2005年07月24日

911の謎:監視カメラに映らない19人のハイジャック犯たち

7月7日のロンドン爆弾テロでは、地下鉄のキングス・クロス駅で、容疑者4人の映像がキャッチされている。

イギリスの監視カメラ網はものすごい。ロンドン市だけで50万台の監視カメラがあり、ロンドンで仕事や生活をする人は、1日平均300回はこの監視カメラに映っている計算だという。イギリスの法律では、断りなしに撮影するとプライバシー権の侵害にあたるため、「監視カメラで撮影してます」という但し書きが至るところにあるのだという。(参考記事:WSJ:Watch on the Thames (2005/7/8)

わが家の同居人の情報によると、イギリスのNational Rail(イギリス国有鉄道)の新型車両には、1車両あたり3つ以上の監視カメラがついているらしい。2年前までは走行中も手動でドアが開く、危険な車両がいっぱいだったが、ここ1年で車両の近代化が一気に進んだことは、私も把握していた。しかし「車内の監視カメラ」には気づかなかった。今度ロンドンに行くときに、車中ならび市街の監視カメラに、注意してみたい。

ロンドン・テロでは、しっかりとカメラが捕らえてくれたのだが、4年前の「911テロ」では、どうしてハイジャック犯の映像がただの1つも出てこないのか。セキュリティの厳しい空港では、搭乗ゲート付近に必ず監視カメラがあるはずである。これに加えて「搭乗者リストの中から、犯人が割り出された」という発表がただの1件もないのは、どうしてなのか?

(■追加:主犯モハメド・アタの監視カメラ映像はあるが、ハイジャック機に搭乗したときのものではない。ペンタゴン突入組の監視カメラ映像は、2004年7月にAP通信にリークされた。本文下の追加項目を参照のこと。)

フライト出発地激突乗員&乗客ハイジャック犯
AA-11Boston8:45 WTC-1乗員11人
乗客76人
搭乗リスト
5人(写真)
  • Mohammed Atta(主犯)C
  • Abdulaziz Alomari @
  • Stam Al Suqnami
  • Waleed Al-Shehri A
  • Wail Al-Shehri B
  • UA-175Boston9:05 WTC-2乗員9人
    乗客46人
    搭乗リスト
    5人(写真)
  • Marwan Al-Shehri @
  • Fayez Ahmed
  • Mohand Al-Shehri
  • Hamza Al-Ghamdi
  • Ahmad Al-Ghamdi
  • AA-77Washington9:39 Pentagon乗員6人
    乗客50人
    搭乗リスト
    5人(写真)
  • Salem Al-Hazmi @
  • Khalid Al-Midhar A
  • Hani Hanjour
  • Majed Moqed
  • Nawaf Al-Hazmi
  • UA-93New York10:03 Shanksvills乗員7人
    乗客26人
    搭乗リスト
    4人(写真)
  • Saeed Al-Ghamdi @
  • Ahmed Al-Nami B
  • Ahmed Al-Haznawi
  • Ziad Samir Jarrah
  • ■注:@=2001年9月20日に生存との報道/A=2001年9月23日(BBC)/B=2001年9月23日(News Telegraph)/C=2002年9月2日(Gardian)

    搭乗リストの中に犯人の実名はない。このリストから犯人が除かれているのか否かも不明のままだ。犯人たちは、一体どんな名前を使って航空機に乗り込んだのか?

    この問題に絡んで、情報公開法に基づき、ペンタゴン墜落機(AA77便)の検死結果の情報公開を請求した人がいる。(Autopsy: No Arabs on Flight 77

    2002年4月3日のこの公開請求に対する回答(2003/6/20)では、AA77便に搭乗していた「58人」の検死が行われた(2001/11/16)ことが明らかにされている。しかしながら、表中にもある通り、搭乗リストに記載されている「56人」(乗員6+乗客50)とは食い違っている。差分の「2人」がハイジャック犯ということなのだろうか?

    回答文には検死体で身元が確認された名前が載っている。搭乗リストには存在しない、新しい名前「Robert Ploger」、「Zandra Ploger」、「Sandra Teague」が登場している。一方、搭乗リストにあった乳児「Dana Falkenberg」は、遺体が確認できなかった、としている。

    すなわち、新たに3人が増え(+3)、幼児1人が未確認(−1)となって、全体で2人増えた(+2)ことになる。この検死の中でも「アラブ人」は確認されていない。その後、搭乗リストが訂正されたという話もない。アメリカ政府やFBIは疑問には何も答えない。飛行機には本当にテロリストが乗っていたのか、という疑問が起こってくるのも当然である。

    911テロが発生してから48時間後の2001年9月13日、FBIはハイジャック犯19人の顔写真と名前を発表している。その2週間後(2001/9/27)、19人の顔写真はFBIのHP上に公開され、その後変更されていない。(表中のリンクを参照のこと)

    ところが、2001年9月20日に早くも「物言い」がついている。ブッシュ大統領との会談後、サウジアラビアのファイサル(al-Faisal)外相は、「19人のうち、4人は無関係で生存している」と発表した。3日後の9月23日、BBCは5人目のWaleed Al-Shehri容疑者と、6人目のKahalid Al-Midhar容疑者が生きていると報道した。

    BBC News:Hijack 'suspects' alive and well (2001/9/23)
    Saudi Arabian pilot Waleed Al Shehri was one of five men that the FBI said had deliberately crashed American Airlines flight 11 into the World Trade Centre on 11 September.<中略>Now he is protesting his innocence from Casablanca, Morocco.

    He told journalists there that he had nothing to do with the attacks on New York and Washington, and had been in Morocco when they happened. He has contacted both the Saudi and American authorities, according to Saudi press reports.<中略>

    And there are suggestions that another suspect, Khalid Al Midhar, may also be alive.


    【訳】サウジアラビアのパイロット、ワイード・アル・シェフリ氏は、9月11日にアメリカン航空11便を世界貿易センターに激突させた5人の1人として、FBIから名指しされた。その彼がモロッコのカサブランカで無実を訴えている。当日はモロッコにいたため、NYとワシントンのテロとは無関係だ、と報道陣に語った。もう1人の容疑者ハリド・アル・ミダル氏も生きているらしい。

    サウジアラビアのナエフ内相は、2001年9月23日に「19人のうち、7人のサウジアラビア人は無関係であり、消息も確認した」と発表している。さらに約1年後、主犯のモハメッド・アタも生存している、という報道まで現れた。

    Gardian:Father insists alleged leader is still alive (2002/9/2)
    The father of Mohammed Atta, the alleged ringleader of the September 11 attacks, said in an interview published yesterday that his son was still alive.

    "He is hiding in a secret place so as not to be murdered by the US secret services," Mohammed el-Amir Atta, 66, told the German newspaper Bild am Sonntag. He also vehemently denied that his son - believed to have flown the first plane into the World Trade Centre - had taken part in the atrocities, blaming them instead on "American Christians". <中略>

    "As I saw the picture of my son," he said, "I knew that he hadn't done it. My son called me the day after the attacks on September 12 at around midday. We spoke for two minutes about this and that."

    "He didn't tell me where he was calling from. At that time neither of us knew anything about the attacks."

    【訳】主犯格モハメッド・アタの父親は、ドイツ紙『ビルト・アム・ゾンターク』に、息子は生きている、と語った。「アメリカのシークレット・サービスの暗殺を恐れ、秘密の場所に隠れている」と明かし、息子が世界貿易センターへのテロに関与していない、アメリカのキリスト教徒の責任だ、としている。「息子の顔写真を見たときに、犯人は息子ではない、とわかっていた。事件の翌日9月12日の日中に息子から電話があり、2分間話をした。どこから電話してきたのかは、わからない。そのときはお互いにテロのことを知らなかった」という。

    主犯格のアタ容疑者の場合は、1年後の父親による述懐なので差し引いて読まなければいけないが、事件の12日後(2001年9月23日)までに7人の生存が確認され、1人の生存が憶測されている。にもかかわらず、FBIもアメリカ政府も犯人を訂正しない。日本のマスコミでも完全な素通りではなかったか。

    最初に貿易センターに突っ込んだ「AA11便」の場合は、5人ではなく、2人でハイジャックしたことになってしまった。万が一、主犯格のアタが生きているとなると、あの壮大なテロ事件の幕開けとなった最初の1機目は、たった1人でハイジャックされ、乗務員11人を押さえ込みながら、NY貿易センターに向かったことになる。

    警察(FBI)発表を鵜呑みにしてはいけない。

    追加(2006/8/5):「犯人の生存発表」の意味するところは、盗まれたIDが使われたということだ。よって「顔写真の犯人がいない」ことを意味しない。もちろん「顔写真のハイジャック犯がいる」という証拠もなにもない。

    ■追加1:「Al-Shehri」という名前がやたらと多いが・・・
    最初に突入した「AA11便」に2人の「Al-Shehri(Shihri)」があるが、彼らは兄弟だ。
    Arab News:Al-Shihri says sons missing for 10 months (2001/9/17)
    Muhammad Ali Al-Shihri added that he did not know that his sons, Wael and Waleed, had traveled abroad, although he said that he had lost track of them some months ago.

    ■追加2:主犯Atta(アタ)の空港映像について
    初出日時は不明だが、FBIのHPに、主犯Attaのポートランド空港映像がある。WIKIPEDIAの拡大映像はこちら。主犯AttaとAl-Omoriは一緒に行動し、ポートランドで1泊し、当日朝6:00に「ポートランド→ボストン」便に乗り、7:45に「ボストン→ロサンゼルス」AA11便に乗り、ハイジャックしたことになっている。

    FBIは前日のポートランドでの動き、ならびポートランド空港での映像は公開しているが、肝心のボストン・ローガン空港での映像がない。ローガン空港の朝は混み合ってはいるが、犯人の2人は額に汗を流しながら、ギリギリで搭乗したことになっている。映像は必ずあるはずなのだが。

    ■追加3:ハイジャック犯の搭乗映像の初出は2004年7月21日
     AP通信は、事件の2年10ヵ月後になって、ペンタゴン突入組のワシントン・ダレス空港搭乗の映像を入手した、という記事を掲載した。このような映像が3年近く、どうして公表されないのか。AP通信の記事は、「The 9-11 Commission Report」が発表される前日のリーク報道であり、政治的な臭いが漂っている。

    ■追加4:アタの父親は「息子は無関係」の前言撤回? CNNの印象操作記事?
    CNN:Atta's father praises London bombs (2005/7/20)
    El-Amir said the attacks in the United States and the July 7 attacks in London were the beginning of what would be a 50-year religious war, in which there would be many more fighters like his son.

    ■参考サイト:
  • EIGHT of the alleged September 11th Hijackers are Alive
  • 9.11テロのハイジャック機は遠隔操作されていた!?
  • WIKIPEDIA:Waleed al-Shehri
  • ヒロさんの「911テロ」シリーズの一覧
  • posted by ヒロさん at 06:55 | Comment(7) | TrackBack(1) | 911真相究明
    この記事へのコメント
    TITLE: 911の実行犯
    911については、あの後アフガン攻撃へと事態が動いていったせいか、911の実行犯についての報道がいつのまにかかすんで消えていっている印象はありますね。アタについては、過激派に洗脳されてしまった過程を雑誌で特集していたのを読みましたが、それも怪しいのかもしれないんですか?言われてみると、あれは現実に失望した有能な青年が過激思想にかぶれていくという、わかりやすいストーリーにまとめられてたなとは思います。あとは、実行犯とされた人物が母国でいたというのは新聞サイトの記事で読んだ記憶が。あまり話題にならないままスルーされてしまいましたが。その頃、ビン・ラーディンのPV(?)が、すでにがんがん流れてたからかな???
    私は自作自演だとは思っていないのですが、実行犯についてははっきりしないまま報道が消えていったのが不満として残っています。ブラックボックスが公開されたなんて話も聞かないままです。
    Posted by nessko at 2005年07月25日 06:21
    TITLE: 主犯モハメド・アタの空港映像あり
    主犯モハメド・アタが空港ゲートを通過する映像は、英語版ウィキペディアにありました。ただし、ハイジャック機に搭乗するボストン(ローガン空港)の映像ではなく、メーン州ポートランド空港での映像。初出がいつなのか、調査中です。
    http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Atta_in_airport.jpg
    (↑このリンクは本文中にも追加しました)
    Posted by Hiro-san at 2005年07月25日 17:41
    TITLE: ハイジャック犯の搭乗映像は1つもなし
     主犯モハメド・アタが前日に泊まった宿は、テロ事件の数時間後にFBIの手入れが始まっています。ということはアタは「泳がされていた」可能性がありますね。ポートランド空港での映像は、夜明け前にもかからず「陽光がある」として、捏造を疑っている人もいます。それにしても、アタはアルオモリ(Al-Omori)と2人で行動していますが、アルオモリの方は、サウジアラビアの外相と内相の両方の発表で「生存宣言」が出ています。とすると、この実行犯とされる2人は、本当は誰なのでしょうか?
     「911調査委員会最終レポート」の前日にリークされた、ペンタゴン突入組の搭乗映像は、ほとんど信頼に値しません。3年後にわざわざ出したものの、本人かどうかもわからず、ぼんやりとした映像です。
    http://www.prisonplanet.tv/articles/july2004/210704videoshows.htm
     この写真の青シャツが Nawaf al-Hazmi、白シャツが兄弟の Salem al-Hazmi です。しかし白シャツのSalemも「生存宣言」が出されています。

     ということで、ハイジャック犯の搭乗映像は1つもない、と結論しておきます。
    Posted by Hiro-san at 2005年07月26日 18:07
    TITLE: 事件はおきたけど実行犯はわからない
    こんにちは。時期がずれたコメントすみません。
    一度拝見して考えておりました。

    記事は、
    「実行犯飛行機搭乗証拠影像も検視結果も無い。
    そして、生存説のある公開犯人の生存証拠もない。
    あるのは『この人達は○○である』という発表だけ」。

    ということをおっしゃっているようによめるのですが。

    犯人だと言って、人の写真を世界に公開し、
    納得できる裏づけがないというのは問題のある状態ですね。

    ところで、「アタは「泳がされていた」可能性がありますね」の記事についてですが、
    添付したリンク先で、「二人のアタの個人情報誤認」について記事だあります。

    On 12 April 1986, Mahmoud Mahmoud Atta (also known as Mahmoud Abad Ahmad), a 33-year-old Jordanian native, ambushed a passenger bus in the Israeli-occupied West Bank. ・・・

    この1986年バス爆破人物がFBIに逮捕され手イスラエルに送られたのですが、
    このことで
    偶然にも今回の新アタが早くからテロ調査機関の監視対象にあったのかもしれません。
    期限切れのビザや飛行学校の記録などがあったことからも結論付けられたのでしょうかね。

    どうも失礼しました。
    Posted by dochitebouya_usa at 2005年08月11日 13:03
    TITLE: Iside 9-11
    こんにちは、今晩Inside 9−11という番組がNational GeographicChannelで放送されました。
    公にされている情報を、コックピットのテープ記録も含め、
    時間を追って丁寧に、
    2005年7月におきたエジプトのテロ攻撃まで加えてまとめてありました。

    パイロットメンバーがドイツで過激な教えのモスクに通い、
    Attaを中心として行動し、メンバーが米国に移民する前から
    パイロットの訓練を終えるまで行動をともにしていたことも。

    そして、最後にはオサマ・ビン・ラデイン言葉抜粋がありました。
    米国大統領選直前
    We had to destroy the towers in America
    so they taste what we tasted, and
    they stop killing our women and children.

    2001 Jan 
    We love death. The US loves life. That is the big diffrences between us.

    確かに、Attaは情報網に引っかかっていたようですが、上まで情報がいかなくてとまっていたらしいです。

    9−11はUSAのいろんな意味での
    想像力のなさと、情報関係者の連携の悪さが招いた結果として自分は受け止めました。

    どうもしつれししました。
    Posted by dochitebouya_usa at 2005年08月23日 16:43
    TITLE: Flight77 乗客の遺体身元確認
    このフライトでの犠牲者の遺体だけが確認されてるわけなのでもう少し詳しく知りたいのです。
    *遺体は全てペンタゴン破壊内部に残ってたはずですが、飛行機客席の残骸とか、客席に座ったままの遺体とか、明らかにこのフライトでの犠牲者だとわかる写真はあるのですか?
    *ここでの遺体はCIA又はFBIの従業員が検視Labまで運び、どこかを中継したので他から遺体を合流することはありえるわけですね?
    Posted by リリー at 2009年09月12日 03:46
    TITLE: >Flight77 乗客の遺体身元確認
    ペンタゴン内の遺体写真は、ザカリアス・ムサウィの裁判で証拠として提出されました。詳しくは以下のコメント欄へ。
    http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1628034
    ただし4枚の写真はリンク切れなので、ネットで探してみてください。
    Posted by Hiro-san★ブログ主 at 2009年09月12日 08:51
    コメントを書く
    お名前: [必須入力]

    メールアドレス:

    ホームページアドレス:

    コメント: [必須入力]

    認証コード: [必須入力]


    ※画像の中の文字を半角で入力してください。

    この記事へのトラックバック

    誤射?ロンドン爆破テロの波紋
    Excerpt: ■ちょっと昔の印象ですが、短時間にパリとロンドンを続けて訪問すると、二つの都市の警察の違いに驚く経験をします。ロンドンの警察官は観光客に対して非常に親切で、バッキンガム宮殿の衛兵さんと同様に並んで写真..
    Weblog: 旅限無(りょげむ)
    Tracked: 2005-07-24 08:20
    ×

    この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。