2005年02月14日

北朝鮮クルーズ3:テレ朝、後藤和夫の巻

見るからに左方向にまっすぐ翼が伸びている論客たちは、それほど実害がありません。それよりも、面白おかしくひねりの効いている左巻きの人たちの場合は、要注意です。テレ朝「ザ・スクープ」のディレクター後藤和夫氏は、そのヒョウキンなお人柄で人気上昇中のようです。

彼は「アジア未来航海」クルーズ(2000年)と「南北コリア」クルーズ(2001年)で北朝鮮を取材しています。さらにクルーズとは別に、2003年1月にピースボート・スタッフに同行して、北朝鮮に向かっています。

まずは1度目の2000年のルポ。すでに「log」さんが「古館の取り巻き放送作家は『反日』だらけ」(2005/2/11)で取り上げている通り、派手に飛ばしています。

クールハンド通信:『北朝鮮を擁護する』から引用。
 拉致事件があります。拉致事件に巻き込まれた家族の悲しみは想像を絶するものがあるでしょう。しかし、交戦中の相手国の人間を拉致し人質にすることは、一つの戦術です。
 時代が変わっても、肉親を奪われた悲しみは、両方の人ともに同じ悲劇ですが、国家というものは、時として肉親を奪われた者の悲しみを無視します。これは北朝鮮に限ったことではありません。
 自存自衛の戦いをしているうちに、世界から取り残されてしまった。戦争を放棄してしまったら、民族が全滅してしまうという恐怖から、少しでも敵国からの脅威を防ぐために一番安上がりの人質作戦、それが拉致かもしれません。
 北朝鮮が、日本がかつて強制連行していった数百万の朝鮮人は拉致とは言わないのかと反撃した場合、交戦中と見られている日本としては、なんと応えられるのでしょうか。
 もう一度言います。北朝鮮は、今も戦争をしている国です。それが休戦中ということなのです。そうさせたのは誰か。それを考えないで、あの国を、遅れた国と誹謗することは許されません。

ということで、「交戦中の国」なんだから、もっとわかってやれよ、と日本人を諭します。

同じ2000年の北朝鮮を扱った別のルポ、
見ることよりほかに:『平壌ドボン』から引用。
  • 突然だが、人間は欲望の動物だ。人より旨いものが食いたい、人より楽して儲けたい、エッチもしたい、酒も飲みたい、と思う動物だ。東欧が崩れたのも、中国が市場経済で「赤い資本主義国」になったのも、ソ連がロシアに戻ったのも、みんな人間の欲望のせいだ。
  • なんと、泊まったホテルの地下にカジノがあったのだ。カジノなんて君、資本主義の最堕落もいいとこじゃないか。アメリカ帝国主義のネオンきらきら、享楽の極致、ラスベガスは全ての社会主義の敵ではなかったのか。
  • 今、偉大なる指導者金正日総書記は、人々に欲望を開放しようとしているのかもしれない。みんなが「喜び組」になって欲しいのかもしれない。

  •  このオヤジさんは、かなり食わせものです。北朝鮮のゴマカシ社会主義を半分茶化しながら「人間はみな欲望、どこでも同じ」という欲望平等論を展開。

    さて、翌年2001年には2度目の訪問です。今度は少し進歩したでしょうか。

    クールハンド通信:『北を目指すな』から引用。
  • [韓国の]その駅で日本語の堪能な老人に会った。78歳の老人は、戦前、日本占領下の朝鮮鉄道で機関士として働いていたという。17歳の時には、日本に徴用され戦艦に乗って日本兵として、沖縄、フィリピンに行った。(略)
  • [北朝鮮側の]板門店では、案内の軍人が、けだるそうに案内をしていた。丸暗記した、軍事境界線の歴史を説明し、「アメリカ帝国主義と日本帝国主義がわが国に対して攻撃を仕掛ける以上我々は軍備を緩めるわけには行かない…」のプロパガンダを繰返した
  • 北と南。奇妙な温度差だった。「戦争」のねじれ。<中略>そして、両方共に、日本を許していなかった。「新しい歴史教科書」や「靖国」を許していなかった。その意味では「戦争」は今も終っていなかった。日本の「戦争」にはまだ責任があった。
  • その日本が、「新しい戦争」を鼓舞するアメリカに追従しようとしている。


  •  今回は「強制連行」のかわりに「徴用」というコトバも勉強したようです。敵のプロパガンダにも気づき始めたようです。しかし......、案の定の「定番」の結びとなりました。

     この人本当にジャーナリストなんでしょうか? と問われてはまずいと思ったのか、やっと取材する気持ちが起こったようです。見ることよりほかに:『平壌でボッタクリ -- 崩壊か開放か』から引用。
  • まだいる。しつこくカメラを回している。もうあれは平壌テレビではない。明らかに我々を狙っている。公安当局か? 何でだ!
  • 「じゃあお勘定してください」「はーい」とこれまたチーママ風が小さな紙をすっと差し出す。で見ると、ビール3本が1万4千円! ドルやウォンじゃなくて、はっきり円。「ぬあんだと!!」
  • ここに来て我々は確信した。もうすぐこの国の、この世界でも類まれなる社会主義体制の崩壊も近いと。やはり世界は金か、今のうちに円を稼いでおきたいんだな、もうすぐ市場経済が来ることを知っているんだな。
  • タクシーに乗って、「珍しいところ連れてってよ」と脅迫。市民が食べるというアヒルの焼肉食堂、5人で2万2千円!! おい、本当に市民が食べるのかよ、俺らだけ別室だったじゃない。

  •  まあ、監視の目をくぐって取材しようとする珍道中記ですが、取材といっても、ただ飲み食いしてボラれているだけです。

     さて、ここまではこんなお調子者ですが、翌年の2002年秋に北朝鮮が拉致を公式に認めてしまった後は、どんなありさまでしょうか。

    クールハンド通信:『世界でいちばん憂鬱な場所』から引用。
     帰国するまでもなく北朝鮮の拉致問題が日本の最大関心事になっています。心無い朝鮮人バッシングも伝えられました。<中略>
      帰国してから親族の会見を見るたびにいたたまれなくなります。だが、それは同時に日本という国家が犯した罪でもないでしょうか。今日まで放っておいた罪であると同時に、戦争責任を果たしてこなかった罪ではないでしょうか。


    あ〜〜、また、元に戻ってしまいました。拉致認定の前も後も、変化なし。さようなら、後藤和夫さま。
    posted by ヒロさん at 08:39 | Comment(4) | TrackBack(5) | ピースボート
    この記事へのコメント
    TITLE: おひさです
    もしその朝鮮の老人が言う徴用ならば兵士としていったのはおかしいでしょう。徴用ならば軍属として戦闘以外の仕事に就いたのではないかな。徴兵ならば立派に戦闘員として従軍なさっていたのでしょう。また志願兵もありますから望んで戦争に行った人もいたわけだし。知識がないと突っ込めないと言う典型的な例かな。

    http://www.geocities.jp/nakanolib/rei/rs14-451.htm#国民徴用令(昭和14年勅令第451号)

    徴用 国家が国民に対し、徴兵の変わりとして使役や労働を課す制度。
    徴兵制度(ちょうへいせいど)とは、強制的に国民を一定期間軍隊に徴集する制度。
    Posted by てげてげ at 2005年02月14日 09:49
    TITLE: まいどです。
    なるほど、赤色にしてみたものの、突っ込みが足りませんでした。申し訳ございません。
    Posted by Hiro-san at 2005年02月14日 10:05
    TITLE: チェックどうぞ。
    このシリーズ、コチラからリンクさせていただきました。
    付け足しても付け足しても例の件はまだまだ埃が出そうです。
    ケホンケホン、、
    Posted by 枇杷 at 2005年02月14日 13:02
    TITLE: レベルが低いので今後も続きます
    悪いけど韓国のおじいさんおばあさんの経験を記事にする時は充分その人達
    を理解した上で記事にして欲しい。 いくら植民地時代に教育制度が充実した
    からと言って当時、きちっと新聞等を読み自分が何で徴用されたのか若しくは
    徴兵されたのか認識した人ばかりでないし、分かっているが頭で拒絶していた
    朝鮮人、今頃聞かれてもいい加減に話す人等様々で、新聞記者ならば、その辺
    確認しながら記事にしないと朝日新聞の誤報道と同じになります。大変なのは
    分かりますがこれらの技術を大学で教えてもらってください。新聞学科がある
    大学は日本にあるのか判りませんが〔上智大学にあるのかな?)
    Posted by 怖かったさん at 2006年09月05日 09:08
    コメントを書く
    お名前: [必須入力]

    メールアドレス:

    ホームページアドレス:

    コメント: [必須入力]

    認証コード: [必須入力]


    ※画像の中の文字を半角で入力してください。
    この記事へのトラックバックURL
    http://blog.seesaa.jp/tb/250626714

    この記事へのトラックバック

    古館の取り巻き放送作家は「反日」だらけ
    Excerpt: 試合当日の馬鹿騒ぎですら明らかに報道番組の領域を逸脱していたのに、一夜開けてもまだなおサッカー関連で押し通そうとする「報道ステーション」。開いた口が塞がらないとはまさにこのことだろう。トップニュースは..
    Weblog: log
    Tracked: 2005-02-14 10:03

    古館プロジェクトに反日をもたらしたのは誰か
    Excerpt: 古館さんが報道ステーションでおかしい理由が分かりました。 古館の取り巻き放送作家は「反日」だらけ(log) 詳しくはこちらを読んでいただきたいのですけれども、古館さんのまわりってのは、みんながみん..
    Weblog: 若隠居の徒然日記
    Tracked: 2005-02-15 03:02

    ソ連が抜けるから話がおかしい
    Excerpt: 上で、へんなの、どうやって納得してんのこの北朝鮮の言辞をと疑問を呈した私だったが、ピースボート経験者によればこういう感じらしい。若隠居さんのところ経由でしった「ヒロさん日記」。 若隠居さん http:..
    Weblog: セカンド・カップ はてな店
    Tracked: 2005-02-15 03:05

    サッカーW杯、ピョンヤンで観客騒ぐ
    Excerpt: 先日のサッカーW杯最終予選・北朝鮮−イラン戦の試合中、および試合後、ピョンヤンのスタジアムで、観客による騒ぎがあったと報道されています。観客の騒ぎ方が、サッカーでは良くある水準なのか、まだまだかわいい..
    Weblog: 札幌から  ニュースの現場で考えること
    Tracked: 2005-04-02 11:54

    やっぱり北朝鮮、サッカー観衆暴徒化
    Excerpt: 昨日、サッカーW杯アジア最終予選日本対バーレーン戦は2対1で日本が勝ったが、同じ日、平壌では北朝鮮対イラン戦が行われていた。このとき、試合終了直前、攻め込んだ北朝鮮選手がゴール前で倒れ、北朝鮮選手たち..
    Weblog: なめ猫♪
    Tracked: 2005-04-02 12:06
    ×

    この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。