国際的に日本を貶める言論戦のテーマは、「従軍慰安婦」と「南京大虐殺」に加え、「天皇責任論」が延々と続いている。イギリスでは若い人たちを除いて「ヒロヒト」を知らない人はいない。私が自己紹介すると、「日本ではヒロがつく名前が多いのか、ヒロヒトのように」という話になることが多い。
近所の公共図書館で日本関係の歴史書があるかどうかを調べたが、見つかったのは『The Yamato Dynasty : The Secret History of Japan's Imperial Family』の1冊だけだった。まだ読みかけで、明治天皇と伊藤博文の秘話など面白い話もあるのだが、「山口組は長州(山口県)の愚連隊が発展したもの」というトンデモない誤謬も散りばめられている。
「南京大虐殺」論争に火をつけたのは、今は亡き人になったアイリス・チャンの『Rape of Nanking』だ。一方、「天皇責任論」の先鋒となっているのはハーバート・ビックスの『Hirohito and the Making of Modern Japan』(邦訳:『昭和天皇』)である。
Amazon.co.jp:『昭和天皇』のブックレビュー
アメリカ人歴史学者のハーバート・ビックスが、10年の歳月をかけて書き上げた長大な「天皇ヒロヒト」伝である。昭和天皇について書くということは、祖父・明治天皇のもとで西洋型近代国家となった日本が、軍事大国を妄想したあげくに崩壊していく過程を描くことにほかならない。その意味で、本書は初めて英語で記述された緻密な日本近現代史と言うことができる。
「本書の主な関心は、国家の元首および軍の最高指揮官としての彼の名で、その積極的な指揮のもとで行われた戦争の道義的、政治的、法的な説明責任を、天皇が公的に認めずに済んだ点にある」。著者は「ヒロヒト」執筆の動機をこう説明する。つまり東京裁判で免れた昭和天皇の「戦争責任」を改めて問い直そうというのである。そのためにビックスは1500余点にのぼる膨大な文献資料を集め、それを「証拠」として「独裁的天皇制の枠組みにおける単なる御輿であり、軍部の操り人形にすぎなかった」という従来の定説を否定している。
さて、この本に対して英語圏の読者はどのように反応したのか。2000年の出版以来、Amazon.com(米)のブックレビュー(書評)欄では、息の長い言論戦が進行している。決めつけあり、冷静な分析あり、もしかしたら「工作員」による書き込みがあるかもしれない。2005年4月時点で61編のレビューが寄せられており、これを抜粋・要約してみた。
「要約」といっても700頁の大作にコメントを寄せる方の言説は並大抵ではなく、私が面白いと思った部分をなるべく重複を排しながらピックアップしたものとして、お楽しみいただきたい。
◆注:表内の「評価」はレビューを書いた本人による5段階評価。
| 日付 | 評価 | レビュー内容 |
| 2000/9/6 | 3 | ヒロヒトの戦争責任を認めない限り、日本の贖罪は終わらない。中国人の1人として、この本を日本人に推奨する。周知の通り、日本人は歴史改竄が好きで、南京虐殺の事実も認めない。 |
| 2000/9/7 | 4 | ヒロヒトは、軍部顧問に操られた無能力な指導者ではまったくなく、神国日本を最後まで操縦した張本人。 |
| 2000/9/14 | 4 | この本の重要なポイントは、日本が贖罪できないのは理由は、ヒロヒト個人の責任を追求できていないから、という言説。 |
| 2000/9/19 | 5 | 1971年にDavid Bergaminiが『Japan's Imperial Conspiracy』を著わしたが、日本の歴史界と西側の学術界で封印された。ビックス教授はこのBergaminiを再構築したもの。日本の出版界はこの本の翻訳出版を拒絶するばかりか、南京虐殺を悪質なデマだと主張し、中国などで行った残虐行為を認めていない。 |
| 2000/9/28 | 4 | ヒロヒトがいかにして戦争犯罪を免れ、国家統合と反共のシンボルになったか、が書かれている。 |
| 2000/10/16 | 1 | 日本の高学歴の知識人なら、この本の内容はよく知っているはず。このようなアングラの知識は、ヨーロッパでいえばロスチャイルドのようなもの。国際メディアのメンタリティを思うとき、いまだに日本に犯罪的イメージを押し着せようとする白人ファシズムを感じる。(日本人) |
| 2000/10/16 | 5 | <同上・重複> |
| 2000/11/2 | 5 | 日本の左翼の目から見て、目新しいことはなにもない。ヒロヒトは疑いなく、数百万人の死者に責任があるNo1の戦争犯罪人だ。ヒロヒトが処刑を免れた理由は、マッカーサー将軍が日本国内の動乱を抑えるための有効な道具であると判断したから。大戦直後に天皇制は廃止され、真の民主主義が確立されるべきだったが、保守政党によって戦後55年以上も無視されてきた。 この本はタブーとして日本で翻訳出版されていない。私は2007年の定年後に「昭和天皇とアメリカのシーザー(マッカーサー):戦後日本の致命的な秘密」を日本語で執筆するつもりだ。(日本人) |
| 2000/11/14 | 4 | この本は1次ソースをあたっており、日本語からの翻訳の苦労が忍ばれる。日本軍は大戦以前から中国を侵攻しているが、ヒロヒトはこれをいっさい止めなかった。この本はトルーマンの原爆投下を「忍耐と先見性の欠如によるもの」と否定的に書いているところが気に入らない。この件では『Truman and the Bomb』をお薦めする。 最後の50頁は『Embracing Defeat』の読者には不要の部分だ。占領軍統治の記述はほかの著書にくらべて、それほどよくない。 |
| 2000/11/30 | 5 | この本は米政府が丹念に作り上げたヒロヒトのイメージを粉砕した。裏側から指示を出していたのはヒロヒトであり、真珠湾攻撃も彼の決定だ。日本のWeb書店でこの本を検索してみたが、英文・日本語訳ともにヒットしなかった。日本では天皇はタブーであり、狂信的右翼がいることを考えると、この本は絶対に翻訳出版されないだろう。 |
| 2000/12/25 | 4 | ヒロヒトの虚像を喧伝したのは、マッカーサー将軍と伝記作家たち(Nicholas Mosley, Stephen Largeなど)だ。ヒロヒトは独裁者ではないが、彼の受けた教育は専制的で非民主的なものだ。「大正デモクラシー」とは、天皇寄りの2大政党が共和派と左派を抑圧した歴史にすぎない。関東大震災後に数千人の朝鮮人が虐殺された事件も日本の腐敗の象徴。東条英機はヒロヒトのお気に入りだった。 |
| 2000/12/27 | 5 | アメリカの「虚像工作」はあまりにも念入りだったため、真実が暴露されるまでに50年の年月を要した。学者のライシャワーも「神話づくり」に貢献した。真実を隠蔽したきた罪では、アメリカも同罪だ。 |
| 2001/1/3 | 4 | 1200頁を超える『Japan's Imerial Conspiracy』(by David Bergamini)の方がもっとすごい。アキヒトが生まれる前に、ヒロヒトには皇后以外の女性への人工授精で生まれた男児がいたことを知っているか? |
| 2001/1/3 | 3 | この本は文化的側面が軽視されている。明治の直前まで続いていた封建体制や鎖国についての言及がない。 |
| 2001/2/26 | 3 | 皇太子ヒロヒトの挙動をすべて「諧謔的」に扱っているのが問題だ。さまざまなニュアンスをすべて白黒に色分けしている。天皇が「戦後日本の民主主義を抑圧した」といった話は、著者のたわごとであり、政治的な嗜好にすぎない。 |
| 2001/3/13 | 1 | 千年以上も孤立していた国を現代の政治思考で斬る手法が問題。学術書でもあり、タブロイド紙的でもある。 |
| 2001/3/16 | 4 | 詳しすぎて読むのが大変。近年の日本経済の低迷の一端は、権謀術数の政治システムにあることがわかった。 |
| 2001/3/18 | 5 | 戦後ヨーロッパでドイツの技術が反共に使われたように、日本ではヒロヒトが反共に使われた。 |
| 2001/3/27 | 4 | 最初は読むのが辛いが、1931年以降は引き込まれる。 |
| 2001/7/5 | 3 | 昨日、セルビアのミロセビッチは国際法廷で裁かれたが、ヒロヒトは1931−1945年の戦争犯罪でいつ裁かれるのか? |
| 2001/7/9 | 5 | 従来の歴史観を覆した。冷戦の終結とともに、日米関係が変化した結果だ。世界の地政学を理解するための良書だ。 |
| 2001/7/13 | 4 | 文体の質は必ずしもよくないが、ヒロヒトだけでなく、日本の軍部、文化、民主主義の理解に役に立つ。 |
| 2001/7/17 | 4 | 見事な大作だが、証拠・資料が乏しい部分では、著者の「色」が出てくることに注意。西洋で「エンペラー」といえば、ローマ皇帝の神権政治を思い起こすが、日本の不可解な行動を理解するには、天皇の「神権政治」の側面を理解する必要がある。 |
| 2001/8/2 | 4 | 与太本の『Yamato Dynasty』とは違って、ソースは全部日本語を使っている。ただヒロヒトの犯罪性は「臭わせた」が証明するに至っていない。 |
| 2001/8/31 | 5 | 「現人神(あらひとがみ)」ヒロヒトのカルト崇拝的なイメージは、戦中の国粋主義により変色したが、マッカーサーの意向で再び輝きを取り戻した。ソースの日本語テキストはなぜ今まで放置されてきたのか。日本でもっと議論されることが望ましい。 |
| 2001/9/27 | 5 | ピューリッツア賞と全米書評協会賞に輝いたのも頷ける。ヒロヒトがヒットラー、スターリン、ムッソリーニとは違うといっても、スタイル上の違いにすぎない。ペーパーバック版にヒロヒトの年譜がないこと、明治維新や神道の背景説明がないことが不満だが、是非とも推薦したい1冊だ。 |
| 2001/10/23 | 5 | ヒロヒトは神ではない。彼を殺さなかったアメリカの何たる愚かさ! |
| 2001/10/25 | 3 | ヒロヒトの伝記としては最高作だ。「普遍的平和」や「アジアは皆兄弟」という詩的スローガンは、アジア支配のための目くらましであり、「神国」日本は、民主主義やマルクス主義を抑え込むための旗印だ。 対外侵略に向かった日本は、「武士道」という蛮行のもと、5千万人の中国人と朝鮮人を殺害し、自滅するに至った。戦後、ヒロヒトならびその息子から謝罪のコトバはなく、これが日本がアジア諸国から愛されず、信頼されない理由である。 ヒロヒトを取り巻く側近・政治家の図表があれば、もっとよかった。 |
| 2001/11/5 | 3 | 詳細な伝記ではあるが、チャーチル、ヒットラー、ルーズベルトなどの伝記と比較して、手記や証言が少なく、ヒロヒトという人物の全体像が見えてこない。ヒロヒトの政治関与についても十分な証拠を示していない。 この本では、日本が1920年代の立憲君主制から、30年代の軍事独裁に移行した経緯が明らかにされていない。中国での拡張政策に関しても同様である。この本は学術スタイルなので、Barbara Tuchman や Robert Massie のような読み易さを期待してはいけない。 |
| 2001/12/6 | 4 | この本は、文化背景の差を考慮していないところが失点だ。今日でも日本と欧米の文化差は大きく、西洋で当然と思われている概念が、日本ではそうなっていない。日本人は(ルース・ベネディクト『菊と刀』が指摘するように)モラルと罪の意識に従うのではなく、直後の他者判断を考慮する「恥の意識」に従う。 |
| 2001/12/31 | 3 | チャーチルを描いたWilliam Manchesterの『Last Lion』のような内容を期待するとガッカリする。あまりにも退屈な内容に、最初の300頁でストップしてしまった。 |
| 2002/1/4 | 4 | 著者は日本人と結婚し、日本語も達者だ。1930−1945年の日本の戦争史としても好著だ。 |
| 2002/2/25 | 4 | ヒロヒトの生い立ちを扱った最初の3分の1は、いくぶん冗長だ。しかし即位後は加速し、戦争中の記述はもっとスローダウンしてほしかった。戦後の1960−1989年の役割についてはもっと知りたい。 |
| 2002/3/5 | 4 | これを読むことで、第2次大戦の全貌が明らかになる。 |
| 2002/4/5 | 5 | この本に不満を寄せる人は、まずBergaminiの『Japan's Imperial Conspiracy』を読め。 |
| 2002/4/27 | 4 | 最初はつまらないが、350頁以降は面白い。 |
| 2002/5/8 | 1 | アジア地域研究家にありがちなワンパターンの書き方だ。登場人物の図表整理がないと、とても読みきることができない。 |
| 2002/5/18 | 5 | アメリカ人の淡々とした書きぶりが空恐ろしい。南京虐殺に関与したヒロヒトをなぜ「化け物」と呼ばないのか。先に「ヒロヒトが処刑されなかったことに対する著者の憤懣があふれており、注意して読むべきだ」と書いた人がいた。もしこれがヒットラーだったら、こんな言い方は考えられまい。 |
| 2002/6/7 | 4 | 最初はゆっくりだが、第2次世界大戦に入るととても速い。 |
| 2002/10/29 | 4 | すばらしい本だ。あえて苦言をいうと、西側の立場だけで書かれており、日本文化の特性への視点がない。 |
| 2003/1/19 | 5 | 中国・朝鮮・米国を侵略したヒロヒトの役割が明確に示されている。「硫黄島上陸の星条旗の写真は捏造だ」というウワサを繰り返していることが残念。この件ではBradleyの『Flags of Our Fathers』を読め。 |
| 2003/1/26 | 1 | ビックスは日本で教授経験のあるアメリカ人だ。彼は、日本の学術界でいまだに影響力をもつ新マルクス主義史観の信奉者である。使われている史料は、内閣や政府関連機関が作成したものにすぎず、同じ史料を使って、他の歴史学者は別の結論を出している。また自分が扱わなかった史料を使う論文があっても、彼はそれを決して引用しない。 この本は(ビックスが自分の結論に不利なる史料をはずしたことを理解できるような)大正・昭和時代に詳しい人が読む限りにおいては、ヒロヒトの全体像を知る上で参考になるだろう。 |
| 2003/1/31 | 2 | この本にはいくつかの問題がある。第1に、彼の文体はドライで、歴史的興奮の場面も興醒めになる。第2に、「ヒロヒトこそ戦争を指揮した張本人」といいながら史料を示すが、その史料を読んでも彼のような結論を導き出せない。第3に、政治的な誘導が激しい。 私は日本の1920−30年代のことは詳しくないので何も言えないが、「佐藤内閣はアメリカのベトナム侵攻を支持していた」「レーガンはすぐにソビエトとの核軍拡競争に火をつけた・・・」などの表現を見るにつけて、彼の言説はかなり差し引いて解釈しなければならない、と感じる。 |
| 2003/1/31 | 2 | <同上・重複> |
| 2003/3/2 | 4 | 「ヒロヒトの私生活」ではなく、「近代日本のからくり」を明らかにした本だ。ヒロヒトを取り巻く政治家・側近はほとんど自殺するか処刑され、彼のみが生き残った。歴史は何と不公平なのだろう! |
| 2003/5/13 | 2 | 時間的に前後に飛ぶ解説が多く、戦前の日本の政治に詳しくない人には難解である。登場人物の扱いがヘタで、かなり前のページで登場した人物が、何の前置きもなく突然現れる。本の装丁では、脚注(footnote)を巻末注(endnote)に押し込んだこともいただけない。 |
| 2003/7/14 | 1 | 日本にとっては「植民地にされるか、自ら植民者になるか、の2つに1つの選択しかなかった」という枠組みが欠如している。日本の大東亜共栄圏は、西側列強による征服・侵略との対比で考える必要がある。日本製品のボイコットや移民制限など、欧米による人種差別も考慮すべきだ。 ビックスは「西側のスタイルに従わない」という理由でヒロヒトを非難している。ヒロヒトは確かに裁かれるべきだった。しかし同時に、インドネシアでの暴虐でオランダ王室も裁かれるべきであり、インドシナとアルジェリアの侵略でドゴールも、そしてベトナム侵攻でアメリカ歴代大統領も裁かれるべきだ。 |
| 2003/7/15 | 3 | 誰でも飛びつきたくなる本だが、一連のレビューを読んでみて、当初の思い入れを見直すことになった。著者は「歴史に命を吹き込む」書き手ではない。また、新マルクス主義者であると知って、騙された思いがする。ノーム・チョムスキーらのマルクス主義学者が絶賛していることも、頷ける。 それを差し引いても、マッカーサーとヒロヒトの関係の詳細は興味深い。政治家たちの写真も大いに役立った。 |
| 2003/10/15 | 5 | 昭和天皇の「公の姿」は徹底的に管理されており、ヒロヒトの人物像を探る試みは、95%は資料を元にした想像の域を出ないが、ビックスは「真実に近づいた」と思う。列強の軍事的・経済的脅威に対面した日本という図式は、現在の中東情勢にもあてはめることができる。 |
| 2003/12/4 | 4 | ヒロヒトが自国のためになると思えば、特定の政策に同意したとしても当然のことだ。ビックスは昭和天皇の政治的決断をくだした状況を誤解している。著者が明らかにしたの戦前の日本の歴史であり、ヒロヒトの人物像ではない。 |
| 2004/1/8 | 5 | 他のレビューを読むまで、ビックスがマルクス主義者であるとは知らなかった。だが、本の内容にはマルクス主義の片鱗も見られない。 |
| 2004/3/8 | 1 | ビックスが書いたのは「歴史書」ではない。原爆投下に対するヒロヒトの言葉をほとんど扱っていない。「原爆投下もヒロヒトの責任」というだけの自信がなかったのだろう。 |
| 2004/3/16 | 5 | 偶然、Ian Kershawの『Adolf Hitler』と並行して読むことになったが、ヒットラーとヒロヒトでは全く正反対の人物像だ。 ヒロヒトの性格を形成したのは彼に施された教育である。神聖化されたヒロヒトは、結果的に議会を弱体化させ、30年代の内紛と国際紛争を招いていく。恐慌後の日本の「ニューディール政策」は中国からの略奪だった。国粋主義を利用した点ではヒットラーと同じである。 |
| 2004/3/30 | 5 | ヒットラーとは異なり、ヒロヒトはアジアの大日本帝国を夢見る軍将校たちに育てられた。戦争は人種差別と人種差別の戦いでもある。「優れた」日本民族と、これを「黄禍」とみる西側列強との戦いである。この戦争から学ぶべき教訓は多い。(日本人) |
| 2004/4/10 | 1 | この本には失望した。本のタイトルも誤解を招く。近代日本をつくったのはヒロヒトではなく明治天皇だ。さらに「近代化」の過程を語ることなく、ヒロヒトの退屈な記述に終始している。 |
| 2004/5/31 | 5 | 明治憲法の下では、陸海軍参謀本部は陸軍・海軍省から完全に独立していた。ヒロヒトには陸軍・海軍省から助言を受ける「皇帝」としての顔と、参謀本部から助言を受ける「統帥」としての顔があった。著者はこんな自明のことにすら言及していない。 |
| 2004/7/6 | 2 | この本の「新事実」は、日本の左翼が長年主張してきたことで新しくも何ともない。「日本は学校でも南京大虐殺はウソであると教えている」という書き込みがあったが、これは誤認だ。私は日本で英語教師をしたことがあるが、日本では相当の時間を割いて、南京を含む戦争の悲惨さを教えている。しかし比較検証や意見の多様性を無視し、根拠のない言説をもとに特定民族(日本人)を語るやり方は、いただけない。 |
| 2004/11/16 | 5 | 難解ではあるが日本の学生には薦めたい。私も以前は、敗戦後のヒロヒトの美談を信じていたが、考えが変わった。軍への降伏命令は、マッカーサーとの取引で保身が図られることを見越しての命令だ。 |
| 2005/3/15 | 4 | アメリカ占領軍統治と1952年以降の秘話は、特筆に価する。20世紀に最も愛され、最も憎まれた人物を綴る秀逸な伝記であることは、まちがいない。 |
■参考資料:
ところで昨今騒がしい靖国問題ですが、姜尚中は、
「A級戦犯は単純には糾弾できないが、それを復権すると天皇の戦争責任が暴かれるよ。それでいいの?」
というプロパガンダ戦をはるみたいです。
「戦犯否定or天皇否定」という似非択一構図を刷り込みたいようですが、その背景には「天皇には責任があるにきまっているじゃん。」というこういう欧米学者の認識の受け売りがあるので、保守派としてはビックスはきっちり論破しておくべき相手でしょうね。
僕は山本七平の『裕仁天皇の昭和史』の線で十分だと思いますが。
emperor hirohitoと言うドキュメンタリーのテレビ番組が1995年にhistory channel かPBSかで流されたのですが、ヒットラーのポーランド侵攻に対しての昭和天皇の称賛の手紙も紹介されました。かなりの情報量でしたが録画をしていなかったので裏覚えですが、(画面に釘付けになっていたので一時間番組か二時間番組かも覚えていない)かなりの映像がありました。ちょうどGHQの終了50周年に制作されたらしいのですが、また事実が当時の大統領のクリントンによって闇に葬りこまれてしまいました。
英国がジェネラル山下の旧日本帝国陸軍に完全に降伏したマレーの戦いでは、大英国至上初めての負け戦で、それも「東洋の黄猿」と言われていた劣勢人種の率いる日本軍に負けたのは恥や侮辱と言うより、想像を通り越した事のように英国の年寄りどもは未だに忘れていません。
同じくロシアの私の世代もみんな日ロ戦争をロシア歴史で教わっており、彼らは反対にあんな小さな国でよく頑張ったと言います。
c.f.
九里一平監修の日本戦記で途中で没になった1971年のテレビ番組があります。「戦争賛美」、「軍国主義の復活」、「右寄り」などと各方面(主にPTA、各教育団体など)から非難されたことだったそうです。ここでは昭和天皇は一切紹介されておりません。しかし、テレビも昔はここまでできたと言うのは今では信じがたいですね。
62編のレビューの要約は大変な作業です。
やはりヒロさんはプロの物書きですね。
脱帽しました。すごいですね。
評価の1から5、読者の評価の原文も読んでみます。
休んでください。
choseiさんの優しいおコトバ、身に染みます。レビューは「もの凄い」ものもあれば「どうでもいい」ものもあり、玉石混交です。「要約」というより、「抜書き」という感じです。今後の「天皇責任論」研究の参考資料として役に立てればいいのですが・・・。
今William HorsleyのBBCのアーティクルも読みましたが、批判だけで、建設的な意見は全くないですね。ジャーナリストとしては失格です。あたかも自分で得た情報のような書き方にはBBCのレベルがわかります。過去の英国の過ちと、彼らの虐待の事実をもう一度思い出して貰いたいですな。
私は京都の耳塚(鼻塚)を実際に見て、塚の大きさと塩付けの樽の中の鼻の数の事実に驚き、その日は眠れませんでした。南京の虐殺は私は小学生の時、朝日グラフで知りました。中学1年生で南京の事も娯楽本のような書き方の性読本のペーパーバックで読みました。13歳であった私でさえ脚色されていると思ってその本を隠れて読んでいたものです。しかし、BBCの記事はイラク戦争のアメリカのプロパガンダのようなアジティションじみたタブロイド的な書き方では、本当の知識人は満足しないでしょう。しかし一般のノンインテレクチャルは信じてしまうのが心配です。事実は事実として受け入れるのが本当ですが、確実なデーターが必要です。でないといつまでも拉致があきません。豊臣の時のは日本も朝鮮も数はあっています。
こんな大変な作業をお一人で。敬服します。Bixの本、私は読んでいないのですが、英語圏では戦争責任論がそれほど関心を集めているのですか。知らなかったのでびっくりしました。ちょっと気になって、ドイツ語圏はどうかなとamazon.deを覗いてみましたが、見つかったのは原著のみ(独語版はないのですね)、レビューもamazon.comのものをコピぺしただけ。コメントはゼロでした。グーグルで検索したら、この本がドイツの大学の日本学や近代東洋史のセミナーの文献リストに上がっていることがわかりましたが、内容を云々というよりも「教科書」的に使われているようです。
チャンの本は私も読みましたが、紹介してくれた友人は日本に興味があるドイツ人で、貸してくれたのも原著でしたから、基本的にドイツでは、こうした内容について無関心か、あるいは戦争アレルギーで考えたくないのどちらかのようです。
■レビューをすべて追いかけてみると、面白い流れがあります。中国系の方の「糾弾」に始まり、日本人の左翼インテリの方の「絶賛」も交えながら、好意的なレビューが続いていきますが、2003年に「ビックスはマルクス主義者」と書かれてから、論者の流れが少し変わっていきます。これくらいレビューがたくさん付くと、読むべきか否かも含めて、これから読む人の大きな参考材料になります。
「Rape of Nanking」については、国際的反論はまだこれからの感があるとはいえ、その誤謬については、日本国内で比較的早い時期に指摘が上がりましたが、「Hirohito and the Making of Modern Japan」はどうなるでしょうか。超日本通の学者(しかも左寄り)による歴史書なので、手ごわい内容ではありますが、「知識人」を目指す方々には読まれて然るべき本です。靖国参拝と連携して言論戦をしかける在日論客(姜尚中)に反論する意味でも。
きゃべじんさんのご推薦の、山本七平の『裕仁天皇の昭和史』を手許に置きながら、比較検証しながら読みたいものです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396500815/249-6707245-0344339
■京都の「耳塚」は寡聞にして知りませんでした。
秀吉の朝鮮出兵の際に、塩漬けの耳と鼻が持ちかえられたのですね。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~k-ban/gorin-mimiduka.htm
http://210.145.168.243/sinboj/sinboj2002/10/1002/53.htm
韓国からの供養参拝者も多いようですが、これをもって日本の残忍性をことさらに強調するのは筋違いでしょう。将兵による論功行賞の証拠として、敗軍の死者の耳を削ぐことは、戦国時代には普通に行われていたようです。
■「アニメンタリー:決断」http://www.h2.dion.ne.jp/~sws6225/gaidofr.html は、1971年の放映ですから、私も見た記憶があります。小学生には難しい内容だったかもしれません。当時は、中国の文化大革命を礼賛されていた時代ですから、日教組・PTAがこの番組に難癖をつけたのもムベなるかな、です。
■ドイツ通のびあんかさんによると、「Rape of Nanking」も「Hirohito and ...」もドイツ語には翻訳されていないとか。しかし「Hirohito」の方は大学の「教科書」として広がっているようですので、「定説」になってしまう前に、反論すべき点は反論しておかないと、この先かなりやっかいです。
チャンのほうはその後、翻訳出ていました(スミマセン)。しかしアマゾンでのレビューは二つだけ。両方とも「間違いとウソばっか」とケチョンケチョンにけなしているのですが、そのうち一つには「こんなものを読む代わりに、本多勝一の「中国の旅」を読むべきだ」と書いてありますぅ〜。まあ、どちらにしてもたいして話題になっていなそうですが。
今耳塚をググって見ましたが全て「反日」に利用されており、私が知っていた事実はどこにも見当たらないのは、摩訶不思議です。またここでも変な事が起こっていますね。確かに日本人の野蛮性を強調しているものばかりです。数もひどい事にインフレートされています。何度も鼻塚に眠る霊魂を韓国、朝鮮、中国に返すため「鼻塚霊魂還国奉送韓日合同慰霊大法要」を厳修して、韓国、日本の仏教界の数多くの僧侶や中国観音霊場会の僧侶も合同で供養もして、良い方向に向かっていたはずなのですが・・・一部の人間が扇動していますな。
今日バーンズアンドノーブルで買ってきます。出版された時は覚えているのですが、あまり話題にならなかったので買わなかったのですが、これが海外の教科書の元に成るとなると読まないといけません。
英国の歴史家でJohn Simkinという人が居られますが、英国の歴史に関して簡潔にまとめ上げているのでよく歴史がわかります。彼の昭和天皇のビューは簡単に書かれていますが正しいと思います。
米マスコミ「歴史問題」…日本の主張、関心高まる(産経:2005/6/5)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050605-00000003-san-pol
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「日本は過去の戦争行動の責任を受け入れていない」というような不正確な日本の「歴史認識」糾弾の記事類が米国の各新聞に四、五月に出て、在米日本大使館が二週間に三回の抗議の投書をしたところ、そのすべてが掲載された。この種の投稿が短期間にせよ、みな載るのは例がなく、米国マスコミが歴史問題での日本側の主張に従来より真剣な関心を向けるようになったともいえそうだ。
>対外侵略に向かった日本は、「武士道」という蛮行のもと、五千万人の中国人と朝鮮人を殺害し、自滅するに至った。戦後、ヒロヒトならびその息子から謝罪のコトバはなく、これが日本がアジア諸国から愛されず、信頼されない理由である。
>南京虐殺に関与したヒロヒトをなぜ「化け物」と呼ばないのか
コメント群を読むと、いろいろなことが見えてきますね。著者が政治思想的にどのような人物で、読者はこの本に何を期待しているのか…とか。そういえば、最近知り合いになった中国人留学生も「天皇にも戦争責任がるが、事情があって罪人にはならなかった。」ということをのたまっていました。20代前半ぐらいの若いお姉ちゃんなんですが、その年齢の子でもこういった本を熟読してから来日しているってことでしょうか?
ドイツに関しては、大学の教科書に採用(しかも広まっている?!)されているということで、それなりに信憑性を高く評価されている、ということでしょうか?それとも、「この教科書の内容を検証してみよう!」ということで採用してるんでしょうか。