2005年04月24日

ネット時代の英語学習法

昨日はロンドン行きの列車の中で「英語達人列伝」(中公新書/斎藤兆史著)を読んだ。明治時代の「英語の達人」たちがどのように英語を学んだのか、というプロセスを紹介した本だ。日本を代表する英語の名人、世界を股にかけたコミュニケーションの達人といったら、誰が思い浮かぶだろうか。

身近なところでは5000円札で樋口一葉にバトンタッチする新渡戸稲造であろうか。この人がお札になったときは人気が低かった。夏目漱石や森鴎外ならわかるが、誰、このオヤジ?というのが多くの人の反応であったように思う。という私もその1人だった。しかし彼の「武士道」を読んで、今まで日本人として彼を知らなかったことを深く恥じ入るにいたった。

英語で発信した言論人の「トップ3」といえば、新渡戸稲造、岡倉天心、鈴木大拙であろう(内村鑑三を入れる人もいる)が、「英語達人列伝」では、さらに以下の人物を挙げている。

  • 野口英世......細菌学者
  • 斎藤秀三郎......英語学・英語教育
  • 岩崎民平......英語辞書編纂
  • 西脇順三郎......詩人
  • 幣原喜重郎......政治家
  • 斎藤博......外交官
  • 白洲次郎......吉田茂の側近

  • 野口英世は1000円札で知名度アップだが、ほかの達人たちはどうだろうか。斎藤秀三郎は1度も海外に出たことがない英語の碩学で、彼の英語学校は日英同盟(1902)後の日本ではピカ1の人気を集めた。幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう)は、山東領有問題(第1次大戦後にドイツから割譲)で日本を盗人呼ばわりしていた中国を英語で論破した。白洲次郎は、戦後の吉田内閣の側近としてGHQ交渉の急先鋒となった論客。

    今の日本の政界に、幣原や白洲のような人物がいないのが残念だ。売国の宮沢喜一では話にならない。政界や外務省に若者の憧れになるような人物がたった1人いるだけで、日本の英語力は何もしなくてもレベルアップする。「あこがれ」のエネルギーは、恐ろしい力を秘めている。胸焦がれ、魂が揺さぶられるようなモノや出会いがあれば、それだけで現状変革のパワーになる。

    Web巡回をしていたら「ピースボートの通訳を目指して英語を勉強します!」と宣言している方がいたので、「もっといい目標を持ちなさい」とアドバイスしておいた。(あこがれと妄想を混同してはいけない) 「Japan Time」「Newsweek」で勉強している方もいるが、その紙誌に「恋愛感情」に近いものを感じていないのならば、やめた方がいい。お金と時間のムダである。

    こんな勉強法はいかが? 例えば、洋楽の中で大好きなアーチストがいるとしたら、その曲の歌詞をすべて書き出し、単語は全部調べ、ソラで暗証し、対訳があっても「私ならこう訳す」と挑戦してみるとか。村上春樹が好きならば、その英訳にいきなり挑戦してみるとか。ステップ・バイ・ステップとか、難易度別の選書とか、そんなものは関係ない。惚れたが勝ちじゃ〜。

    野口英世の時代に比べて、外国語学習の環境は格段によくなっている。ネット上に語学学習サイトは山ほどある。インターネットラジオはいくらでもある。毎日、世界中でいろんな人がいろんな面白いことを、これでもか、まいったかー、と書いてくれている。勉強するのに義理立てはいらない。自分が面白いと思うところに直行である!!

    たとえば、ヒロさんはこんなブログ検索をしてみた。

  • 「日本」のことを書いているブログがないかな....
  • 外国人で「剣道」やっている人いないかな....
  • 「ボサノバ」に関して情報交換したいな....
  • 「シュタイナー教育」を書いている人って、いるのかな....

    英語のブログを探したつもりが、中国語やポルトガル語にぶつかったり、というハプニングがあるかもしれない。ともあれ、気に入ったブログが見つかって、しばらく読むようになったら、いつかコメントに書き込んじゃおう。世界中でコメントのつかないブログがあふれてますよ! 初コメントが日本人からのヘンテコな英語だったりしたら、そのブログの管理人がビックリするだろうな〜。でも、トピックへの情熱があれば、文法のまちがいぐらいは問題なし!

    昔ペンパル、今ブログ。いい時代がきたね。

    ■注:英語のブログにコメントするときは、せめてワープロでスペルチェックをかけてから、コメント欄に貼りつけることをお薦めします。
  • posted by ヒロさん at 10:35 | Comment(8) | TrackBack(1) | Learning English
    この記事へのコメント
    TITLE: 効果的な外国語学習法
    私の知り合いで、外国語の練習のため「ビデオを見て俳優の物真似をする」という人がいましたよ。なるほどいいかも、と思いました。
    Posted by ビアンカ at 2005年04月24日 14:32
    TITLE: 外国語をマスターするには
    個人的には海外旅行・生活することが一番ですね。
    習うより慣れろ、です。
    現地で異性の友達を作れば上達は早いでしょうね。
    Posted by ギルデンスタン at 2005年04月24日 15:10
    TITLE: さて、どの映画で勉強しましょうか
    >ビアンカさん
    声だけじゃなくて、顔の表情やしぐさまで真似るのはいい練習でしょうね。それも複数の俳優の物まねをする。そのうち、服装や舞台セットまでも。そうなると演劇の世界なので、いずれ相手がほしくなるかもしれませんが、とりあえず、ひとり芝居もいいものです。

    当然、大好きで何度も見た、あるいはこれからも見たい映画やTVドラマを選ぶわけですが、私だったら、さて何を選ぶか......。マイケル・J・フォックスの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」やTVドタバタ喜劇か。あるいはオードリー・ヘップバーンの「マイ・フェア・レディー」や「ローマの休日」か。イタリア語だったら「ニューシネマ・パラダイス(Nuovo Cimena Paradiso)」かな。中国語なら「初恋の来た道(我的父親母親)」がいい。イギリスに来ている留学生(アメリカ、イスラエルなど)の中に、「トトロ」と「千と千尋」のセリフ(日本語ですよ!)をかなり暗記している人を2人知っている。
    Posted by Hiro-san at 2005年04月24日 16:51
    TITLE: 「異性の友達」学習法
    >ギルデンスタンさん
    今回の「勉強法」は電脳版・一人身版ですが、生身のネイティブに触れるのが最高です。ピースボートに150万円かけるよりも、もっと自分でどんどん旅行した方がいい。異性の友達は、できる人はどんどんアタックするといいですね。ただし相手を選ばないと「醜い外国語」を学ぶ危険もありますが。あまり親密になりすぎると「コトバのいらない世界」に入っていくので、これも良し悪しでしょうな〜。

    勢いあまって結婚までして、1〜2年後に悲惨になっているカップルもたくさん見ました。ま、これも人生勉強のうちでしょうか。類は友を呼びますから、やはり高いこころざしを!
    Posted by Hiro-san at 2005年04月24日 17:05
    TITLE: 実は…
    某男性スーパーモデル(今はモデルやめてます、CKの宣伝に出てた人)の
    ファンサイトに書き込みをしたら、ご親切に他のファンサイト情報を教えてくれる
    メールをくださった方がありました。その方は心臓が弱い方だったらしく、
    今はこの世の方ではないのが残念です。突然のことでしたので、びっくりでした。
    (あと実はこのサイトも管理してるんですが、DJがキーワードになっているせいか、
     米軍からのアクセスを頂戴し、さらに北米の検索エンジンに掲載されたことに
     たまげてしまったことがあります。↓)
    Posted by 枇杷 at 2005年04月24日 20:06
    TITLE: 音楽でお勉強
    私も洋楽で好きなアーティストの歌詞を読んだりします!
    でもジャンルがヘヴィメタルばっかしなんで、あまりお行儀のよくない単語ばかり覚えてしまうんですね、これが(笑
    Posted by らー at 2005年04月25日 00:39
    TITLE: 英語教育費→翻訳ソフト開発費
    中高大学の英語教育費を半額にしてその分を日本語を基軸とした日英翻訳ソフト開発費に回せば今よりも英語の壁は日本で低くなると思いますが。日教組も減らせてなおいい。すらすら読めない限り機械の方が早いですし。読む方は何とかなるでしょう。

     
    今行政で研究中とは聞きますが資金が多い方が早くできると思いますし。
    Posted by anion at 2005年04月26日 02:59
    TITLE: 「日→英」翻訳ソフトは、ぜひとも必要
    なるほど、すばらしい提案ですね。日韓翻訳のおかげで、朝鮮日報サイトで日韓論戦(といってもゴミ論戦がほとんどですが)できるようになっています。英語人口は朝鮮語の何十倍もいるわけですから、日韓翻訳ソフトの100倍、いえ1000倍ぐらいの金をかけてもいいでしょう。

    私の家に間借りしている日本人が、英語で教育学の論文を書いていますが、MS-Wordの文法チェックであらゆる文法ミスが修正されると信じていたために、先日ネイティブに真っ赤に修正されて、ショックを受けていました。着想、構成がよくても、英語の表現力がないというだけで、膨大なハンデを背負ってしまいます。「日→英」翻訳ソフト、論文支援ソフトなどは、技術立国日本の栄誉にかけて、もっと開発されてしかるべきですね。

    単に外国(主にアメリカ)の大学院を卒業したというだけでのさばっている連中(主に文系)も、ついでに駆逐してしまいましょう。
    Posted by Hiro-san at 2005年04月26日 04:11
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