりも、朝日新聞などの「前頭葉」(編集デスク)と「側頭葉」(現場記者、特に一部の極左の人たち)の関係が気になるところ。自然とブレーキがかかるのは、いつの日のことやら。
設計見直せ!きみの仕草の優しさにいつ言われてもいいさようなら
思いでのひとつのようでそのままにしておくホテル支柱のへこみ
パラメータ書き直した君の手をふとみるそしてつくづくと見る
コスト下げろよ店を変えるぞいつも恐喝し電話切るキミ
傾いたマンション見上げてそのままの形でいてくれ祈る僕がいる
怖いね と話しかければ 命欲しい?と答えるひとのいる暖かさ
鉄筋を抜きたるキミの手を見るふと見るそしてつくづくと見る
ハンバーガーショップの席を立ち上がるように建築士を捨ててしまおう
愛人でいいのとすり寄る建築士がいてよく言ってくれたねキミと首筋をなぜる
断れきれなくて。。弱かったのですとうつむけば納得する国民がいて
「キミ、俺のものだよ」だなんて。鉄筋100本抜いただけで言ってしまっていいの?
今日までに私がついた嘘なんてどうでもよくなるような、もういくつ寝ると日本沈没?
仕事のない日を過ごすのは耐えらないよ消しゴムください数字替えます。
内河の流れを何にたとえてもたとえきれない恨サルタント
なんにもしない審査機関なんにんも天下りなんにもないからニッポンが好き
思いきり愛されたくて今日も抜きました連続技10本気持ちよかった?細くなったわよ。。。明日もしてあげる
さくらさくらさくら咲き始め咲き終わり証人喚問強制捜査なにもなかったようなわたしの人生
愛された記憶はどこか透明でいつでもひとり遠くできこえるなむみょうほれんげききょう
構造強度コスト安全利益借金ローン返済そこに光と闇を見るひと並びおり
「hypergraphia」と話しかければ「サラダ記念日」と答える人のいるあたたかさ
http://www.gtpweb.net/twr/sakuhin.htm
あたたかい年の瀬をお過ごしください。