2005年03月03日

欲望という名の「世界1周、行けども行けども 日本かな」

ソ連崩壊以降、左翼活動はなかなか人が集まらない。固定客はいるようだ。だが、新規開拓がままならない。新規開拓がないと、拡大再投資ができない。

ピースボートも例外ではなかった。「過去の戦争を見つめ未来の平和を創る」「歴史を忘れないために」と銘打っても、やってくる人たちは「市民団体系」の人が多い。船旅の珍しさも手伝って、2回ぐらいまでは乗るだろう。でも3回、4回と来てくれるかどうか。せっかく船上で「真実の歴史」を学ぶセミナーを開いてみても、餅屋に餅を売っても始まらない。もっとマッサラな布に色を染めてみたいのだ。

世界1周の企画は並大抵ではないが、不思議と人は集まる。「世界1周」というコトバは魔力である。マゼラン海峡、タヒチ、イースター島、フィジー、モルジブ、セーシェル、スエズ運河....なんて、いいでしょう。あなたも行きたくなる〜、あなたも行きたくなる〜。これに引っかかってボランティア(タダ働き)で通訳をやる人すら出てくる。

実際乗ってみると、あたしの夢見た「世界1周」はこんなはずじゃなかった、と幻滅する人も多い。私の尊敬するIrregular Expressionのgoriさんが看破している通り75%は船の上である(日数ではそうだが、実質時間では85%だ)。クルーズの後半になると若い女性がつぶやき始める....「わたし、どこか旅に出てみたい....」(ギャグか!) 日本人ばかりの3ヵ月の団体旅行だ。「世界1周、行けども行けども 日本かな」と一句詠みたくなる。

退屈な客をもてなすために、ありとあらゆる企画がある。ラジオ体操、太極拳、英会話、パソコン講座、ゴスペル、太鼓練習、シネマ、卓球、バスケ、サッカー、水泳、「30代集まれ」の会、「神奈川」県人会、デジタル写真展示会、スピーチコンテスト、英語劇、船上運動会、のど自慢大会、寄席、南京玉すだれ、手品、ジャグリング、社交ダンス、デッキ屋台、カラオケ、星を見る会、カジノ、マージャン、フィーリングカップル5対5、深夜ディスコ(クラブ)....などなど。カルチャーセンター系、体育会系、欲望系がテンコもりである。(たぶんこれにラブホテルサービスがあれば、若者の人気はさらに沸騰するだろう) ありがたいことに、これらの企画の大半が、ボランティアたちが自主的に運営してくれるのだ。

が、断っておくが、ピースボートはエンターテイメント産業ではない。世界中を見せてあげたい、すてきな旅行を楽しんでもらいたい、という観光ビジネスでもない。世界1周の船は、自分たちの「本来の活動」に新しい風を吹き込むための絶妙な「箱モノ(装置)」なのである。
posted by ヒロさん at 08:33 | Comment(4) | TrackBack(0) | ピースボート
この記事へのコメント
TITLE: 受けました。
Hiro-さん、こんにちは。これめちゃ受けました。

>若い女性がつぶやき始める....「わたし、どこか旅に出てみたい....」(ギャグか!) 

これも、

>日本人ばかりの3ヵ月の団体旅行だ。「世界1周、行けども行けども 日本かな」と一句詠みたくなる。

「あいのりワゴン」のアイデアってピースボードからでしょうかね。

どうも失礼しました。m(_ _)m
Posted by dochitebouya_usa at 2005年03月03日 15:40
TITLE: ブログまできてくださってありがとうございます。
最近になってかなり、ピースボートのポスターを見かけるようになりました。なるほど、ピースボートはこんなものなんですね〜
私が期待していたものとは、全然違ったみたいです(:0:)残念。
やはり、日本人の団体で行くと、こういう状態になってしまいがちなんですね。
Posted by zion-miy at 2005年03月14日 00:21
TITLE: ショォック
うちのブログにレスありがとうございました☆
私も「世界1周」という魔力にかかった1人であります。
考えてみれば、私は船嫌いでもあるんです。(!)
ヒロさんのおかげで目が覚めました(笑)
Posted by minami at 2005年03月24日 18:18
TITLE: 再考
私のブログにも、コメントありがとうございます。
実はブログ書いた直後にひろさんのページ、拝見していました。
それ以外にもいろいろと検索をかけ、二日、悩みました。
悩んでいる最中にヒロさんからコメントをいただいたので驚きました(笑)
結果、僕の休学の目的を真剣に考えれば、別に船の必要はないよな、と考え直しました。
130万もあれば半年以上の世界一周ひとり旅ができるとわかり、
軌道修正しようと思います。

決断はもっと慎重にしたほうがいいですね〜、、、。
この教訓、今後に生かします。

それでは。
Posted by Naoto at 2005年03月30日 21:30
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