東シナ海のガス田試掘決定で、中国は日本を非難。日本の歴史教科書問題をめぐって、中国では反日デモが起こっている。中国の温家宝首相は「日本は歴史と向き合え」という。この問題であなたの意見は?
さて、これに対してどんな意見が集まっただろうか。(ヒロさんの「超要約」版です)
■注:(中)=中華系人、(日)=日本人、(外)=外国人
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国・地域 | コメント内容 |
香港 | ドイツを見習え。 |
イギリス | どっちも悪い。 |
カナダ(中) | 過去を反省しないで常任理事国はムリ。 |
日本(外) | ベトナム&チベットの侵略で中国に謝罪させようか? 日本の過去を持ち出すなら、中国の過去と現在の両方を見てもらおうじゃねーか。ローマ帝国のイギリス侵略でイタリアにも謝らせようか?日本は中国と違って、過去60年間、平和に貢献してんだよ! |
イギリス | 日本のたった1冊の教科書で大騒ぎするな。結局は石油利権問題だろう。 |
中国 | とにかく謝れ。 |
中国 | 自国民に対する弾圧はあったさ。でも他国を侵略して、何千人も殺しておいて、シラを切る、なんてことはない。 |
イギリス | つけ込まれる日本は脇が甘いよ。でも一方の中国は危険な民族主義ゲームに突入だね。 |
スペイン | 両方とも、ドイツの事例に学べ。 |
香港(外) | 歴史問題で日本から譲歩を引き出すのは危険なギャンブルだよ。3千万人が死んだ「大躍進」の話になったら、どうするわけ? |
中国 | 日本の若者に謝れとは言っていない。日本政府が謝るべき。 |
南アフリカ(中) | 歴史問題をないがしろにする日本は、アジア諸国から信頼を得られない。 |
イギリス | 中国は偽善者。「官製」反日感情と一緒に、おのれの人権侵害もぞろぞろと。日本はもう9回も謝ってんの。日本は中国の政治謀略にうんざりしているみたいだよ。 |
インド | 日本はすでに謝罪済み。広島・長崎でも十分に苦しんだ。 |
オーストラリア(中) | 中国の歴史教科書が歪んでいるからって、日本に抗議できないわけじゃない。南京を世界に知らしめたるわい! |
イギリス(日) | 日本の教科書には十分に戦争のことがかかれてますけど。批判されてる教科書も普通ですけど。イギリス版の教科書だったら「アヘン戦争は香港併合の口実だった」のように書かないはずでしょう。 |
カナダ | 常任理事国になりたいなら、戦勝国全部に謝れ。北方領土にこだわって、いまだにロシアと友好条約も結んでいないじゃないか。 |
イギリス | 台湾・チベットなど、中国に日本を責める資格があるかい! でもまあ今回は日本を責めよう、その後で中国だ。 |
イギリス | どっちもどっちです。 |
ボスニア | 謝罪の問題じゃない。日本軍が25万人以上を殺害した南京虐殺をウヤムヤにしようとしている。日本の新しい世代がこれを認識しないことは危険! |
イギリス(中) | デモをする気持ちはわかるが、もっとマトモなやり方あるだろうに。 |
トルコ | 日中貿易が拡大しているこの時期にね〜。いいことないっす。 |
ポーランド | 言っていることは正論だが、どの口が言う正論だ! |
香港 | 天安門事件の始まりも反日ナショナリズムだった。「中共と日本の両方が歴史認識を改めろ」が正しい。 |
アメリカ | 悪循環の始まりだ。中共は国内問題の目くらましでデモを利用し、日本の右派はタカ派路線の推進で中国問題を利用する。 |
イギリス | 日本と台湾は中共のいいカモにされている。 |
アイルランド | 日本は東アジアにおける過ちを改めるべき。 |
アメリカ(中) | 平均的な日本人は日本国家の残虐行為を知っているし、反省している。でもアジアの隣人に対する政治家の態度にはビックリだ。 |
カナダ | 世代を超えても、謝るべきは謝るべき。しかし暴動で事態は解決しない。 |
アメリカ | 中国はまず自分の人権侵害を改めよ。 |
イギリス | 中国人には愛国者が多いのは確か。日本はドイツに学べ。 |
アメリカ | 中国の反日は軍事ナショナリズムの表れにすぎない。対中投資をする日本は、それなりに評価が高いということ。常任理事国拡大の話はいまの世界情勢を反映するもので、1945年のそれじゃない。 |
日本(外) | 歴史は勝者が書く。アメリカのメキシコ&ハワイ侵略を認める人間がどれだけいるか? |
アメリカ | 歴史を見直さないと日本は孤立し、経済に影響が出る。 |
シンガポール | 日本はなぜ教科書を改めない?中国人が靖国参拝を許せるわけがない。 |
日本(外) | 3人の子供がいるが、1980年代の中国共産主義に影響された偏向教科書で学んでしまった。日本のプライドも独立心もない。結果的に子供はみんな中国嫌いだ。 |
イギリス(中) | 「Rape of Nanking」を読んだことがあるか?この問題で中国が立ち上がらないことの方が恐ろしい。 |
日本 | 小泉は隣国との関係を破壊した。歴史に直面せよ。 |
中国(外) | 日本は国際的信頼に値しない。中国政府が100%クリーンと言う人はいないが、過去の過ちを認め、数百万の人民を貧困から救った。 |
日本(外) | 教科書は関係ない。経済覇権のポジション争いだ。本当の争いは、エネルギーと漁業権をめぐる領土問題だ。 |
カナダ | 常任理事国枠で中国の焦りがある。中共の殺戮について誰も言わないのはなぜか。 |
アメリカ(中) | 民主国家の韓国まで日本に抗議している。歴史改竄は長年の日本の野心の表れ。 |
台湾 | 「謝罪を繰り返せ」というのは簡単だが、そこから友好関係は生まれない。 |
アメリカ | 歴史とはノンフィクションだ。日本は歴史をフィクションに入れるつもりか。 |
アメリカ(日) | 日本では戦争問題で「平和学習」をするのは常識。中国は日本の教育状況を知らない。 |
日本 | 韓国と中国の反日運動はお門違い。日本は十分過ぎるほどの謝罪、経済援助、補償を続けている。日本にはっきりモノを言われるのが恐いのではないか。 |
中国 | 教科書はただのきっかけ。過去60年間、日本政府は過去に向き合わなかったのが悪い。 |
日本 | 中国の歴史認識は、日本への悪意を感じさせる。歴史の見方は一様ではない。小泉が言うように、前に進むことだ。 |
韓国 | 日本が17回も謝った?私が1度も聞いたことないのはなぜ?謝罪のふりした言い訳だろ。 |
マレーシア | ほかのデモは弾圧されるのに、反日デモがOKとは、面白い。 |
マレーシア(中) | 謝罪が17回でも170回でも、言行不一致なら意味がない。 |
アメリカ | 日本も悪いだろうが、中国が日本の教科書に文句をいうのは、大欺瞞もいいところ。 |
中国 | 我々中国人は日本に怒りを覚える。中共の悪事を理由に、日本が歴史を隠蔽していいわけがない。 |
アメリカ(中) | 日本が自分のことを棚に上げて、広島・長崎の原爆でアメリカに謝罪を迫れるんかい! |
オーストラリア(日) | 中国のやり方には賛同できないが、日本政府は正式に謝罪するべきだ。禍根は未来に残さない方がいい。 |
日本 | 中国の文句は即刻無視。中共の日常的な悪事は、日本の歴史的な悪事をはるかに凌ぐ。 |
日本 | 中国に日本の教科書内容を変える権利はない。 |
香港 | デモは多少攻撃的だが、これは自発的な行為であり、日本の残虐行為がいかにひどかったかを物語っている。 |
アメリカ | 日本に反省させるなら、もっとソフト路線を取るべきでは?日本に拒否権つき常任理事ポストを渡さないための明らかな政治ゲーム。 |
香港 | 戦争犯罪は過去の世代のものだが、日本政府がいま公式謝罪ができないと、問題は30〜50年も続いていく。 |
イギリス | 中国は人道への脅威。チベット、ムスリム、自国民への弾圧をやめよ。デモは本物なのか、操り人形なのか? |
シンガポール | 若い世代は歴史から学び、同じ過ちを避ける。日本はドイツのように歴史を直視せよ。 |
アメリカ | 国連常任理事会の目的は何なのさ? 過去の行為をウヤムヤにする国は、常任理事に値しない。 |
日本 | 韓国と中国が、自分の歴史観を真実がごとく強弁している。 |
香港 | 中国侵略では日本を問い詰めるべき。だが、現在のデモは中国の地政学的な事情による。 |
シンガポール | 中国の方が殺した数が多い、という問題ではない。侵略を認めない国から受けた屈辱の問題だ。 |
日本(外) | 中韓との関係を修復する上で日本はもっと正直になれ。昔のことだから許されるという理屈は容認できない。 |
中国 | 戦争の被害者として、歴史問題で日本に要求する権利がある。隣人に信頼されない国が、世界から信頼されるはずがあるまい。 |
ニュージーランド | 日本の若い世代には正しい歴史知識が与えられるべきだ。歴史をないがしろにすることは、被害国へ侮辱であるばかり、日本にとっての損失となる。 |
マレーシア(中) | 反省しないのであれば、日本製品は使わない。SonyをやめてEmersonにしたが、今後はToyotaをやめてHyundaiにする。 |
アメリカ | パールハーバーを覚えてるか? 常任理事国なんてとんでもない。 |
台湾 | 中国の教科書を読んだことあります? 第1次・第2次大戦で、すべての国が中国に悪事を働いたことになっている。 |
カナダ | ドイツは過去を直視したが、日本はしていない。 |
アメリカ | 歴史を書くのは勝者だ。今回の件では、アジアの反共のために、アメリカは日本を「勝者」にする必要があったのだ。 |
アメリカ | 一体いつになったら祖先の罪を赦すのだ?人類は、過去の行為と和解できないのか? |
カナダ | 西側諸国は日本の罪は赦してもいいが、ユダヤ人のホロコーストは赦さないという。ダブル・スタンダードだ。 |
日本 | 日本近代史の犯罪行為を次の世代に教育するべきだ。日本文化には醜い側面がある。なぜそれほどまでに常任理事会に入りたいのか? |
これで全コメントの最初の4割くらいだ。投稿のすべてが掲載されるわけではなく、英語の質、賛否バランス、内容の斬新さ、地域バランスなどを考慮して、BBCが選択的に掲載している。ヒロさんが勝手に(中)(日)(外)と区別はしてみたものの、内容と人名から推定できるだけで、実際のところはわからない。
何事も100人ぐらいの意見を聞けば、賛否のパターンもわかるというもの。この手のデータベースは、英語フォーラムに殴り込みをかけるために必要なので、試作してみました。皆様からのご意見をお待ちしています。
■追加1:国際人を目指して英語の勉強は結構だが....選んでください、学校は。
左巻きの学校→聞け、良心の声(筑紫女学園短大英文学科)
■追加2(2005/4/20):要約ではなく、忠実な翻訳で読みたい方は、こちら↓。
いつもこちらを拝見しておりましたが、書き込みは初めてです。
BBCのコメントは、先日自分も見ていて悲しくなってしまいました。世界中に散らばった
「日本=悪」のイメージはもう拭えないのでしょうか。一度戦争に負けると、とことん悪者に
されてしまう。惨めです。日本政府も、海外にむけて、日本がいかに戦後平和に貢献したか、
謝罪や経済援助をしたかをアピールしてほしいものです。できれば「そっちの歴史教科書の方が
よっぽど認識を誤ってる」とも言ってほしいですが、さすがにこれは無理でしょうね。
私も現在英語を勉強していますし、国際政治や歴史に関する勉強の必要も痛感しています。
「殴りこみ」をかけれるほどではないのが悔しいですが、自分が接する人に少しでも説明
できるように。
ヒロさん日記、いつも勉強になります。「殴りこみ」もうまくいくよう、応援しています。
中国人です。デモ自体は本物ですが、中国政府に利用されただけ。だから私はこんなデモに賛成しません、もちろん参加しません、意味ないと思います。
中国人権
http://gb.hrichina.org/gate/gb/big5.hrichina.org/big5/
法輪功に対する人権侵害
http://chinese.faluninfo.net/fdi/gb/pohaizhisi.htm
http://chinese.faluninfo.net/fdi/gb/2004/2/14/32951.htm
Free Tibet(チベットに自由を)
http://www.freetibet.org/
http://www.tibet.com/Status/history.html
Human Rights Watch
http://hrw.org/chinese/
始めまして、御家人さんのところから来ました。
英語版のウィキペディアを読んでいると悲しくなります。
アメリカ在住の中国人(帰化済みか?)はアイリスチャンの捏造歪曲を分かった上で流布しているように思えます。
私の英語力では読むだけでいっぱいいっぱいですので(中国語も能力が低下してきた)、英語で殴りこみを陰ながら応援させていただきます。
愚見ですが、上のBBC掲示板を読んでの感想
・「中国人も悪い」と日本人が主張するのは印象悪いですね。 他の国の人に言わせましょう。
・中韓国人の追い詰められた時の行動は「歴史修正主義者のレッテル貼り」なので、レッテル貼りをさせる前に中韓の歴史捏造を印象付る。
頑張って下さい。
世界の人も、
ドイツに学べとかとんちんかんな事を言ってるところを見ると、
どうもちゃんと理解してる人は少ないようですね、
これは日本人でも同じですが。
また、カナダには支那人が多いので
支那よりの発言が多いような気がしましたがどうでしょうか。
扶桑社の教科書を読んだこともないくせに、
まるで読んだかのように発言してるところをみると、
支那の発表をそのまま鵜呑みしてるおばかさんだということがわかりますね。
初めてコメント致します。唐突ですが、ヒロさんにお願いがあります。
> ヒロさん、実は、そろそろBBCやフィナンシャル・タイムズのフォーラムへの突撃を計画している・・・
そうですが、その場合に日本人と論争をしている中国人や韓国・朝鮮人が、どのような歴史教育を受け、どのような考え方をする人々なのかを、(主として欧米人に)まず前提として理解してもらうための主張をしていただきたいのです。
というのも、私にはこのような問題について論争するだけの英語力はありませんが、学生時代から留学生などの外国人との接触が多く、(基本的に相手の日本語力に依存してですが)歴史論争自体は何度も行なったことがあり、そのような場合、とくに第三者的立場にある欧米人に説明するには、一度上のような説明をして理解を得ておくことは、極めて効果的だったという経験があるからです。
個々の歴史問題について、一つ一つ反論していくことは、専門家でも至難の業です。ましてや、欧米人は一般に、日本はもとより、中国や韓国・朝鮮の歴史についての基礎的知識がありません。さらに、ある程度納得してもらうためには、議論の進め方に工夫が必要になります。
よほどうまく説明しないと、永遠に「もぐら叩き」をせざるを得なくなるような気がするのです。
そこで、以下に、素材となる「呉善花『韓国人から見た北朝鮮』PHP新書P192〜P196」を引用します。
かなりの長文なので、本当はメールにしようかと思ったのですが、このコメントを読む他の方の参考にもなればと思い、ご迷惑かもしれませんが、あえて全文を引用します。
『韓国にも北朝鮮にも一つの史観しかない
歴史にはさまざまな観点がありうる――ということは、長い間私の意識のなかにはなかった。歴史には一つの見方しかないと思っていた。少なくとも日本に来るまではそうだった。
そういう私は、韓国人のなかで例外的な存在だったのではない。一般の韓国人ならばほとんどがそう思っているのと同じように、私もまた歴史には一つの見方しかないと思っていたのである。それは、韓国の学校で歴史教育を受けてきたから、というほかにどんな理由も見あたらない。
韓国の歴史教科書は、日本の歴史教科書とはその記述方法がまったく異なっている。たとえば次の文章は、中学校の「国史」の教科書で、朝鮮総督府が行なった土地調査事業について書かれた部分である。
「我が民族は日帝に政治的に犠牲を強要されただけではなく、経済的にも激しい収奪をされた。
日帝は土地を奪うために、土地所有関係を近代的に整理するという口実を立てて、農民たちの土地を登録するようにした。しかし、我が農民たちは登録手続きがわずらわしいものであり、日帝のやることに反発して、登録をしない場合が多かった。そうして、登録していない土地は、すべて主がない土地とみなされて朝鮮総督府の所有になった。
また、従来の王室や公共機関に属していた多くの土地も、朝鮮総督府の所有になり、そのほか、門中や村の共有地も大部分没収された。そして、全国農地の約四〇パーセントにあたる膨大な土地が朝鮮総督府に占有され、朝鮮総督府はこの土地を東洋拓殖株式会社など、日本人の土地会社に払い下げるか、我が国に移住してくる日本人たちに安い値段で売り渡した」 <続く>
<続き>
この記述で生徒たちが学んでいくのは、朝鮮総督府が統治にあたって行なった、土地の面積、所有関係、使用状況などに関する土地調査事業の概要なのではない。こうした記述によって生徒たちに伝えられていくのは、まず第一に「土地調査事業は日帝が土地を奪うために行なったものである」という一個の観点である。そして第二に、「その観点から現実の諸関係はどのように意味付けられるか」を見ていく力である。
この教科書が記述している、ある「大きな主体」の観点こそ、生徒たちが第一に学ばなくてはならないものである。つまり、「歴史についての一つの観点」を学ぶことが、韓国では歴史を学ぶことである。そして、その観点から歴史的なさまざまな物事を理解していくことができなくてはならない。いい換えれば、生徒たちはその観点をもって、歴史的に物事のあり方、性格、推移などを位置づけていく力を養っていくのである。
このようにして歴史を学んでいくと、他の観点で歴史を見ていくことは歴史を踏み外すことにほかならなくなる。また、さまざまに個別的な歴史事象は、学び取った観点から光を当てることによって意味をもってくる。したがって、その観点からは「土地を奪うための口実」として意味づけられるのである。
「日帝は土地を奪うため」という観点からすれば、その「収奪」はとてつもなく過酷なものでなくてはならない。とすれば、朝鮮総督府の資料に基づいて知られる「朝鮮総督府が接収した農地は全耕作地の三パーセント」という数字は余りにも少なすぎるため、とうてい採用できない。採用すれば観点そのものが破綻をきたすことになるからだ。そこで教科書では四〇パーセントとしているが、この数字は「日帝が土地を奪うため」という観点との適合性を持たせるための数字で、何らの科学的根拠をもっていない。したがって、数字の出所や計算方法はまったく示されることがないのである。
北朝鮮では、しばしば次のような数字をあげての「日帝批判」が展開されている。
日本は朝鮮を武力で占領し、その占領帰還に六〇〇万人もの青少年を強制連行し、二〇万人もの挑戦女性を性奴隷にし、百数十万人を殺害した――。
いったい何を根拠にしての数字か分からないのは韓国と同じことである。いずれにも共通しているのは、「日本の統治は一貫した武力的な強圧支配だった」という、事実とは大きく異なる意味づけを第一の前提にしていることである。そのため、併合時代の歴史はその「武力強圧」という価値づけと矛盾することのないように調整して教える、あるいはその意味をさらに強化するような教え方をするのである。
生徒たちは、そういった一つ一つの「歴史的事実」を学んでいくことによって、おのずとその背後にある「歴史についての一つの観点」を「自ら学んだ客観的に正しい歴史の見方」として、疑いなく見につけていくようになるのである。
私も小学校のときからそうした歴史教育を受けてきたので、日本に来てしばらくの間は、教えられた「歴史的事実」に疑問をもつことはいっさいなかった。これを愚民政策といわずになんといえばいいだろうか。
韓国人ですらそうなのだから、北朝鮮人ではなおさらのこと、最高の知的権威である国家から示される一つの理念、一つの観点に基づいた考えと異なる考えなど、およそ想像すらできないだろうと思う。韓国以上に国民から批判力を奪い取る北朝鮮の愚民政策は、李朝の儒教官僚たちが採った愚民政策そのままである。』
ヒロさんにお願い!!(3)
Anonymous
以上の素材を前提にして、私だったらどのようなストーリーを組み立てるかという点について、思いつくままに、その要点をまとめてみます。(あえてストーリーと言ったのは、事実に反しない限り、個別の問題に一々反論するよりも効果的だと思うからです。)
1.このような歴史の理解の仕方は、一種のイデオロギーないしドグマであって、その淵源は朱子学(儒教の一派)にあり、近代以前に中国では約800年、朝鮮では約600年間、科挙を通じて国家指定の唯一の官学としての地位にあり、その考え方は中国人や韓国・朝鮮人の骨の髄までしみ込んでいること。(また、このような考え方はマルクス主義の発想と非常に類似性があること。)
現在、中国・北朝鮮はもとより、一見民主主義国と思われている韓国においても、国家指定の単一の教科書によって歴史教育が行なわれていること。(また、韓国は4年前に経済協力開発機構(OECD)加盟国としては、初めて「IPI言論の自由弾圧監視対象国」のリストに記載され、国内では、国家の主張に反する主張を行なった大学教授らに対して、言論弾圧に近い事件が頻発していること。)
その結果、日本と中国や韓国・北朝鮮との間で、実証的な歴史論争が事実上不可能になっていること。
2.なぜ近年になってこのような歴史論争が政治問題化したのか?
もともと戦前・戦中を直接知る第一世代が実権を握っていた時代には、日本や中国・韓国などの間に、経験に基づく共通の事実認識があり、歴史論争が政治問題になりにくかったこと。(また、日本側は中国・韓国などの偏向した歴史的主張を知っていたが、冷戦中は、韓国はアメリカを通じた間接的な同盟国であるし、中国は「敵の敵は味方」という外交的関係にあったので、あえて黙認し、しばしば妥協していたこと。(このような態度は失策であったと、現在では日本国内で批判されている。))
最大の理由は、冷戦の終結にあること。
(新聞などマスメディアの誤報によるいわゆる「教科書問題」の発端は省きます。)
まず日本では、90年代以降、冷戦の終結によって活動の正当性を失った左翼言論人らが、残された共産主義国である中国などに迎合するかたちで、一部メディアや教職員組合などを巻き込んで歴史(教育)問題などに活動の拠点をシフトさせていき、しばしばマッチポンプ的な言動を行なってきたこと。
その結果、事実に基づかない極めて偏向した教科書によって歴史教育が行なわれるようになってしまったが、そのことに気がついた親や教師、大学教授らが中心となって歴史教育を是正する運動が始まったこと。
(なお、教科書検定の詳細については省きます。)
他方、中国では、共産主義の正当性が失われ、個人としてのカリスマ性がない第二世代以降が実権を握るようになると、自らの権威を確立し共産党の権力を維持するために、事実に基づかない愛国教育(ナショナリズム教育。実質的には、朱子学の現代化・共産主義化。)が行なわれるようになっていったこと。(北朝鮮の主体(チェチェ)思想も基本的には同じこと。)
また、韓国では、冷戦の終結や形式的な民主化の進展によって(少なくとも韓国人自身はそう思っている)、急速に思想の左傾化・朱子学的発想への回帰現象が起きていること。
さらに、中国では文化大革命時の批林批孔運動などにより、また、韓国・北朝鮮では漢字教育を廃止してしまったため、自国の古典的素養が著しく失われ、自らの発想の根源を古典的知識に基づいて相対化することが知識人ですら困難になっており、一種の呪縛になってしまっていること。(このことは、本国が言論統制国家であることを別にしても、留学生ですら容易にその呪縛から逃れられない理由であるし、他方、日本との間で歴史論争が成立しなくなっている大きな理由の一つになっていること。)
このような状況のもとで、日本国政府は、国内の世論の後押しもあり、中国や韓国・北朝鮮の誤った歴史認識に基づく政治的主張に対して、黙認も妥協もしなくなってきたため、それぞれの国で政治家と国民双方にいら立ちが高まっていること。
以上です。
歴史問題というと、南京事件や従軍慰安婦、靖国神社参拝問題、天皇の戦争責任などの個別問題をすぐに思い浮かべますが、いきなりそうした個別論点に入っても、最低限、上で述べたような事実の流れを理解してもらっていないと、議論がうまく噛み合わずに空回りしてしまうことがしばしばあります。
上で述べたような経過について一応の理解が得られると、たとえば南京事件や従軍慰安婦などについて、中国人などの主張を無批判に根拠とすることができなくなります。もっとも、ヒロさんはすでにお気づきでしょうが、相手がアメリカ人である場合(リベラルな考え方をする人ほどその傾向が強いような気がします)、罪悪感の裏返しの自己正当化の心理が働くことがあるため、議論が必ずしもうまく進まなくなることもありますが。。。(なお、アイリス・チャンの「Rape of Nanking」というトンデモ本に対する批判は、また別です。)
また、靖国神社参拝問題や天皇の戦争責任については、誠実に説明しようとすればするほど、ある種のダブルスタンダードになってしまいます。それはこれらの問題が文化的・伝統的側面と近代国家としての側面があるためです。もっとも、ダブルスタンダードは無自覚的または恣意的に使わない限り、論理的に一応成り立つとは思います。難しいですけれども。
ともかく、ヒロさんのBBCやフィナンシャル・タイムズのフォーラムへの突撃を応援しています。
私も、国内で細々と頑張りますゆえ。
長文で、本当に失礼致しました。
>Anonymousさんをはじめとする応援団のみなさん
アドバイスならびご声援ありがとうございます。突撃の時期はそのうちボチボチ、で考えております。突撃したものの、初回から撃墜され「ヒロさん日記、1ヵ月応答せず!」とならないように気をつけたいと思います。
BBCコメントを見ても、日本人はかなり書き込んでいますので、日本の対中言論戦はそう捨てたものでもありません。海外メディアにおける言論戦の話題は、今後も続けていく予定です。
公安からの通告によって私のウェブログが閉鎖されてしまいました。現在公安と交渉中です。
近況報告は旧うねり(http://blog.goo.ne.jp/wowow_turk)でやっていく予定です。
上海のwowowさんのサイトが、当局の弾圧で閉鎖されてしまいました!!
wowowさん、旧サイトへの逆戻りは残念ですね。そうですか、ついに来ましたか....。身の回りのご無事の方は、お祈りするばかりですが....。
>上海のwowowさんの
横からすみません。
中国のインターネットのことで
「責任者が江綿恒。かのハロウィンカボチャもどきの独裁者・江沢民の長男である。」
と4月18日の勝谷氏のコラムにありました。
本当だったのですね。気をつけてください。
初めてカキコします。いつも興味深く見させて頂いています。
Anonymousさんのコメントもとても勉強になりました。
ここ1年で中国・韓国の反日に関する問題に興味を持ち少しづつ勉強しています。まだまだ知識の浅い私ですが、BBC Newsコメントを見て国際的にも"中国の声"が大きく響いているんだと感じました。(韓国についても同じ状態にならないか心配です。なんと言っても国を挙げての恐ろしいサイバー集団がいますから。) 世界には少なからず過去の歴史を政治に利用しているという見方もありますから、「権力維持のため歴史を利用する国では、開かれた論争により歴史解釈が見直され真実に近づくという希望は持てない。(某米紙の社説より)」など、どちらが歴史をないがしろにしているのか日本が問い掛ける必要があると思います。
とにかく、情報戦では一歩も二歩も遅れているという印象で悔しいです。
今更ながら世界の無知に驚くと共に、日本が世界に向けてのアナウンスを
如何に軽視してきたかが判ります。中韓は、海外同胞を使い盛んに日本を貶め、
相対的に自国をアヒ゜-ルし、政治的に日本を押さえつけようとしている事を
政府は深刻に認識する必要があります。もっと海外の外務省等の機能強化をすべき。
私もbbcに書き込んだのですが没のようです。economistやfinancial timesを読むたびに正直な話アジア人(特に日本人)に対する人種的偏見を感じていたのですが。イギリス人はやはり捕虜の話やイギリス軍が簡単に負けてしまった恨みがあるのでしょうか。映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の冒頭では「日本人はcruelな民族」というせりふがありますし「ノッティングヒル」でも変な日本人らしきものが最後のほうで出てきます。アメリカではもうそういうのはないのですけど。bbcの掲示板を見ていてもアメリカ人は「中国も同じ穴のむじな」という論調が多い気がします。中国人(中国系)は一方的に日本人はこうと決め付けている印象があります。
靖国への批判は1985年から始まっていること、慰安婦もここ10年程度、靖国はワシントンのベトナム戦争記念碑と同じようなものであること、などを首相が誤っている回数と支払った金額に合わせて書いたのですが。ついでに南京の事件で夏服の日本兵の写真が証拠だと言ってるよとも。
東シナ海の件についてもbbcはひどい。地図から沖縄を外しているので中国の線引きが変なことがよくわかりません。中国の言い分認めたら北海油田の権益全部ノルウェーにあげることになるのにbbcは気づいていないのでしょうね。
いづれにせよ私も情報ギャップのすさまじさ、それなのに適当な意見を言うあつかましさにめまいを感じています。長くなりました。
初めて来ました。本当に自分が出来るものならしたい理想の内容です。英語が出来ないので・・・応援するしかないのですが、日本という国が世界的にもいい方向に向かっているとは思えません。主張しなさすぎ、このままでは、PRが上手な中国が正論に思われるのが、とても残念です。日本の歴史は限られた国しか、知られていません、やっとアメリカ・イギリスが中国の危険さを指摘するニュースが出てきましたが、日本は誤解を解く必要があるにも係わらず、最低限の努力だけで収束させようとしています。あなたのような、民間パワーで誤解を解くことが必要不可欠だと思います。応援します。
日本人の気質には不平不満のアピールを恥じるところがあると思います。
抗議デモやストライキの受けはあまり良くないよね。
ネット世論、とりわけ2chでは、欧米人の日本・日本人観への不満が渦巻いているけど、不満を集約して欧米に抗議する組織がなかなか出てこない。
力をあわせれば、大きなことができそうなのに。
とても残念に感じてます。
コメントの多数が日本を非難しているみたいですね。
愛国心からか、日本人・中国人とも自国側の意見が多いようです。しかし日本人の一部の方は、自国への批判を述べているように、いくらか冷静に見えます。
日本の17回の公式謝罪は、諸外国からは誤った事になっていないと捉えられがちですが、それは中国や韓国のメディアが、日本の謝罪・反省を大きく報道しないようにしているからだと思います。日本の侵略は両国にとって大きな切り札だからです。
一方、日本の教科書の歴史認識の甘さも否定できません。僕も日本史で中国侵略について学びましたが、その事態の重さと教科書の印象が比例していないように思われます。が、それは教科書においての事であって、日本の若者はそれ以外の場所で戦争について、大変多くの事実を学び、身に付けています。教科書の内容=国民の知識 ではないのです。それに今の日本の教科書は民間が作っていて、戦争についての話も冷静に述べられています。
しかし、靖国参拝や常任理事国入りの問題は賛成できません。どちらも必要のない事なのです。あったらいいと考える人はいても、この二つは絶対にあるべきものではありません。余計な事で反感を呼び起こすのはばかばかしい事です。反感による代償のほうがよっぽど大きいと思います。
テレビでよく見る討論などでは、最終的にまとまった結論が出たところを見た事がありません。それはお互いが自分の意見を相手に伝えて、相手の考えを変えようという意思を持って話しているからです。日中問題も同じことで、もっとお互いに素直になるべきです。
長文本当に失礼致しました。