春分、夏至、秋分、冬至という4つのポイントは、古代より世界中でお祭りや儀式が営まれる「特異日」となっている。この特異日にちなんで、世界中でさまざまな神話が発生している。出生に関する資料がまったくないはずのイエス・キリストが、12月25日に生まれたことになっているのも、ミトラ教の太陽信仰の影響による。
初等・中等教育で神話はもっと取り上げられてしかるべきだ。私がイギリスに来た理由はシュタイナー教育の勉強だが、シュタイナー教育では宗教と神話を特に大事にする。日本のシュタイナー学校の草分けである「東京シューレ」では、宗教教育の一環として「マホメットの生涯」も取り上げている。特定の宗教(この場合はイスラム教)を学ぶということではなく、「聖なるもの」との関わりを自分の中に取り入れていく試みだ。西洋の神話(聖書の創世記、北欧神話)や東洋の神話(古事記、中国神話、インド神話)も学んでいく。
しかし、この宗教や神話を「敵視」してやまない人たちがいる。日々徒然:「歴史と性教育」(2005/2/23)によると、「つくる会」に反対するグループは、「つくる会」の中学歴史教科書にある「アマテラス神話」の記述をさして「セクハラ教科書だ」と断罪しているのだ。
いま中学校で使われている「つくる会」歴史教科書には、まだこんなに多くの間違いが!!
<33>p62
ついに天照大神はおそれて天の岩屋にこもってしまう。すると、天も地も真っ暗になり、あらゆる災いがおこった。
そこで神々は策を考え、祭りを始め、常世の長鳴き鳥を鳴かせる。アメノウズメの命が、乳房をかき出して踊り、腰の衣のひもを陰部までおしさげたものだから、八百万の神はどっと大笑い。
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<コメント> 品性欠ける「セクハラ教科書」
<前略>「つくる会歴史教科書」には、次のような記述が登場する「アメノウズメの命が、乳房をかき出して踊り、腰の衣のひもを陰部までおしさげたものだから、八百万の神はどっと大笑い」(62ページ)と。その上には、天の岩戸前で踊る絵(カラー)まで添えられている。もしこんな箇所を、中学校の教室でひとたび朗読したら、女子生徒は、顔を赤くして黙り込むか、激しく怒り出すことだろう。<中略>
問題は、「つくる会歴史教科書」が「慰安婦」問題をまったく書かなかったことの裏側で、このように女性差別的な記述をいくらも載せていることだ。性的な表現に加えて「八百万の神はどっと大笑い」などには、女性を辱める差別的な視線がある。
ついに天照大神はおそれて天の岩屋にこもってしまう。すると、天も地も真っ暗になり、あらゆる災いがおこった。
そこで神々は策を考え、祭りを始め、常世の長鳴き鳥を鳴かせる。アメノウズメの命が、乳房をかき出して踊り、腰の衣のひもを陰部までおしさげたものだから、八百万の神はどっと大笑い。
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<コメント> 品性欠ける「セクハラ教科書」
<前略>「つくる会歴史教科書」には、次のような記述が登場する「アメノウズメの命が、乳房をかき出して踊り、腰の衣のひもを陰部までおしさげたものだから、八百万の神はどっと大笑い」(62ページ)と。その上には、天の岩戸前で踊る絵(カラー)まで添えられている。もしこんな箇所を、中学校の教室でひとたび朗読したら、女子生徒は、顔を赤くして黙り込むか、激しく怒り出すことだろう。<中略>
問題は、「つくる会歴史教科書」が「慰安婦」問題をまったく書かなかったことの裏側で、このように女性差別的な記述をいくらも載せていることだ。性的な表現に加えて「八百万の神はどっと大笑い」などには、女性を辱める差別的な視線がある。
よっぽど頭のおかしい人たちだ。神話の世界にもお得意の「人権」と「ジェンダーフリー」を持ち込みたいのだろうか。
もし神話に秘められた深い「象徴性」や「隠喩」、「祖先の集合意識」を理解せずに、各場面を文字通りに描写する映画でもつくってみたらどうなるか。
1)スサノオは神殿に大便をまき散らした
2)機織女(はたおりめ)が機を織っているところに、皮を剥いだ馬を投げ込んだ
3)驚いた機織女が女陰に梭(ひ)を突いて死んでしまった
4)悲しんだアマテラスは天の岩屋戸に隠れた
5)巫女さんが乳房と陰部を出して踊ったら、みんな笑った
6)アマテラスのお出まし
2)機織女(はたおりめ)が機を織っているところに、皮を剥いだ馬を投げ込んだ
3)驚いた機織女が女陰に梭(ひ)を突いて死んでしまった
4)悲しんだアマテラスは天の岩屋戸に隠れた
5)巫女さんが乳房と陰部を出して踊ったら、みんな笑った
6)アマテラスのお出まし
どうすんの、これ?
スカトロジー、動物虐待、異常性癖、引きこもり、ストリップショーと人権侵害、最後は皇国史観の復活〜!で終わる、新種のオカルト映画か? この映画を国連人権委員会に持ち込んで「日本は太古の昔から野蛮な国」とか、どこかの国ならやりかねない。
神話の意味する「象徴」は、こういう話である。
1)自然の威力、土に帰ることなどを暗示する「豊穣神話」。
2)皮が剥かれた馬は、生命力としての「男根」「種」の象徴。
3)機織女は「巫女」、梭(ひ)は「太陽光線」を意味し、太陽神と巫女による冬至の「聖婚(処女懐妊)神話」を示す。
4)太陽の光が一番弱まる冬至は、生命力の死であると同時に、再生への出発である。
5)女陰露出は「邪気を払う呪力」を意味する。
6)新しい命の始まり、はじまり〜。
これは日本神話への特殊なこじつけではなく、世界中の神話に同様の事例がある。「つくる会」の教科書は「機織女が女陰に梭(ひ)を突く」話までは取り上げていないが、「聖婚(処女懐妊)神話」の意味を深く理解している先生がいるならば、教えても構わないと思う。
■参考文献:
「神々の考古学」大和岩雄/大和書房
「日本神話の女神たち」林道義/文春新書
「Power of Myth」(邦題:神話の力)Joseph Campbell / Anchor Books
■追加1:
冬至のときの日神と日女の聖婚神話が、日本では新嘗(大嘗)の日に梭で女陰を突く神話になっている。高句麗でも冬至の日光が日女(柳花)を照らして日の御子(高句麗の始祖王東明)を妊娠させたという神話がある。インカの太陽の処女も冬至の日に聖婚秘儀を行ったのである。そのことはメソポタミアの聖塔やエジプトの太陽神殿での聖婚秘儀からも証される。
大地と豊穣の女神デメテルは、娘ペルセポネーをさらわれて嘆き悲しみ、そのために世界は不毛になってしまいます。娘を探してさまよい歩く女神をバウボーは歓待し、スープをすすめますが女神は飲みません。そこでバウボーが陰部を見せて踊ったところ、女神は笑ってスープを飲み、世界は再び豊穣になります。
■追加2:
■追加3:「日々徒然」コメント欄の「antonian」さんの投稿
私はクリスチャンですが、聖書ネタもマジに受け止めたらすごいです。兄弟殺し、妾容認、男尊女卑の描写。なにより神の残虐なことといったら。ですから逐語的に読むと混乱するので、象徴や隠喩として読みますね。(教派によっては教義的な立場によって逐語的に読まれる方もいますが。)
このように宗教の培ってきた神話伝承を現代の視点で評価するというのは無知と無教養なだけです。神髄はそこにあるわけではなく、それを伝承してきた背景と精神性をまず考えなくてはならないし、当時の価値は今とは違うわけです。そして強気な寓意に込められたその民族の悲願や豊饒の表現に満ちあふれた民族の歓びなどの、そうした思いを汲み取らないとまずいわけです。どの国の神話も精神的に豊かであった先人の姿を教えてくれるものです。
ま、クリスチャンとしては前者の神話の問題より、どちらかというとジェンダー教育の方が眉をひそめたくなります。いやはやこのような倫理教育をするとは世も末です。
by antonian (2005-03-24 12:44)
このように宗教の培ってきた神話伝承を現代の視点で評価するというのは無知と無教養なだけです。神髄はそこにあるわけではなく、それを伝承してきた背景と精神性をまず考えなくてはならないし、当時の価値は今とは違うわけです。そして強気な寓意に込められたその民族の悲願や豊饒の表現に満ちあふれた民族の歓びなどの、そうした思いを汲み取らないとまずいわけです。どの国の神話も精神的に豊かであった先人の姿を教えてくれるものです。
ま、クリスチャンとしては前者の神話の問題より、どちらかというとジェンダー教育の方が眉をひそめたくなります。いやはやこのような倫理教育をするとは世も末です。
by antonian (2005-03-24 12:44)
■追加4:アマテラスが天女型の巫女(みこ)だった可能性
アマテラス、天女、聖母マリア(「日本神話の女神たち」p.27)
日本の昔話には「天人女房譚」と呼ばれる一連の話素があります。<中略>つまり天女が地上に住むようになり、やがて再び天に帰っていくというパターンです。「かぐや姫」の物語にも、このパターンが反映しています。この話素は日本だけでなく、中国や朝鮮にも、東南アジアやオセアニアにも、無数といっていいほどに分布しているそうです。
天女が地上に落ちてきて、いろいろ苦労して、最後には再び天に帰っていくというイメージの典型は、なんといっても聖母マリアです。すなわちヨーロッパ中世の民間伝承によれば、マリアは初め天の女王でしたが、地上に落ちて貧乏な哀れな小娘になっています。ちょうどシンデレラ(灰かぶり姫)が灰にまみれて下働きさせられるのと同じイメージですね。
天女が地上に落ちてきて、いろいろ苦労して、最後には再び天に帰っていくというイメージの典型は、なんといっても聖母マリアです。すなわちヨーロッパ中世の民間伝承によれば、マリアは初め天の女王でしたが、地上に落ちて貧乏な哀れな小娘になっています。ちょうどシンデレラ(灰かぶり姫)が灰にまみれて下働きさせられるのと同じイメージですね。
世界の神話を勉強するんですか。知りませんでした。そういえば、「東京シューレ」ではなく「賢治の学校」の方ですが、公開日に展示を見に行ったことがあります。入り口で「お土産です」とクリスタルをくれました。何かと思ったら「守護石がどうこう・・・」という展示があり、「教育と占星術のようなものにどんな関連があるのだろう」と不思議に思っていたのです。その辺りも是非、教えてください。
日本の教科書の神話記載に反対している人たちって、「神話そのもの」がけしからんと言っているのですか。「神話に出てくる言葉が教科書にはちょっとマズイ」なのですか?
神話は、1)天皇制&皇国史観の肯定につながる、2)女権運動に逆行する、というのが理由かと思いますが。
どなたか補足ございますか?
賢治の学校は「シュタイナーをベースに」というだけで、いわゆるシュタイナー学校ではありません。「守護石」の話は、「賢治の学校」でgoogleしていただけば、出てくるかと思いますが。
宮沢賢治とシュタイナーはその思想に非常に共通項が多いことは確かですけれど。
1.神話を語る=差別とショートしてるんじゃないですか?
最近また暴れだした某K放同盟などは神話や迷信は差別に直結するとして手帳へ の六曜の
記載をやめさしたりしてますから。そういう非科学的なことを信じる心が差別を呼ぶのだそう
です。
2.ジェンダーの連中にセクハラよばわりされるとはかわいそうに
ご存知のようにフェミとかジェンダーとかいう連中はひどい副読本や汚い人形をつかって
小学生に性教育と称して性交教育..いや児童生徒に対する性的虐待をこっそり行ってい
るようです。東大の上野とか大沢?とかあきらかに性的に変態といっていい障害を持って
いると思われます。即刻この連中や変態性教育教師を児童生徒にたいする性的虐待で逮捕
せねばなりません。
小林某や宮崎某と大してかわりはしません。おばさんの変態も逮捕して、治療不可能なら
永久に入院させるか、社会にだすなら常に居場所を申告させ児童生徒に近づけないように
しなければなりません。(笑)
(象徴の表すものは一様ではないので、固定するのは如何なのだろう。例として間違っているわけではないが。)
記紀に性表現が含まれているの事は、原典より明らか。にも関らず、(頭の悪い)独特の意訳に文句を附けるのならば、納得できよう。性表現を責めるのは奇怪しい。
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> 1)天皇制&皇国史観の肯定につながる
此れが、日本の歴史で記紀が重く扱われない理由なら、史学を舐めているとしか思えない。
男女平等に配慮した聖書ってのをウーマンリブの時代に
作ったのはご存知ですか? 神が男性はオカシイとか。
日本神話も ジェンダーの視点から再構築 しようとする
のも、ヤツらだったらやりかねない。
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共産主義万歳/帝国主義反対→天皇制否定→戸籍制の否定
→家制度/結婚制の否定→日本の結婚制度に風穴を開ける
(夫婦別姓・事実婚を選択して婚外子差別を言う)
日本の学生運動時代に、天皇制否定というテーマを、具体的
な政治活動として展開するときに、戸籍に管理されない生き方
とか主張していたのです。それがしつこく生き残っている感じ
がします。
ウーマンリブ(女権拡張運動)の方は、もっと神話を学ぶのがよろしい。神話の中の「処女」は現代的な意味とは異なり、「誰にも所蔵せず、どの男性からも独立している女性」。ノイマンという学者は「豊穣の女神は母でもあり処女でもある。彼女は売春婦であって、誰のものでもないが、誰にでもわが身を与えることができる。豊穣に仕える男性なら誰にでも身をまかせる」と言っている。
男女平等「聖書」は英語で歪曲が激しい。スペイン語やドイツ語では名詞に「性」があるため、<神>は「男」でも<(神の)真理>は「女」というふうにバランスが保たれている。
教科書は問題点が多くいつも心配で仕方がありません。いつになったらベターなものが出来上がっていくのでしょうか。。
勉強不足で皆さまのようにはとてもコメントできませんが、ヒロさんの言われていることには同感する部分がとても多いです。私の方こそ毎日お邪魔してお勉強させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
弊記事をリンク頂きまして、ありがとうございました。
元ネタが一緒なのにこんなにも記事の出来具合に差がでるとは。
彼らは、言葉狩りも良くしますが、それも単に字面だけを見てしているだけで、薄っぺらなものです。
子供を子どもにしてみたり、命をいのちとひらがなにしてみたり、片手落ちにしても文章のみならず、
慣用句、字句にいたるまで、極めて狭量な感覚で排他的に変えようとします。
そう思えば彼らが展開している教科書反対運動も底の浅いものであると言わざるを得ません。
と言っても自然薯軍団は言うことを人の言うことには耳を貸してはくれませんけど。
私のエントリは「日々徒然」さんに触発されて、神話解釈を追加しただけです。「日々徒然」の鋭い視点にはいつも感服しています。
穴を掘って入りたいぐらいです。
過分なお言葉を賜り光栄です。また頑張りますので宜しくお願いいたします。
ところで上のコメントでは慌てたせいか文が荒れてます。
この場をお借りして訂正させていただきます。
誤)片手落ちにしても
正)片手落ちなどの差別表現にしても
誤)自然薯軍団は言うことを人の言うことには
正)自然薯軍団は人の言うことには
もう、信じられない毒電波にどうしてよろしいのか?
私の住んでいるところの隣にはこんな祭りがありまして、
それをかたどった酒瓶に入った日本酒が売ってますが。
http://www.tochio.net/hodare/
片っ端から排斥をやりかねないですね。
先日(2月25日)、三島由紀夫研究会で講演をしたのですが、そのときシュタイナーに触れました。三島由紀夫とシュタイナーを繋ぐヒントを与えくれたのは、高橋巌教授でした。
今日のエントリーも、面白く読ませていただきました。
濁り酒でないことを望みます。
醸造系酒(日本酒とかワイン)愛好の私としては、
飲んでみたいと思うのですが。
ただ、
アレから、白いのが出てくるとなると、
少し、抵抗があるかも(笑)。
三島由紀夫とシュタイナーをつないだことに驚きました! 私は三島由紀夫には疎いのですが、いつか(1年後ぐらいにでも)シュタイナー、三島由紀夫、宮沢賢治、鈴木大拙、夏目漱石あたりを1本の線で結んで、あれこれを書けたらいいな、と幻想願望を抱いていおります。
なかなかおもしろいですね。物語にしろ神話にしろ、当初より毒気がなくなっていますが電波
にはなりつつあるんですね。w
天皇のお名前(漢風ではなく和風の方)が気になり検索していましたら、下記サイトを見つけま
した。当方、言語学には詳しくないのですが、こういう解釈もあると思うと新鮮でした。
漢字が入る前の大和言葉、古代の日本語を思う時の一助になりそうです。
「3)驚いた機織女が女陰に梭(ひ)を突いて死んでしまった」の部分ですが、
夢間草廬(むけんのこや)さんの http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/
「箸(はし)墓伝説の真実 『日本書紀』をポリネシア語で読み直す」が詳しいです。
http://www.iris.dti.ne.jp/%7Emuken/intro3.htm
ソースのご紹介、ありがとうございます。
>http://www.iris.dti.ne.jp/%7Emuken/intro3.htm
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また、『日本書紀』のこの条には、「悔いて急居(つきう)。即ち箸に陰(ほと)を撞(つ)きて薨(かむさ)りましぬ」(岩波書店、日本古典文学大系本による)とありますが、この「急居(つきう)」は、マオリ語の
「ツキ・ウ」、TUKI-U(tuki=pound,beat,attack;u=breastof a female)、「女性の胸(乳房)を打つ(刺す)」
の意です。
さらに、この「ほと」は、マオリ語の
「ホト」、HOTO(start,make a convulsive movement)、「衝動的に行動を起こす」
の意です。
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日本神話を「古代朝鮮語」オンリーで解く、という無茶な人たちがいますが、「現代ポリネシア語」でがんばっておられる人も、かなり無茶苦茶ですね〜。「日本神話」は「世界中の神話の1つ」という切り口から理解しないと、音韻の類似に引きずられて、ご苦労さまな連想ゲームを続けてしまいます。特にポリネシア語と日本語は、世界言語の中でも音素の数が少ないので、類似発音はゴマンとありますので。
それはともあれ、日本神話は朝鮮半島の「檀君」的な要素(フェニキアまで遡るルーツ)よりも、南方海洋系のルーツの方が強いと感じていますので、ポリネシア語の切り口は、興味深いところです。